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第41話 ホームレス、異国の英雄から目をつけられる

―ヴォルフスブルク王国の東側に位置する大国ローザンブルク帝国―


 私は、いつものように執務室で仕事をする。

 ここはローザンブルク帝国とヴォルフスブルク王国の国境付近。

 いつ戦争が起きるかもしれない最前線だ。


 特に、ここ数カ月のヴォルフスブルクは不穏だ。


 そちらの国に潜入させているスパイからは、常に新しい情報がもたらされている。


 先月は、ザルツ公国との国境紛争を表に出る前に処理したこと。

 おそらく、指揮官は女王親衛隊のアルフレッド大佐だろう。あの国でここまで見事な作戦指揮ができる者を私は知らない。


 だが、()に落ちないこともある。

 いくらヴォルフスブルクの至宝とも呼ばれるアルフレッド大佐だろうとも、あの数的に不利な状況でここまで完璧な指揮ができるのだろうか?


 そして、気になる報告はもうひとつある。


「異界の英雄」誕生の報告だ。これはヴォルフスブルク王国の首脳部に近いものから発せられている。

 つまり、信ぴょう性が高い情報だ。


 だが、そのようなおとぎ話を信じることはできない自分がいた。


 そして、部屋の扉が鳴る。


「閣下。ヴォルフスブルクに潜入しているスパイから、軍事大学の席次と卒業生の名簿が送付されてきました」


「ご苦労」


 軍事大学の席次は、将来のヴォルフスブルク軍の将官候補が分かる。主席と次席であれば、その者たちは軍の最高位に就く可能性が高いからな。だが、昨年の情報報告では、貴族階級出身のリーニャ大尉が主席になる可能性が高かったはずだ。だが、その名簿の順位では彼女の名前は次席だった。


「クニカズ・ヤマダ大尉。論文『戦力温存主義と軍事力均衡化による抑止力の研究』か」

 私は主席の学生の名前を読み上げた。


 この学生は、入学名簿に名前は入っていなかったはず。


 そして、この論文のテーマ。

 そうか、そういうことか。

 彼が「異界の英雄」なんだな。

 

「副官。すぐに中央に連絡してくれ。ヴォルフスブルクを早くつぶしておかなければ、大変なことになるぞ?とな」


「わ、わかりました。ニコライ=ローザンブルク閣下!!」


―――――


人物紹介

ニコライ=ローザンブルク将軍


大陸の強国、ローザンブルク帝国の第一軍を率いる将軍(中将)。48歳。

王族に連なる名家出身で、数多くの戦争で武功を立てた名将。

魔力・指揮・政治・謀略。すべての分野で才能を発揮し、陸軍大国ローザンブルクの切り札と称される。

攻撃的な指揮を好み、ついたあだ名は"永久凍土の荒鷲(あらわし)"。

ゲーム中でも屈指の能力値を誇り、作中の最強武将候補として常に名前が挙がる。能力値合計は作中2位で有用なスキルを数多く保有する。

唯一の問題は、所属するローザンブルクが寒冷地のため、国力が3大国ではやや劣るところ。

知略:96

戦闘:95

魔力:110

政治:91

スキル:カリスマ・威圧・大魔導士・権謀術数・突撃・全能


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