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ダイアナの回想1
ある秋の、星が美しく瞬く夜。
眠れずにいた私は少し散歩をしようと思い立ち、自室を抜け出しました。
こんな真夜中です。
屋敷の者は皆、夢の世界へと旅立ち、起きているのは私1人だと思っておりました。
ですから、明かりの漏れる両親の部屋にそっと近づいてしまったのは、仕方の無いことと言えるでしょう。
この時、部屋で大人しくしていたのならば、何か違っていたのでしょうか。
今となってはもう、分かりませんが。
ただ、何も知らずいれば幸せにいられたのかもしれない。
そう思うと胸が痛い時期があったことは確かです。