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第69話 ホームレス、勝利を確信する

「行くぞ! このまま一気にの前線を打ち破る!!」

 アルフレッドはゲーム内でも優秀な将軍だったが、やはりこっちでも頼りになる。

 俺は、ニコライ中将との一騎打ちでのダメージを癒すために要塞の防御に回り、今度はアルフレッドが前線で戦ってくれている。


 すでに、補給をズタボロにされているローザンブルクは、指揮官も失い完全に崩壊していた。

 数こそ多いがもはや軍団としての役割を果たせる状態ではなかった。


「勝ちましたね、傷は大丈夫ですか?」

 傍らに立っているリーニャ少佐は俺を心配してくれた。


「ああ、もうほとんど大丈夫だよ。心配ありがとう」


「すごすぎますよ。あのニコライ将軍を倒して、傷だらけで帰って来たのに3日寝ているだけで、もう大丈夫なんて……」


 まあ、これも妖精の加護なんだけどな。


『ふふん、センパイもこんな小娘よりも私の方がいいですよね? そうですよね!?』

 頭の中のダンボールは、なぜか必死でそう問いかけている。


「ああ、運がよかったな」

 何とかごまかしながら、俺は戦況を見つめる。


「リーニャ少佐? ちなみにこの国境侵犯は国際法上問題はないんだよな?」


「はい、すでに両国は交戦状態に入っておりますし、国際法上の戦争状態ですから。クニカズ少佐が空中から補給基地を襲ったのも正当な攻撃方法です」


「よかった。だまし討ちなんて言われると面倒だからな」


 ニコライ将軍は、俺との一騎打ちで戦死した。最高の英雄を失ったローザンブルク軍は、カーネル皇子が前線の指揮を引き継いだが絶望的な状況を挽回できるほどのものではないようだ。


 カーネル皇子も、ゲームでは優秀な武将だ。

 だが、さすがにこの絶望的な状況ではどうすることもできないだろうな。


 アルフレッドは、カーネル皇子軍の前線を打ち破る。

 カーネル皇子はスキルで士気を20上乗せする強力なスキルがある。だが、補給が崩壊したことで士気は壊滅的な状況であり、そこから20上乗せされても低い水準なんだろうな。


 もうあとは包囲殲滅されるだけの運命だ。

 いくら優秀な彼でもこの状態を避けることはできない。ほんの少しの延命になったくらいの話だ。


 これでローゼンブルクは大打撃を受けることになったはずだ。講和交渉の席につかなければならないだろう。


 この戦闘が終われば、あとは政治の話だ。



――――

(登場人物紹介)


カーネル=ローザンブルク(ローザンブルク帝国第2皇子)

知略:71

戦闘:78

魔力:73

政治:82

スキル:人格者・建設スピード上昇


ローザンブルクの第2皇子。

非常にバランスが良い能力で、次期皇帝の有力候補。

前線・政治どちらでも活躍できる能力値であるが、器用貧乏。


珍しいスキル人格者持ちで、彼が率いる部隊は士気が上がりやすく裏切り者が発生しなくなる。

皇帝になれば、部下の忠誠度が高くなる。

いつも読んでいただきありがとうございます。


連絡ですが、いままで朝と夜の2度更新になっていましたが、連載も1か月が経過したので明日から朝更新だけにしようと思います!


引き続き楽しんでもらえると嬉しいですm(__)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大人しく引き上げれば死なずに済んだのにと。 結果論だし、自分が負けるとは微塵も思っていたのでしょうね。 強者故の奢りで死んだ訳です。 総司令官が討ち取られたら瓦解するのも必然と。 そし…
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