勧誘
あれから2年たった。僕は、10歳になり後もう少しで11歳。ため息をつく……。
「聞いてるのかね?君を私の隊に入れてやると言ってるのだ。さっさと、入れ!」
無視だ無視……。かかわっても良いことはない。
「所詮は、親の七光りなのだろ?優しい私が、マスコットがわりに入れてやると言ってるのだ。感謝するんだな。さぁ、書類を書け。」
はぁ、こいつそんなこと言ったら……。周りの生徒達が、不愉快そうに眉をひそめる。
ちなみに、僕の成績は学年3位で決して親の七光りなのではない。こいつが、馬鹿なだけ。
「無理な勧誘は、軍法で禁止されてます。」
そう言って、オレンジジュースを飲む。
「ふんっ、無理な勧誘では無い。」
「それは、貴方が決めることじゃない。」
「うるさい、黙れ!ガキは、大人しく大人に従っていればいいのだ。」
プチッ 僕の中で何か切れる音がした。
「子供は、戦争の道具じゃない!」
食堂に、僕の怒りの声が響く。シーン……。
「そして、大人の道具でも無い。僕ら子供にも、心はあるし傷つく。貴方の考えは、根本的から間違っている。本当に、ベテランの軍人なんですか?耳を疑いましたよ。」
「この、無礼者が!私に逆らって、ただですむと思ってるのか?お前なんて、父親共々潰してやるからな。泣いても、許さんぞ!」
「どうぞ、やってみれば?」
あっさりと言う。皆驚く。
「はんっ、強がりおって。」
馬鹿にしたように笑う。うん、残念だな。ピッ♪録音機を止めて先程の会話を流す。
「聞いてみて、どう思います?」
「ふんっ、それを壊せばいい話だ。」
うん、お馬鹿さん♪この食堂は、軍が運営してるんだよ?もちろん、ベテランの軍人が今も生徒と混じってご飯食べてるわけだ。
そして、軍法の1つに一般人への暴力を禁ずるとある。僕は、軍学校の学生なのでまだ一般人の扱いなのである。奪おうとして、僕を殴る。食堂から、ちらほら悲鳴が聞こえて学生達が怯えてるのがわかる。軍人の面目が、潰れた。
こうなれば、会話も全て聞いているいじょう何か動かなければ更にどん底だ。
軍人たちは、食事を中断して殴った軍人を押さえつける。ロゼが、昼のため食堂に入って来る。倒れて、軍人たちに心配そうに声をかけられてるファイを見て。とても、冷たい声で言う。
「これは、どう言う事?何で、息子が倒れているのかな。説明して……。」
皆、ゾッとしてロゼをみる。
「これを聞いてくれ。」
1人の軍人が、さっきの録音を流す。
「へぇー、僕共々潰すか。面白いこと言うね。」
みんな、クスクスと笑う。
「というかファイ、わざと攻撃受けたでしょう。彼が潰れるのはいいけど、軍まで巻きこんじゃ駄目。それにファイなら、こいつくらいどうとでも出来たでしょう?まったく……。」
「ごめんなさい。」
苦笑する。
「いや、その場合でも軍人の面目は潰れてた。どのみち、同じだろ。」
それもそうか、と頷く。ロゼと別れを告げ、食堂を出て行く。はぁー、疲れた。




