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第228話 クニカズの私生活について

『大ヴォルフスブルク帝国史』214巻列伝1「クニカズ・フォン・ヴォルフスブルク」より引用


――――


 ヴォルフスブルクの三英雄のひとりであるクニカズ将軍の私生活には謎が多い。同年代の人間の記述によれば、彼はかなり異性に好かれていたらしい。そもそも、当代最高の魔導士であり、ヴォルフスブルク軍始まって以来の昇格スピード記録を持つ彼のステータスに惹かれる女性は多いはずだ。しかし、彼はそこまで社交界には興味がなく仲間内で酒を飲む方が好きだったらしい。


 それについては、彼の親友だったアルフレッド・クリスタ両将軍が回顧録に記述を残している。

 ここではアルフレッド将軍の手記を引用する。


『クニカズにとっては、職務を終えた後、パーティーなどの華やかな場所に出るよりも、数人の仲間たちと静かにウィスキーを飲むことを好んでいた。おそらく、クニカズを知らない人間は、彼は豪快に強い酒を飲みほしていたと思っているだろうが、実はそうではない。彼は非常に紳士的な酒飲みだ。少量のウィスキーを時間をかけながらゆっくりと飲むことを好む。いつもはどちらかと言えば雄弁な方のクニカズだが、酒を飲むと逆に静かになる。ゆっくりグレア産ウィスキーを寡黙に傾けるクニカズは、もしかするとあの時間に世界の軍事史を変えてしまうアイディアについて考えていたのかもしれない。彼はウィスキーを飲んでいると、まるで創作をしている小説家のような表情になっていた』


 記録に残っている限り、彼が社交パーティーに参加したのは外交上の必要に迫られた場合の時が多かった。ある程度儀礼上のダンスを踊ると、すぐに人々の輪からは外れて大好きなウィスキーを傾けていることの方が多かったと言われている。


 ただし、その行動の真意は、のちの婚約者となる女帝のことを考えての紳士的な対応ではないかと考える学者も多く、実際いくつもの作品に描かれているように素性のよくわからない救国の英雄と、女帝の秘密の恋は二人が出会った当初から始まっていた可能性がある。それを表に出さずに、大事な人を傷つけないためには、彼の静かな楽しみは必要なものだったのかもしれない。


 また、俗説はではあるが、クニカズ陣営の中心人物だったリーニャ将軍も彼に好意を向けていたとする説がある……

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[良い点] ハーレムでおけ。
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