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双天球儀御伽草紙  作者: 星乃河 ユウキ
〜銀河暦5050年編〜
1/1

DUO VOLTEX 〜銀河暦5050年編〜①

銀河系を舞台としたファタジー物語。

銀河暦5050年。

銀河系にある2億の恒星系のひとつ、エリダヌス系のな7番目の遊星、エルティア。

数少ないヒューマノイド(人型異星人)の住むこの星では、5つの州より成り立つフィルタウン共和国が世界の政治経済を担っている。


コルソア(4の月)14日。

首都テオラ。

テオラ州立レーク市にあるレーク高校。

そこの1年クラスαで、事件は起こった。


「おはよー!」

勢いよく教室のドアが開いた。

皆が振り向いた先には、美人「臭」ただよう、華美すぎるオーラ全開の、美しい少女がたっている。

女子カースト一位殿堂入りの、州知事の娘、キリア・レスタールであった。

後ほど登場する主人公と正反対の、一軍女子のトップである。


早速キリアに、みんなが機嫌取りの朝の挨拶を返す。

「キリア!ついに待望の募集がきたね!」

「あなたに決定ね!」

「宙空飛行士おめでとう!」

とりまき女子たちがキリアの気分をさらに良くしようと、家から持ち出した新聞記事を取り出して笑顔で見せる。

「フィルタウン宇宙局の飛行士募集」

「衛星ファルナの裏側の正三形に位置するクレーターの調査団クルーに加入予定」

といった見出しの記事。


宙空飛行士(地球でいう宇宙飛行士)の話題が出れば、みな即キリアを思い浮かべるこんにち。

なぜなら・・。


歴代、富豪のレスタール家がフィルタウン経済会とのコネで飛行士に就任しているからである。

フィルタウンを牛耳る者は、エルティア星を操れる。すなわちエルティア星の代表としてイプシロン系連合、さらには銀河連合との交渉権を手にできる。

自尊心と王座への執着のかたまりであるキリアにとっては、宙空飛行士の話題は、マウント取りと周りからの賞賛を得る格好の材料なのである。そしてこれが彼女の生きがいのでもあるが、後にちょっとしたトラブルを呼ぶことにもなる。


「‥角形じゃない」

ふと、教室のすみから、とある独り言がもれた。

その言葉を聞き取ったとりまきの1人が振り向きにらみつけた。

その先には・・。

窓際の席で小さくつぶやく気弱そうな女生徒。

声の主は、地味キャラ扱いのイーシャ・トゥルアスであった。

「これ六角け‥」

ハッとして口をつむぐイーシャ。

(あれほど機密だと釘を刺されたのに‥危ない危ない)

目をつむり、ため息をつく。

ところがそれを運悪くキリアの取り巻きの1人が聞いてしまった。

「アンタ、何か言った?!」

「あ、え、いや‥何も‥」

「嘘ついても遅いんだけど!なんか、宇宙探査船ですら撮影に成功してない、ファルナの裏側を、知ったかぶりで話すなんて、身の程知らずもいいところよね!」

向こうからでも怒りのキリアの目力が届く。

(そうだ、バラしかけた時はこう言えば良かったんだっけ)

イーシャは、おびえながら口だけ笑った形を作って言った。


「き、近所の『瑕疵物件』のそばで住んでるホームレスのおじさんが、よく作り話をしてくれてて……」

「はぁ?!」

びくつくイーシャ。

「つ、ついその話と…ごっちゃになって‥」

「フン!」鼻で嗤って彼女はキリアの所へ早足で告げ口に行く。


「あの思い出は封印しとかなきゃ、っていつも気をつけてたのに。あーあぶなかった」

額の汗をぬぐい、イーシャは窓から青空を見た。


その頃、銀河の中心とエリダヌス系とを2点とする直線上の、エリダヌスと反対に位置する、銀河のはしっこの辺境の構成系にある、みどりと青に彩られたある小さな遊星でも、恒星ソルを見つめる二つの目があった。



続く


並行して存在するパラレル銀河「光銀河」「影銀河」と、「光銀河」によって選ばれた超能力者たちが、影銀河を統べる「闇の主」と戦い、鎮めるファンタジー。物語は3つの章から成り、それぞれ2人の主人公が登場する。〜銀河暦5050年編〜・〜テラ亡国歴2××年編〜は、一つの章を、それぞれの主人公の目線で進める。前者は小説、後者はマンガ形式で綴り、双方が混ざり合いストーリーが進みます。どうぞお楽しみください!

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