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第6話:魔物問題との決着

瞬との戦いに苦戦していた和樹だが、音葉が助けてきてくれたおかげで、体勢を立て直すことができた

 音葉が戦列に加わってくれるのは嬉しいが、瞬さんも参戦してきては意味がない。

 ここは俺の偽者を音葉に任せて、俺は瞬さんを・・・・いや、それじゃあソウルイーターを取り返せない。

 その前にソウルイーターを取り返せないと、俺の戦力は悲しいが0と等しい。

「音葉、まず俺の偽者が持っている短剣を取り戻したいのだが」

「あれね、じゃあ和樹君はここで待ってて」

 瞬時に判断した音葉は、2人の所へ突っ込んだ。

 バカ、二人相手に・・・・


           【シャドウフレア】


 瞬さんに目くらましがわりの炎を放ち、偽者の俺の前に、大きな黒い騎士が現れた。

「デュラン、時間稼ぎお願い」

 どうやら音葉が召喚したみたいだが、瞬さんの召喚した狛犬に比べて10倍以上でかい。

 デュランと呼ばれた騎士は、大きな剣で偽者の俺を何度も上下左右から叩き切り、偽者はそれを防ぐので精一杯のようだ。

「音葉には手をあげたくなかったんだが・・・許してくれ」

「その前にこれを消せばこっちのものよ」

 音葉が今いる場所は偽者の俺を呼び出した、魔方陣の上だった。

 そして音葉は向かってくる瞬さんに目もくれずに魔方陣の消した。

 すると、偽者の俺は霧のように消えていき、その場にソウルイーターが落ちた。

 俺はすぐにソウルイーターを拾いに行き、音葉の援護を試みたが、音葉の姿が見当たらなかった。

 しかもさっきまでいた黒い騎士も消えていた。

「ちょっと異次元に閉じこめただけだ。和樹を殺せば解放する。あれでも俺の妹だからな」

 いつもの瞬さんじゃない。

 今の瞬さんは殺気に満ち、まるで何かにとりつかれているみたいだ。

 上等だ。こういう窮地に一回立ってみたいと思っていたんだ。

 今までは魔物相手に全く雰囲気が出なかったしな。

 それに使ってみたい大技もある。


            【アトミックマインド】


 先手を打ってきたのは瞬さんだ。

 周りの景色が揺れ、普通に立ってるのがままならないぐらい、気分がわるくなってきた。

 状態異常が何かか?

 とにかくこの状況だと視野まで狭くなっちまうし、何とかしなくては。


            【ソウルイーター・浄化】


 ソウルイーターを地面に突き刺し、異常現象を抑えた。

「な、一体どういうことだ」

 ソウルイーターの固有技は3つある。

 誓い、裁き、浄化の3つだ。

 しかも効果は1つだけではない。

 攻撃、防御、補助の3種類の効果があり、分かりやすく言えば9つの固有技があるってことだ。

 因みにさっきのは補助の浄化だ。

「これからは俺のターンだぜ」

 ソウルイーターの矛先を瞬さんに向けた。

「それで勝ったつもりか?こっちにはまだ奥の手が・・・」

「早くださねぇと死ぬぞ」

 こっちは遊んでるヒマはねぇし、必死なんだ。

 敵の奥の手まで待ってられるか。

「なら見せてやる」


           【ソウルイーター・裁き】


「ぐはっ」

 瞬さんが魔方陣を書いてる途中に、頭上に円を描くように8本のソウルイーターが現れ、一直線に瞬さんを貫いた。

「っふ、和樹、なかなかやるじゃねぇか。でも次はこうは行かねぇぞ」

 そう言って、瞬さんは段々薄くなって、消えていった。

「消えた?まさか逃げたのか?」

 それより、音葉が心配だ。

 異次元に飛ばしたっていってたが、大丈夫なのか?

 辺りを見渡すと、壁に小さな魔方陣があった。

 しかもその中は水が入っていない水槽みたいになっていて、音葉がその中に入っていた。

 消そうとしてもこれは消えないみたいだ。

 だったら方法は1つ。


           【ソウルイーター・浄化】


 魔方陣にソウルイーターを突き刺した。

 すると魔方陣が光だし、中から音葉が飛び出てきた。

 失敗したらどうなることかと思ったが、うまくいってよかった。

「和樹、ありがとう」

「おや、礼を言うのはこっちだよ」

 一人じゃ死んでたかもしれないしな。

「でもまだ上にいるんだろ?お前のじいちゃん」

「多分大和君が倒してくれてると思うけど、一応急ごっか」

 大和ってだれだ?あの眼鏡男のことか?

 音葉は駆け足で、来た道を戻り、俺はそれについていった。

「でもなんで、俺が本物だってわかったんだ?」

「え?あ〜あれね。赤の他人のおじいちゃんのことを名前で呼ぶはずないじゃん」

 そう言えば確か、俺の偽者は音葉のじいちゃんのことを名前で呼んでたな。源次郎だっけ?

