ワタシノ首 最終話
なんだったの・・・あの声・・・・・恐い
どうすればいいの・・・・・・?
ガチャ、バタン
「・・・ただいま、お母さんいる?」
パタパタパタ・・・
「あら、早いわね。どうしたの?」
アタシのお母さん、理恵香。アタシの同じ色の髪をショートカットにして、瞳も同じ色。
36という半端な歳・・・でも若く見えるみたい。アタシはそんなお母さんが大好き。
「気分悪くってさ、早退してきちゃった・・・。」
「そう・・・大丈夫?部屋行って休みなさい。」
「うん。」
トントントントン・・・・
ガチャ、パタン
「ハァ・・・・。」
アタシはベッドに倒れこむ。もう嫌・・・・。
『大丈夫?佑香。』
「!!?」
今の声は・・・・
「美紅・・・!?」
死んだはずの・・・丹野美紅の声だった・・・・。
ハッキリ聞こえた。姿が見えないのになんで声が聞こえるの!?
「そんな・・・はず・・・・ない、のに・・・・!!」
恐怖のあまり、全身が震える。
『大丈夫なの?佑香・・・・私が助けてあげるよ・・・?』
もう一度聞こえた。さっきよりハッキリ聞こえた。
「どうして・・・・!?」
『怖いんでしょう?助けてあげる・・・おいで。』
「嫌・・・行きたくない・・・・・・嫌、来ないでぇ・・・!!」
『恐れないで・・・・私は美紅よ?佑香の親友・・・・信じて、ね?』
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
タンタンタン・・・ガチャ
「どうしたの、佑香!!」
「おかあ・・・・さ・・・・・!」
『邪魔しないで!!!』
ゴツッ
鈍い音がしてお母さんが倒れた。その場に鮮血が流れる・・・。
お母さんはピクリとも動かない。
「おか・・あ・・さん・・・?嘘・・・嘘よ!!!」
『佑香、私がいるから大丈夫だよ。』
・・・やっと分かった。声は、つい最近ゲーセンで美紅が取ってくれた
大きな犬のぬいぐるみ・・・・そこから聞こえる!
アタシは意を決してそのぬいぐるみに触ろうとした・・・そのとき
ビリビリッ パシッ
「ひっ・・・!」
白い手がぬいぐるみの中から布を破いてでてきた。
アタシの手首をギリギリと握る・・・爪が食い込んで痛い。
『佑香・・・佑香・・・・・私の親友の佑香・・・・!!!』
「嫌、離してぇ!!!」
『なんで?私達、親友じゃない。裏切るの?』
恐い・・・・恐い恐い恐い恐い恐い・・・・・・・・
『ネェ・・・・佑香、私達一生ズットイルンダヨネ?約束シタモンネ?」
「ひ・・・!?」
あの声だ。どすのきいた低い声!!
恐い 離して 助けて
すると白い手がずるずると出てきて体が出てきた。
顔・・・・なかった。頭がない!!
「ああ、あた、、あ、たま・・が・・・!!?」
『ソウヨ、私ハ首ヲ刈ラレテ死ンダノ。ダカラ、首ガホシイノ。佑香ナラ、クレルヨネ?
私ノ親友ダモンネ・・・?』
アタシの手首を握る手にはアタシの血がついていた。
もう片方の手には・・・とても大きくて黒光りしている鎌だった。
その鎌に最大な恐怖を感じた。
幾人もの人々を斬り裁き、小さな命まで落とした鎌。
「その鎌で、アタシの首を刈るのね?」
『親友ダモンネ?ダカラ、ソノ頭・・・クレルヨネ?』
なぜかもう・・・恐怖という感情をいだいてなかった。
ハハハ・・・感情が麻痺しちゃったのかな?
「いいよ。だって、約束したもんね?・・・・ずっと一緒にいようって。
これからもずっと一緒だよね?美紅・・・!」
『ウン、ズット一緒ダヨ。』
ヒュッ ブォォォォ ザシュッッッ ゴロン
『・・・ズット一緒ナワケナイデショ。気持チ悪イナ。アンタ、ズット私ニ金魚ノフンミタイニ
ヒッツイテキテ。ウットウシインダヨ・・・コレデセイセイスルワ。ジャ、サヨウナラ。特別ニ、
最後マデ付キ合ッテアゲルワ。』
ザクッ ベチャベチャ グシャッ ズルズル・・・・
丹野美紅は佑香の遺体をグチャグチャに斬り裂いた。
『コノ首ハツケテアゲル。』
スッ グシャ
佑香の頭を首につけたら・・・割れ目が綺麗に消えた。
「・・・え?ママ、殺されちゃったの?」
「そうよ。血肉も残らないほど、グチャグチャにね。」
「それじゃ・・・・・あたしのママは?どこなの・・・?」
「私ハママヨ・・・何言ッテルノ?」
後ろにあった手にはあの大きな鎌が握られていた。
「その鎌は、なに?」
「アナタノ首ヲ刈ルタメノ鎌ヨ・・・アタシニソノカワイイ頭ヲチョウダイ。」
ヒュ ブォォォ
「い・・・・」
ザシュッッ
こうやって次々と首を刈っていき、幾多の命を狩っていった佑香。
次はだれが刈られるのだろうか。
貴方かもしれませんよ?
首を洗って待っていてくださいね。私が刈りに行ってあげます・・・
「アナタノ首ヲ、チョウダイナ・・・・!」
皆様、お楽しみいただけたでしょうか?
私、黒蘭はホラー、グロテスクなものが大好きでして、このような小説を
かかせていただきました。アドバイスなどあればコメントにお願い致します。
後日、また作品を投稿すると思いますので、その際も読んでいただけると
大変光栄でございます。
では、また会えるときを楽しみにしております。