表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

250/271

第250話 ゲリラ作戦

「ネール将軍、こちらが優勢に戦況を進めています。敵の塹壕の3分の1を奪取しています。このままいけば、敵の最終防衛ライン突破も考えられます」


「うむ。アルフレッドと言う将軍は優秀だと聞いていたが、塹壕から決して出てこないな。決戦せずにただ策もなく持久戦か? 期待はずれすぎる」


「しょせんは、若造です。クニカズと言う戦略の柱が崩れたことで、もう何もできなくなったのではないでしょうか」


「そうだといいが……」


 だが、ここで恐るべき報告が入った。

 さきほどまで楽勝モードだった司令部が凍りつく。


「閣下、補給兵団より連絡です。昨夜未明、敵ゲリラの攻撃により、旧ザルツ公国領にあった3つの倉庫が炎上しました。弾薬庫を中心に攻撃されてしまい、しばらくの間、弾薬の供給量が……」


「なんだと!? 弾薬がなければ、塹壕の突破はおろか、維持すら難しいんだぞっ!!」


「やられた……」


「閣下?」


「我々は完全にやられたんだよ、幕僚諸君。今までゲリラが発生していなかった場所にまで、ゲリラが発生した。つまり、やつらは"エアボーン"を成功させたことになる」


「エアボーン?」


「少数の航空魔導士が、空中から敵領内に入り込み、ゲリラになって後方かく乱する作戦だよ。しまった、クニカズは軍事大学時代に、ゲリラ戦と輸送についての権威だったはずだ。あいつらめ、それを準備し、アルフレッドが引き継ぎ実行したのかっ」


 このままでは補給を失い、孤立する。


「撤退する。まだ、弾薬があるうちに、速やかに旧ザルツ領まで下がれ」

 下手に深入りすれば、地獄を見るはずだ。ならば、損切りは早い方がいい。


「閣下大変です!」


「次はどうした!?」


「航空偵察兵より入電。高原東部に、新たな敵影です」


「どこの部隊だ!! 敵の東部方面軍か?」


「いえ、中央軍近衛騎士団です。さらに、敵の中央には、ヴォルフスブルク皇帝の軍旗が翻っております」


「……負傷中の女帝、自ら戦線に出てきたのかっ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