第7話:魔女狩りハンター入り
音葉達についていくことを決めた和樹だが、途中魔女狩りハンターの邪魔が入り戦闘に。
しかも和樹は一撃でやられその場に気を失った
「綾乃、和樹、このソウルイーターは時として兵器と化す。兵器と言ってもかわいいもんじゃない。破壊兵器だ。
そのためにお父さんたちはこのソウルイーターを3つにわけ、その力分散させた」
「でもどっちみち私達の家系以外は使えないのですから、分ける必要などなかったんじゃないの?」
「そうなのだが、どこにいっても特例は付き物だ。私達の家系以外でも使える奴はいる。
そいつがいい人かも悪い人かもわからない。だったら例え奪われたとしても、3つに分けていれば
残りの2つを死守すれば、兵器にはならない。そのために綾乃、お前にはこの紋章を預かってほしい」
「わかった」
「和樹、お前にはまだ早いからもうちょっと大きくなってからな」
「うん」
「――――――っつ」
あまりの頭の痛さに目を覚まし、飛び起きた。
「ここは・・・」
俺はベッドの上で、周りにはカーテンが引かれていて病院みたいな感じだ。
「それにしてもあんな昔のことが夢でまた見ることになるとはな」
枕もとにあったソウルイーターを手にとり、姉ちゃんのことを思い出した。
そういえばさっきの夢、父さんはもちろん、姉ちゃんの顔もはっきり見えなかった。
姉ちゃんを探しに行くとしても、手がかりはソウルイーターの紋章だけだ。
そう言えば、音葉達はどこに?
北条の仲間に思い切り頭を殴られ気絶しちまったけど、あの3人は無事なのか?
3人を探しに行こうと、ベッドから降りた瞬間、カーテンが開いた。
「あら、起きたのね。よかった。猛の奴手加減ってのを知らないんだから」
ほ、北条、なんでお前がこんな所にいるんだ?
「ん?何その顔?別に取って食ったりしないわよ」
「音葉達はどこだ」
俺はソウルイーターを抜き、いつでも北条とやりあえるように準備した。
「助けてもらって第一声がそれ?あの3人なら逃げられたわ。あなたを残してね」
なんだ無事だったのか。
「それで俺を捕らえてどうするつもりだ?」
「何って反魔女狩り連盟に入ってもらうつもりよ」
北条はさっきまで俺が寝ていたベッドの上に腰を下ろした。
「嫌に決まってるだろ。俺は音葉達についていくって決めてるんだ」
そう言い残して、部屋から出て行こうとした。
「じゃあこうしない?このまま出て行っても、あの3人を探すのは困難でしょ?
あの3人のうちの男の方は魔女狩りよ。私達と一緒にいれば、必ずまた会える。そしたらあなたの好きにしていいわ
だからそれまでの間・・・」
「いいだろう。でも音葉達を見つけたら勝手に降ろさせてもらうからな」
向こうはそれまでの間、俺を利用するつもりなんだろうが、そうはいかない。
利用するのはこっちのほうだ。
「それじゃあ正式に登録する必要があるからついてきて」
そう言われ、俺は北条の後ろについていった。
「北条、登録ってなんだ?」
「貴方には反魔女狩り連盟にじゃなくて、その魔女狩りハンターに入ってもらうの
連盟の方だと、連盟長とかに会わなくちゃいけないから、面倒なの。
その分、魔女狩りハンターのほうだったら、名前登録だけで終わりなの」
なんとも簡単な登録システムだな。
「分かりやすく言えば仮登録みたいな感じかな。因みに私はちゃんと連盟からの直属だから」
っと説明され、でかいドアに突き当たった所で止まった。
北条はその部屋の横にある、四角い枠に人差し指を当てた。
するとドアが自動的に開いた。
「どうなってんだ?中から誰かが開けたのか?」
「私の指紋で開いたの」
「はぁ?指紋で開くって意味がわからねぇぞ」
「いいからこっちに来て」
その部屋は機械やらコンピューターがごちゃごちゃしていて、まるで別世界のようだった。
「じゃあここに名前を打って」
っとモニターにひらがなが五十音順に並んでいた。
「打つって?」
「何あなた?タッチパネルも知らないの?」
タッチパネル?聞いたことはあるが詳しくは知らない。
「指定のひらがなの上に、直接画面に指を当てるの。そしたらコンピューターが勝手に反応してくれるわ」
おぉ、ほんとだ。『む』の所を押すと名前欄に『む』って出たぞ。
何か北条が呆れた視線で、俺を見てるからさっさと終わらそう。
「このコンピューターは精密だから、あなたの指紋も読み取るから、他の人にはあなたの情報を見ることはできないわ」
おぉ、時代はこんなに進歩していたのか。それとも俺がただ無知なだけか?
