表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/271

第56話 ホームレス、攻撃をしのぎきる

「ふぅ」

 ほぼ無意識で魔力を発動させていた。時間にしてどれだけ経っただろうか。砲弾はもうやってこない。どうやら、すべてを迎撃できたようだ。


『お疲れ様でした、センパイ!!』


「ありがとう。さすがに疲れたぜ。魔力を使うのってこんなに疲れるんだな」

 俺がそんな弱音を吐くと、ターニャは笑う。


『センパイ、そりゃあ疲れますよ。私の加護があるからと言って、あんなに魔力を連発すれば疲れないわけがないですもん』


「そんなにあの魔力のやり方はすごかったのか?」


『ええ、おそらく一人で数千人分の魔導士の役割をしていましたよ。センパイのスキルとして、無詠唱魔力というのがあるからできるわけで……普通の魔導士ならダンボール片を一つ撃ちこむごとに、詠唱が必要になりますからね。普通は、タイムラグが必要なんですよ。1発に撃つごとに数分は待たないといけないのに……センパイの数秒ごとに撃ちっぱなしにするなんて、魔導士が1個大隊は必要なんじゃないですか?』


「そんなに!?」


『だから、あんなことをして絶対に目をつけられましたよ? もしかしたら、センパイの首に懸賞金がかけられてしまうかも……』


 そんな某海賊マンガじゃないんだから……と思いつつ、意外と現実世界の歴史でもエースパイロットに懸賞金がかけられたりするケースってあったりする。


 有名なところだと「ルーデル閣下」だ。

 第二次世界大戦中の凄腕ドイツ人爆撃機パイロットで、スターリンからは「ソ連人民最大の敵」と呼ばれていた。上司のドイツ軍将軍からは「1人で1個師団の働きをする」とも呼ばれていた。1個師団はだいたい1万人クラスだからやばい。


 実際、彼が操縦する機体で破壊した敵軍の兵器数もすさまじいぜ。

 戦車500両以上。

 装甲車やトラック800両以上。

 戦艦1隻。

 敵の航空機9機。


 戦闘機乗りではないにもかかわらず、敵の戦闘機を落としまくってエースパイロットでもある。

 ちなみにこの数字はあくまで確認ができている公式記録だけだ。


 実際には、飛行機に乗りたいがために無断出撃をしたり、仲間たちの評価を上げてあげるために、自分の撃破スコアを譲っていたそうだから、本当の数字は……


 さらに上らしい。


 彼の首に1億円の懸賞金がかけられたとかなんとか……


 まあ、意外と無双する超人は歴史的にも珍しくないが……


『この世界では、センパイがそういう役割なんです』


 俺はその言葉を聞きながら、疲れて倒れ込んだ。

 敵の攻撃は一度停止したから、少しだけ休む、か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