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第30話 ホームレス、ムカつく男に挑発される

 ポール大佐は、黒髪の病的なまでにやせている眼鏡の中年男性だった。軍人よりも学者だな。


「それじゃあ、よろしく頼むよォ。クニカズ大尉ぃ。キミが今まで見せてきた奇跡、調べさせてもらった。素晴らしいものばかりだよ!! でもね、その奇跡もここで終わりにしよう。僕にとってはキミの戦略はまるで、おままごとだ。本物の戦争を体に教え込んであげよう。楽しみにしておいてくれたまえ」


 眼鏡の男は、不敵に笑って、去っていった。


「なんだよ、あれ。嫌なやつだな」

 俺は不満を漏らす。

 リーニャ大尉が俺に同情してくれた。


「ええ、でもあの人がヴォルフスブルク王国の戦略論において、最高権威者です。プライドもあるのでしょうけど……」


「あの人の戦略の特徴って何かある?」


「騎兵の第一人者ですね」


「騎兵か……そりゃあ、手ごわいな」


 騎兵。古来よりある兵科だ。戦車や車、列車が開発されるまでは、人類最速の陸上移動手段だったわけだし……


 騎兵の特徴はその攻撃力だ。

 日本の戦国時代。最強とうたわれた武田家の騎馬隊。

 世界最大の領土を冠したモンゴル帝国の騎兵。

 ロシア帝国陸軍の中核をなしたコサック騎兵。


 強い軍隊には、必ず騎兵の存在があった。


 その使い手となれば、攻撃力に優れた軍隊を使うんだろうな。


 ならば騎兵対策が必要になる。ゲリラ戦は、今回使いにくいだろう。隠れることができる森や山岳が戦場にはあまりない。仮に強引にゲリラ戦をしようものなら、騎兵の機動力にじゅうりんされて、各個撃破される。


 歴史的に見ても、いかに敵の騎兵隊を打ち破るかが勝利と敗北を分ける。


 歴史的に見れば名将たちは、敵の騎兵の対抗策をいくつも考えてきた。


 織田信長は、無敵と呼ばれる武田の騎馬隊を破るために"鉄砲"という新兵器に活路を見い出した。

 日露戦争の黒溝台会戦で、コサック騎兵を迎え撃った秋山好古(よしふる)は、騎兵だけでなく歩兵や砲兵など他の兵科と協力して騎兵を防御に使うことで世界最強の騎兵を打ち破った。


 歴史的に考えればいくつもヒントはある。あとは状況に合わせて、その事実を使って答えを導き出せばいい。


 大丈夫、俺たちなら勝てる。


―――

人物紹介


・ポール大佐

知略:84

戦闘:38

魔力:21

政治:33

スキル:理論家・研究者


ヴォルフスブルク王国軍きっての理論派。ただし、軍人というよりも、研究者に近く、作戦の指揮などはうまくない。シナリオ1からヴォルフスブルクに所属するが戦闘能力は皆無に近いため、アルフレッドの補佐役に落ち着くことが多い。

人材が豊富になるシナリオ2以降は、彼よりも優秀な補佐役が多く登場するため、本拠地で研究に没頭していることの方が多い。

性格に難があり、チームワークを乱す諸刃の剣的な存在で、アルフレッド隊を自滅させて王国を崩壊に導いたりもする。

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[良い点] あぁ、理屈倒れの・・・
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