 あ、あの笑い声・・・・・思い出した。

 10年前の祭りの時にいた奴だ。

 しかも親父の名前を知っていた。

 あいつが諸悪の根源なら全てがわかるはずだ。



「っよ、遅かったなぁ」

 でも既にとき遅し。

 旧校舎は姿は姿形もなく、がれきの上に、あの眼鏡男と琴葉が並んで座っていた。

「おい、音葉のじいちゃんはどこだ?」

「なんや?ワイのことを『おい』呼ばわりかい?ワイには光明寺大和って名前があんねん」

 名前なんかどうでもいいんだよ。

「音葉のじいちゃんをどうしたか聞いてんだよ」

「訂正する気なしかい。まぁええわ。あのじいさんなら逃げられたわ」

 逃げられただと?せっかく姉ちゃんの居場所がわかると思ったのに。

「なんで逃がしたんだよ」

「影武者やったからしゃあないやろ」

 バレバレな嘘ってまるわかりじゃねぇか。何が影武者だ。

「それより音葉、あいつが最後の影武者やったんちゃうんか?めっちゃ強かったで」

「多分そう。次に会うのが多分本物」

 この人たち一体なんの話をしてるんだ。

 この音葉って人も今落ち着いて考えてみたら普通じゃないよな。

 あの黒い騎士は何処か出てきたんだ。

 それに旧校舎を全壊って人間業では無理だぞ。

「ほな、日も上がってきたし、そろそろズラかろか。ワイらにはこれをもとに戻す技は持ち合わせてへんし」

 光明寺はそう言ってスタスタと先に一人で行ってしまった。

「そう・・・だね、それじゃあ和樹君、悪いけど後はお願いね」

 音葉は両手を合わせて、謝りながら光明寺のあとを追った。

「それでは和樹さん、またどこかで」

 琴葉はワザワザ俺の目の前でお辞儀をして2人のあとを追った。

 


 俺はこんな所に残ってていいのか?

 これでもう魔物は出てこないはずだ。

 そしたら、こんな町なんかすぐに出て行って、姉ちゃんを探しにいけうはずだ。

 世の中には俺より強い奴がいるのをさっきこの目で見たばかりだ。

 これから先、あんな奴と出くわしたら、一人で切り抜けられるのか?

 その前に行く当てがない。

 無作為に探し回っても無駄だし、だとしたら結論は1つ。

「あの人たちについていこう」

 学校とかもうどうでもいい。

 家でも煙たがられてるし、急にいなくなっても誰も心配なんかしない。

 俺は急いで3人の後を追ったが、運動場の所ですんなり追いついた。

「おーい、俺も一緒に・・・・」

 っと言いかけたとき、誰かと対峙しているのが目に入ってきた。

 反魔女狩り連盟の北条達だ。

 っということはあの3人は魔女狩り?

 考えても仕方ない。


「おい音葉、どうした?」

 音葉の隣まで移動し、北条達を見据えた。

 向こうの人数は北条あわせて4人。

 多分反魔女狩り連盟の仲間だろう。

「あ、やっぱり貴方も一緒だったのね。本当にその日で決着つけちゃうからビックリしたわ」

 北条はほとんど期待はしてなかったみたいだな。

 そりゃ俺一人だと確かに死んでたかも。

「話をそらすな。用がないんやったらさっさと消えろ」

 光明寺はやけに苛立っている。

「嫌よ。幹部会であるあなたを、ここで仕留めないわけにはいかないからね

それにこれ以上ないくらい体力を消耗してるじゃない?これほど絶好な機会はないわ」

 そう言って、北条があごで合図した瞬間、残りの3人は武器を取り出し、一斉に襲い掛かってきた。

 北条は光明寺の所に行って、俺のところには、でかい十文字槍を持った色黒のおっさんっが襲ってきた。

 おっさんと言っても歳は30前後だろう。

「坊主、この一撃をうけられるか?」

 頭上でプロペラみたいに十文字槍をブンブン回しながら、スピードを殺さず一直線に叩き落してきた。

 俺はそれをソウルイーターでガードするが、あまりに重い攻撃だっらせいで、足が耐え切れなくなり、膝を折った。

「そんなんでダウンするようじゃ、まだまだだな」

 そのおっさんは槍を逆に持ち、持ち手の方で俺の頭に、思い切り叩き落した。

 なんだ、こいつ・・・ケタはずれのパワーじゃねぇか。

 クソ、音葉たちは、未だ奮戦してるってのに情けねぇ・・・・

 俺は意識が朦朧(もうろう)としている中、最後に俺の相手をしていたおっさんが音葉達にの所へ向かった所で意識を失った。

 本当に情けねぇ・・・・



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