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紡ぎ会う物達の物語
それは始まりが何処かは分からない。けれど確かにここから始まったそう感じるとこなのかもしれないーーーーフィレスティア
少女が街中を駆ける。大通りを駆け巡るように走り回るのは一人の少女アリー。彼女は今、盗んだパンを抱えながら追いかけて来るものから必死で逃げ回っていた。そうして、少女が駆け込んだ一軒の古屋に身を潜めながら事態が治まるのは待っていた。そうして追ってくる者達の喧騒も冷めやめ、その少女はこの古屋と共に住む幼い子供の竜に今しがた盗って来たパンを食べさせた。
「アリーもう盗むのは止めようよぉ~。危ないって!」
「ごめん、でも他に食べ物得る手段がないんだ。」
そう言う少女は俯きながら言った。