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私が月になる  作者: 琴音
16/42

16. 狼のお面

了解なんて待ってたら、いつまでも交わることができねぇ~とか言って、

やや強引にセカンドバージンを奪われた。

虫の交尾じゃあるまいし、そんな簡単じゃないんだよ。

長い間、女磨きを怠ってきたツケが回ってきたのだと思った。

まっ、磨いたら輝く原石でもないし、しょうがないか。

最後は諦めの境地。

そんな堂々巡りも、致したあとは全てが杞憂に終わった。

男と女は意外とうまく出来ている。


「ヴぉぉおおおーーー!!!」

「なに、どうしたの、ビックリした」

「それは、こっちのセリフ」

狼のお面を取りながら、カイが言った。

「ああ、これ?ゆりっちが被れって言ったから、Amazonで買った、ドンキ行く時間がなかった」

確かに気恥ずかしくて、お面でも被ればと言った気はする。

「どこで買ったのかを聞いたのではない。なぜコスプレをしてるのかを聞いてる」

「なんか、ヤリたい時って男と女じゃ微妙にズレるじゃん。ゆりっちのシグナル分かりずらいし、時々、俺のこと物欲しそうに見てるから、うんじゃあ~っていくと殴られるし。まっ、俺はいつでもOKなんだけどね」

「殴られるのはTPOをわきまえないからだよ」

「でも名案でしょ、これを被れば俺は狼になって襲いかかる、ああヤリたいんだなって、ゆりっちにも伝わるし」

可愛い、こんなアホな提案を真顔で言う君に私はメロメロだよ。

「確かに言ったけど、正気ではなくなるので却下です」

「えーーー、じゃあ、これどうする?メルカリで売れるかな」

「知らん」

フリマアプリを見ながら、価格の検索をしているらしい。

しばらくすると、ハロウィーンが近いので価格が上昇してると喜んでいた。

「でもさ、今のおっさんみたいな悲鳴、通報されてない?どっからそんな声出たの?」

「大丈夫、以前の住人に変な趣味のヤツがいて、アパートの連中は悲鳴に慣れているはず」

が、慣れていないヤツもいたようだ。

30分ほどすると、近くの交番から、2人のお巡りさんが訪ねてきた。

「夜分にすいません。いま悲鳴を聞いたとの通報がありまして、各お部屋を回ってます」

「そうですかぁ、気が付きませんでしたけど」

「ご近所で不審者の報告もあるので、気を付けてくださいね」

「はい、わざわざありがとうございます」

「そちらの方も、、、ウグっ」

お巡りさんが声を掛けると、お面を被ったカイが振り向いた。

おい、コラ被るな、状況判断をしろ。TPOだ、TPOを遵守しろ。

「学芸会の練習ですのでお構いなく」

咄嗟に出たフォローが秀逸で、我ながら褒めてあげたかった。

「そうですか、お手数をお掛けしました。では失礼します、戸締り忘れないように」

なんか怪しい素振りで振り返りながら、お巡りさんは帰って行った。

「これさぁ~クオリティー高くねぇ、おまわり、まじビビッてたわ」

日夜、住民のために粉骨邁進してくださっている方をおちょくってはいけません。

ちょっとおバカで<レベル55>

つづく

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