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1. 異世界と花

 俺は友二、どこにでもいそうなただの配達員である。今日も俺は配達の仕事をしていた。今日最後の配達は山奥の民家という珍しい場所だった。だからといって何も思うことはない。それよりも遠い場所にも配達の仕事をしたことがあるし、そもそもその山奥にも何度か配達をしている。常連…と言われると少し違うような気もするが、まあ何ともなかった。


 無事に配達を終えた俺は暗い山道を走っていた。ただの帰り道、いつものように好きな音楽を流しながら家に向かっていると、突然森の方からシカが飛び出してきた。


 俺は慌ててハンドルを切った。だが、その勢いで道を外れてしまい、車は崖下へと転落してしまった。

「痛い…」

 自然と声が漏れていた。意識が…遠のいていくような感じがした。


 …俺、死ぬのか?


 身体は動かなかった、助けを呼ぼうにも呼べない。声も出せない。そんな状況の中で、俺の意識は段々と無くなっていった――――――




「………す…」

 声が聞こえた。

「おはようございます…」

 不思議な声に起こされた。俺は、どうなったんだ…?

「あなたは転落事故で死にました。」

 ハッキリと伝えられた。その声の持ち主は、光りに包まれていてよく見えなかった。

「おい、ここはどこだ!俺はこれからどうなるんだ?」

「あなたはまもなく異世界で過ごすことになります。その花を、大切に守りなさい。それはあなたの命となります…」

「お、おい!異世界ってどういうことだ!」

 俺の問いに答える前にその謎の光は消えてしまった。

 花…

 俺の手には花が握られていた。赤い綺麗な花、淡く光っているようにも見える。この花が俺の命…? 信じられないが…従ったほうがいいと判断した。わざわざ花を傷つける趣味もないしな。それよりも異世界って…転生するってことか…?


 いろんなことを考えるうちに辺りが光で包まれた。そして俺は…


 森の中にいた。ここがどこなのかは知らないが、異世界だと思うしか無いだろう。ちなみにちゃんと服は用意されている。そして、普通の剣が落ちている。親切な設計だな。地図もあったら良かったんだがな…

 花は手に持ったままだった。命の代わりになるらしいから大切に保管した。ちょうどガラス瓶が落ちていたし…まあそういうことだろう。


 とにかく、この森を抜けるのが最初だろう。異世界転生モノの作品は良く読んでいたので知識だけはある。魔物に気をつけながら歩いていった。


 といっても、魔物と出会うことはなく、そのまま森を抜けることができた。


 森を抜けたら、一つの街が見えてきた。今のところ、大した目的も見つかっていないので街に寄ることにした。森からここまで結構な距離あったし、そろそろ疲れてきたので、宿屋でもあればいいんだが…


 門番はいたが、問題なく街に入れた。この街の名前は「イシュリア」というらしい。入口の看板に書いてあった。

 現実じゃないみたいなファンタジーな街並み。エルフや獣人など様々な人で街は賑わっていた。


 俺は宿屋を探そうと思ったが、俺は気付いてしまった。この世界の通貨を持っていないことに。


 …というか、何を最初にやれば良いのかわからないんだよな。まあ定番は、ギルドに行くとか、か?


 ということで、ギルドに来てみた。たくさんの冒険者で賑わっているようだった。受付に向かったら受付嬢に案内された。

「新規のお客様ですね!こちらで案内致します!」

 初異世界である俺は、冒険者になるための手続きをした。年齢、性別、名前を記入して冒険者カードを作り、そして、やりたい役職を選ぶ。といっても、俺は異世界に来たばかりで大したスキルや技術もないから選べる職が剣士くらいしかなかったので、とりあえずそれにした。いつか成長することを祈ろう。


 ちなみに、別の世界から来たって話したら受付の人は困惑していた。まあ、異世界転生なんてモノによるが、そんなポンポン起こることじゃないしな…別に俺の見た目も周りの人とそんなに違いがないただの一般人だし、俺がこの世界にとっての異世界人であることはさほど問題にならないだろう。それよりも、この世界でどう生きるかというのを考えなきゃいけないな。


 ギルドの受付嬢からは、他にも色んな話を聞いた。モンスターには気をつけること、夜はモンスターが活発になるから街の外に不用意に出ないこと、といった基本的な注意喚起や、「命の花」と呼ばれる花について。


 どういう原理で生まれたかはわからないらしいが、この世界の人は必ず「命の花」を持って生まれるらしい。そしてその花は、その人の命となる。その花が枯れると持ち主は死ぬ。多少傷つくくらいなら死にはしないらしいが、痛みが伴うらしい。わざわざ試すような人間は少ないからそこら辺は詳しくはわかっていないらしい。とにかく、この花は大切に保管をするのが掟のようなものになってるらしい。


「枯れる」と言ったがこの花は普通の花とは作りが違うらしく、全く世話をしていなくても枯れることはないらしい。じゃあどうやったら枯れるのか?


「枯れる」とは少し違うかもしれないが、つまり、この花の生命活動が終わるとき、人間が死ぬ。例えば、花を切ったりする。魔法を打ち込む。などである。特に、魔法の方には弱いらしい。少し炎魔法がかすっただけでも花は燃え尽きてしまう。


 まあ、わかりやすく言うなら、人間のコアみたいなものか? とにかく、大切に保管をするのが大事だという。大抵の冒険者はその花を瓶の中に入れて持ち歩いているらしい。魔力を通しにくいので並大抵の攻撃で壊れたりはしない。


 あと、花が枯れなくても、人体に致命的なダメージがあると死ぬらしい。そしてその人が死んだら、その花も自然と消滅するとのこと。


 まあ、なんとも不思議な世界だな。この花を守りながら、冒険をすることは決して楽じゃないだろう。それでも、生きるしか無いのならせっかくの異世界を思う存分楽しもう。そう思った。


 まずはお金稼ぎだな! ギルドで討伐依頼をこなすとか、魔物の素材を売ったりして稼ぐらしい。せめて宿屋に行けるくらいは稼いで、まずは一日過ごそう。



 こうして、俺の異世界生活が始まった。


記念すべき第一話です!よかったら感想ください!

今後の後書きには作品に必要な情報とかを適度に書いていこうかなぁって考えてます!


よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
命の花の設定が本当に最高で、本体が無傷でも花がちょっと炎に触れただけで即死とかシンプルに残酷でゾクゾクするし、これからの戦闘で「花をどう守るか」が常に緊張材料になるのがたまらなく楽しみ。友二の「せっか…
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