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18. ラーメンの素材集め

 部屋に入るとそこにはちょうど2人入るサイズのベッドが1つ、のみ。え?まじで寝るためだけの部屋になっている。ベッド1つだけとかヘンな感じがする。


 「ユージもここ座りなよ」

 「あ、ああ...」


 ミントがベッドに座り、隣をトントンと叩く。

 一体ナニが始まってしまうのか。


 「あのさ、ちょっと気になってたことがあって。キルバスと話してた時、『キミはこの世界の人ではないらしいね』って言われてたよね?」


 そうか、キルバスの読心によって俺が転生者であることが知られたのか。そういえばミントには言っていなかったな。別に隠すことではあるまいし、言っておくべきだな。


 「簡単に言うと前の世界で死んだあと、こっちの世界に来たんだ」

 「そんなことって本当にあるの?」


 それはこっちのセリフだ。なぜ転生したのだろう。どうして自分が選ばれたのか。あるいは、この世界に自分と同じ転生者がいるのか。全く分からない。


 「どうして転生したのか、自分でも分からないんだ」

 「ふーん。あ、そうだ!ユージって前の世界で何をしていたの?」

 「配達員をしていた。例えば手紙とか荷物を運んだりしていたよ。車っていう、この世界で言うと馬車に値するものかな?馬車よりも早くて自分で操縦ができるんだ、それで色んな場所に物品を届けに行く仕事だったよ」

 「へぇー、私が全力で走ったらそれに追いつけるかな?ところでユージは前の世界でどんな風に死んだの?」


 おお、普通に聞いてくるなよ人の死に方。あれマジで怖かったんだからな?


 「ある日、車を運転中に動物が目の前に飛び出してきて、避けたらそのまま崖に落っこちて死んだよ」

 「あはは、ユージっぽい死に方だね」


 なんで笑ってるの?人の死に方を笑うなよ。


 「今日はもう寝よう。朝イチで魚市場に行くからな。寝坊は許されないぞ」

 「このベッド、少し狭いなぁ。寝相悪かったらごめんね?」


 寝相とかはどうでも良くて、俺女の子と一緒に寝るの初めてなんだけど。種族が違うとはいえ流石にドキドキする。寝れないよ!しかも、なんでこの部屋ダブルベッドしかないんだよ!いかがわしいことやる用じゃねぇか!


 俺とミントは横になり、電気を消す。

 辺りは静まり返り、聞こえるのは互いの呼吸音だけ。

 呼吸音がなんかちょっとエッチだな。とか思ってたら普通に寝落ちしてました。



 窓の外から聞こえる小鳥のさえずりで起きる(n回目)。なんか体が重い。

 目を開けるとなんと俺の体の上にミントが乗っていた。どんだけ寝相悪いんだよ。忠告があったとはいえ前代未聞の寝相の悪さ。とりあえずこいつ起こそう。


 「おい、起きろ」


 ミントの体を揺らす。

 何気に初めてミントの体を触ったかも。モフモフしている。


 「んにゃ、んん。んぁ、ユージ、おはよー」

 「はい起きて起きて、魚市場に行くぞ」


 俺とミントは朝の支度を済ませて、早めに行くぞってことで朝食は食べずに魚市場に行くことにした。


 魚市場に行くとなんと人が全く居なかった。これは魚を仕入れるチャンスだ!と思ったが、


 「ユージ!魚もないよ!」


 なんと魚も居なかった。

 辺りを見渡すとポツンと1人、店員らしき人が俺たちのことを困惑した顔で見ていた。

 話を聞くと、どうやら料理大会の参加者の1人が魚を全部買い占めてしまったらしく、再仕入れには時間がかかるとのこと。いくらなんでも買いすぎだろ。魚でも研究するのだろうか。


 「こうなっては仕方がないな。ミント、魚を釣るぞ!」


 俺とミントは海岸に行き、釣りをすることになった。

 海岸には何故かあの有名料理人のキルバスが待っていた。おそらく俺たちの心を読んだのだろう。


 「キミたち、釣りをするだろう?ならばこの辺の海岸でやるといい。あと、この僕のこのミスリルの釣り竿を使うといい」


 ユージはミスリルの釣り竿を手に入れた!

 良く釣れそうな釣り竿だ!


 「この辺の海は魔物が多いから気をつけるんだな」

 「もしかして、魔物を釣れってこと?」

 「魔物の方が僕は作りやすいからね」


 ということで釣りスタート!

 ミントは濡れるのが嫌という猫らしい理由で少し離れた岩の上でひなたぼっこをしている。羨ましい。キルバスは俺の隣に立って、釣りの指導をしてくれるそうだ。


 「ユージ、竿に強い当たりが来ている!」


 キルバスがそう言った途端、竿に強い力が押しかかる。前の世界で釣りは1,2回ほどしかしたことが無いが、これほどの力がかかったことは1度もない。海に魔物がいる世界、恐ろしい。


 「うおっ!?」


 次の瞬間、海から魔物が飛び出す。見た目は銀色の魚のようだ。その口からはドピュ!っと勢いよく水が発射される。まるで水鉄砲のようだ。


 「あれはEランクのガンマッカレルだね。しかも中々に大きい。あのサイズなら1匹で出汁が取れそうだ。あと口から出る水には注意してくれ。この水が脅威なだけで本体のHPは少ないから水さえ避けれれば対処は簡単な魔物だよ」


 ドピュ!とガンマッカレルの口から水が発射される。それに対して俺は、


 「ウォーターボール!」


 俺のウォーターボールと発射された水が互いにぶつかり、相殺する。


 「こっちに来い!」


 俺は竿を思いっきり引き、ガンマッカレルを引き寄せる。すると、その魚体は大きく跳ね上がり、今度はその尾で直接叩きかかろうとしてきた。


 「魔法剣!」


 俺は魔法剣に火属性エンチャントをしてその魚体に切りかかる。焦がすとキルバスに文句を言われそうだったため、弱火にしといた。

 ジュワッと焼けるような音と共に魔物から煙が上がる。

 身をよじらせたガンマッカレルはそのまま海岸に打ち上げられた。俺は剣を突き刺し、動きを止める。完璧すぎる。これで出汁が手に入った。


 「ユージ、完璧だな」

 「俺の心と同じこと言わないでくれ。そういえば、ミントは?」


 岩の上でひなたぼっこをしていたミントが居なくなっていた。どこへ行ったのだろう。

 辺りを見渡すとそこにはオークを担いだミントがいた。


 「おーい、ユージ!オーク倒しといたよ!」


 この猫まじかよ。単独でオークを倒したのか?しかも俺が釣りをしている間に。優秀すぎる。

 ミントぐらいのステータスとなるとオークを1体倒すぐらい楽勝なのか。

 ミントはオークの死体を持ってキルバスに渡す。

 俺も同様にガンマッカレルの死体を渡す。

 これで材料が揃った。

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