「あなたね。一回一回驚いてないで、さっさとやってくれる?」
これでも早くしているほうだぞ。
それより記入事項が多いんじゃないのか?
性別とか年齢とかどうでもいいだろう。
ともかく俺はこの後30分近くかかって、全ての入力を終えた。
名前登録だけじゃなかったのか?
とにかく一字間違えて、消し方が分からず『ああああああ』っと打ったり、次の項目にいくのに分からず、戻りまくったり
ド素人オーラを放ちまくってる俺に、北条は何回も呆れた顔で修正していった。
「はぁ、これで登録は済んだわ」
っと深いため息をつき、疲れきった顔で俺の情報を開いてくれた。
「顔写真まで写ってるじゃねぇか。いつ撮ったんだよこんなの」
「あなたがタッチパネルに夢中になっている間よ。その画面はカメラにもなってるから」
なんかここにきて、驚かされてばかりだな俺。
情報と言うのは、いわゆる個人情報とあとはここでの内部情報のみだ。
ランク、クラス、成果とかあるが全て空白だった。
「次は実力テストよ。これであなたのランクとかすべて決まるから、慎重に取り掛かりなさい」
そう言われ隣の部屋に入れさせられた。
「まずは体力からね」
北条がそう言った瞬間、急に身体が重くなった。
「な、なんだこれは・・・」
上に何十人も人が乗っている感じで、押しつぶされそうな感覚だった。
「重力を10倍にあげたわ。それで3分間動き回ってみて」
バカ言うな。立ってるだけでやっとなのに動き回れるはずねぇだろ。
足を一歩出すだけでも、倒れそうなぐらいなのに、こいつ俺を殺す気か?
「ほら、固まっていないで動いて動いて」
動けるかー。お前も一回ここにきてこれを味わってみろって。
「はいじゃあここまでね」
「はぁはぁ」
重力が元に戻った瞬間、俺は尻餅をつき、その場に寝っ転がった。
「それじゃあ次は技能ね。あなたの力みさせてもらうわ」
っと次々とゴブリンが俺の部屋に入ってきた。
「バカかお前。この状態で戦えるわけないだろ」
っと突っ込んでる余裕もなく、俺はソウルイーターを抜き応戦した。
しかも俺の知ってるゴブリンとは遥かに強く、かなり押され気味だった。
「それは我が連盟が作り出した、ゴブリンイーターよ」
そんなこと聞いてないっつうの
【ソウルイーター・浄化】
地面にソウルイーターを突き刺し、ゴブリン全てを一掃した。
「中々ね。それじゃあ次はこれ」
マンティコアじゃねぇか。しかも俺が知ってるマンティコアじゃないってことは・・・・
俺は恐る恐る、北条の方に目をやった。
「ご覧の通り我が連盟が作り出した、マンティコアG2よ」
G2って何の意味だよ。
でも一匹だけってのが不幸中の幸いってやつか?
【ソウルフレイム】
早めに決着をつけたく、今までチャージしていた分を全て放出させた。
マンティコアG2は全く身動きせず、ただその場に突っ立っているだけだった。
「楽勝じゃねぇか」
っと思った瞬間、G2は口を大きく開け、俺のソウルフレイムを飲み込んだ。
しかもそれをこっちに向け吐き出した。
無茶言うなよ。ソウルファイアならともかくソウルフレイムは簡単に避けれる比ではないぐらいのでかさだ。
「ぐわー」
俺は成す術もなく、自分で放ったソウルフレイムを受け、その場に倒れた。
「そこまでね。戻っていいわよ」
そう言われた瞬間、身体の傷も癒え、部屋のドアが開いた。
「どういうことだ?」
隣の北条がいる部屋に戻り聞いた。
「一種のシミュレーションよ。あなたはさっき本当に、あのゴブリンとかマンティコアと戦ってたわけじゃないの」
はぁ?いや、戦ったぞ、ちゃんと痛みもあったし、危機感も感じた。
「説明はしないわよ。したって無駄だと思うし。それよりこれがあなたのデータよ」
お、さっきまで空欄だったランクとクラスのところが埋まってるじゃねぇか。
「ランクはD、クラスはA。なんだこれ」
「そのままの意味よあなたはDランクでAクラスに分類されたってこと。因みにあなたがAクラスの中で最弱よ」
最弱って・・・・どれだけごつい人たちがいるんだ。このAクラスには。
「それじゃあAクラスの居室に行きましょうか」
っと言われるがまま、コンピューター室を後にした。
「ここが私達の居室よ」
北条が一つの建物の前で立ち止まった。
「っで俺のAクラスの居室はどこだよ」
「だからここよ」
「ここって北条の・・・・ってえぇ?」
「そう、私と貴方は同じクラス。改めてヨロシクね」
北条とは一時期の付き合いになると思ったが、長い付き合いになりそうだ。