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第59話 ホームレス、鳥になる

「それでは、いくぞ。アルフレッド!」

「おう!!」


 要塞の屋上から、俺たちは空を飛ぶ。

 浮遊魔力は消耗が激しいため、使えても10分間らしい。

 厳しい時間制限のため軍事利用は難しい。使っても近くの偵察くらいだ。


 だが、俺には秘策があった。


 それは、ダンボールだ。このターニャ特製の最強のマジックアイテムは、要塞の守備力を補強できるようにとても強力だ。


 ならば、その魔力を込めたダンボールを鳥の翼のように人間の背中につけたらどうなるか……

 強力な妖精の加護によって、浮遊時間は一気に増える。そして、浮遊魔力の軍事的利用が可能になった。それもヴォルフスブルクが独占的にな。


 他の国は空中浮遊はほとんどできないのに、こちらは2時間以上連続の浮遊が可能になった。

 この軍事的な優位性は、かなり大きい。


 さすがに、一気に浮遊させることができるのは20人くらいが限界だが、それでも強力な魔力攻撃が可能になる魔導士が空中を高速移動して、いつでも敵の頭上を襲うことができる。


 向こうの対抗手段は、ほとんどないので、こちらが一方的に攻撃できる。


 これができるだけで、軍事的には革命を起こしたと言えるだろう。


 実際、航空機が本格的に軍事利用できるようになった第二次世界大戦以降では、制空権は戦場において最も重要な要素の一つだ。


 空を取られてしまえば、上空から一方的に攻撃される危険しかないからな。


 第二次世界大戦の欧州戦線で、ドイツが電撃戦と言われるほどの圧倒的な機動力を支えたのが、航空機の攻撃力だったし。


 日本軍の真珠湾攻撃で、戦艦から空母へ時代の覇者に変わったのも、航空機の攻撃力のおかげだ。


 魔導士が空を飛べば、強力な火砲が空を飛んでいることと同じ。

 俺たちの強力な武器となった。これができれば、ヴォルフスブルクが生き残ることができるかもしれない!!


「すごいな、クニカズ! こんなに早く人間が飛べるなんて信じられないよ」

 アルフレッドは子供のように笑っていた。今回俺たちが出陣したので、要塞の防備はリーニャ少佐に任せている。


 アルフレッドは個人の実力もすごいから、もしもの時に前に出てくれる。


 完璧な布陣だと言える。


『しかし、クニカズ少佐の魔力キャパは一体どうなっているんだ??』

『20人も長時間空中浮遊できる魔力を持つなんて人間じゃない……』


 18人の魔導士たちは口々に俺を恐れているが、まあ好都合だ。士気は上がっているからな。


「皆、もうすぐ敵の補給基地だ。一気に行くぞ!!」

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