9.「1」って何だろう
1+1=
これは小学1年でも解けるよね。バカにするなって? じゃあ聞くけど、この1って一体、どういう意味なんだろう?
1.リンゴが2つ
1個のリンゴがカゴに入っています。そこへまた1つのリンゴを持ってきました。合わせていくつでしょう。こういう意味だって? 確かに2つになるね。
それじゃ、こういう問題ではどう?
2.リンゴとミカン
1個のリンゴがカゴに入っています。そこへまた1つのミカンを持ってきました。合わせていくつでしょう。2つだよね。でもおかしくない? リンゴとミカンは別のものなのに一緒に考えて本当にいいの? 果物という点では同じ、と君は答えるかもしれない。
でも同じって何? 1個のリンゴがカゴに入っています。そこへまた1つのミカンを持ってきました。リンゴとミカンをそれぞれの2人に配らなければいけません。あとそれぞれいくつ必要ですか? ほら1+1=2ではもうできないよ。
つまり違うものを同じ、と考えていることになるよね。だからこそ同じかどうかは問題によって変わるんだ。
3.大きなリンゴと小さなリンゴ
リンゴ一種類ならこういうことは起きないんだろうか。こういう問題を考えてみようか。
1個の大きいリンゴがカゴに入っています。そこへまた1つのリンゴを持ってきました。ただしとても小さいです。この場合、1つずつ分けると文句が出ちゃう。
その場合はリンゴの大きさで配る個数を変えなきゃいけない。例えば大きいリンゴ1つか、小さいリンゴ2つという風に。そうすると1と2は等しくなる! ……ごめん、屁理屈だった。2分の1と置けばいい。つまり大きさに応じて分数を使えばいいよね。
4.基準を決めよう。
でもここで考えて欲しい。直径が5cmだったり、5.1cmだったりするよね。それを大体おなじ大きさだから、1個って考えましょうって取り決めをしているだけのこと。でもその大体同じ大きさはどこまでがだいたい同じ大きさ? 仮に5cmのリンゴを1と決めようか。
4.9cm、4.8cm、……というふうにどんどん小さくしていくと、そのうちに「1個の大きさ」ではなくなる。屁理屈だって? 本当に? じゃあ実際に全く同じ大きさのリンゴなんかある?
1って何だろう?