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突如、隣室 (はつねとくろじ)から

上がる叫び声に不本意ながら反応する(両)耳を白狐は素早く伏せる


同時に


毎夜(まいよ)、「獣」姿とはいえ

其 (すずめ)の身体を(かか)えて横になる相手 (すずめ)に吐き捨てる


禿()げる」


当然、目を剥いて身を竦める

すずめ自身は気が付かれているとは思わず内心、あわあわする


「好い加減、禿()げる」


「あうあう」言葉に詰まりながら

(手元の)毟り取った白毛を元通りに戻そうと(戻るか!)、掻き集める

すずめの頭を何本にも分かれた尻尾 ()が次次、(つつ)き回す


「俺に(此の俺に)」

「言う事はないのか?」


其(尻尾)の内の一本が

自身 (すずめ)の顎を掴み上げた瞬間、すずめは慌てて謝罪する


「御、御免なさい」


まあ何だ

自分(白狐)で催促して置いて何だが


謝罪(あやま)るくらいならとっとと寝ろ」


と、突慳貪(つっけんどん)に言われるも

白狐の言葉に素直に首肯く、すずめが白毛の首元へと顔を(うず)める


然うして


()れ程、時間が経ったのだろうか

途切れ途切れ(すずめの)寝息が聞こえてきた頃、白狐は翡翠色の(まなこ)を閉じる


「寝る」と言う感覚の中で

微睡(まどろみ)迎える明日は今日よりも「幸」があればいい

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