少女と竜と海!!!
海の潮風を感じる。ここはフィレスティアを南下していき砂漠地帯を越えた場所にある海。この海は、比較的波が穏やかで、浅瀬であれば泳ぐ事も出来る。フィレスティアの住人にとっては人気な海水浴場であり、毎年夏が来るとこの海で遊ぼうと沢山の人々が集まる所であった。アリーとカズセも毎年夏になるとこの海に来ていた。
「やっぱ海って、気持ちいいなぁ~!」
「だね!アリー?!」
二人は今、浅瀬から少し離れた所で浮き輪で浮かび、生ぬるい温かさを感じる海に体を預けていた。毎年来るこの夏を楽しみにしていて、こうやって、何も考えず海を体で感じるのが二人とっては心地よかったのだ。
「ねぇ、あれなんだろう?」
「なに~なに~?」
カズセが飛んで指を指す方に、何かが海の上で跳ねているのが見えた。二人は気になり近づく事にした。
「うわぁ~綺麗!!!」
「すごいね!!!アリー!!!!!!!」
二人の眼前にあったのは、体が虹色に光るイルカの群れが海の上を飛び回っていたのだ。初めて見るとても綺麗な光景に二人は見入っていた。イルカが浅瀬から離れて行くまで、ずっと二人はその光景を目に焼き付けていた。
「とっても、すごかったねアリー!!!」
「また、一緒に見ようね!!!カズセ!!!!!!!」
二人とも初めて見る自然の神秘に触れ、大興奮のまま来年もまた一緒に来ようね。と約束し合うアリーとカズセであった。