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第225話 ポールの息子

『すげぇ。あの距離で精密射撃……』

『敵砲台、完全に沈黙』

『制圧に向かった小隊から報告。残った兵も武器を捨てて投降しています。指揮官ラドクリフ中佐の死亡も確認されました』


「よし、一気に王宮に向かうぞ」

 俺は猛スピードで王宮の制圧に向かう。絶望した過激派が最悪の選択肢を取る可能性もある。今回はスピードが一番重要だ。クリスタとターニャが後から陸上部隊を率いて帝都に向かっている。ポールの軍勢は、グレア帝国の主力部隊と対峙しているから引き返す余裕もないはずだ。


 数の差は圧倒的だから主力部隊が来てくれればほとんど無血開城が可能になるはず。


 俺たちはさながら空挺部隊だ。戦争の初戦に敵の重要拠点や後方を強襲しかく乱する。ただし、軽装備のため主力部隊の後詰めがなければどんなに精強でも簡単に制圧されてしまう。だから、主力部隊との連携が重要だ。


 実際、ロシアのウクライナ侵攻において、初戦でロシア軍がウクライナの空港等に空挺部隊を投入したが、制空権が確保できずに主力部隊との連携もうまく取れなかったせいで大損害を被った。降下した部隊は援護もなく敵陣の中央で孤立し各個撃破された。最精鋭部隊が壊滅するというショッキングなニュースは士気にも重大な影響を与える。


 俺たちは王宮の中庭に降下する。さすがに、王宮を丸ごと攻撃することはできないからここからはウイリーの身柄を確保する。


 さすがに、敵もそれを探知していたようで弓矢や魔力で攻撃を仕掛けてきた。


「みんな、俺から離れるなよっ」

 ダンボールの防御ですべてを遮断し、こちらから反撃する。壁に隠れようとしていた敵も追撃で排除した。


「よし行くぞ。狙うは3階の皇帝陛下の寝室だ」

 中庭に戦力を集結していたのだろう。そちらを制圧したことで反撃をほとんど受けることもなく簡単に3階まで進出した。


『動くな、クニカズっ!! 動けば皇帝の命はないぞ』

 寝室の前でひとりの若者が立っていた。手には魔力をまとっている。いつでもウイリーの寝室に攻撃が可能となっている。


 まずいな。


「あいつは誰だ?」

 俺は部下に確認する。


「ポール将軍の息子で、ナウル中尉です。近衛騎士団に所属していたはずですが」


「まさか、近衛騎士団からまで裏切り者が出るとはなっ」


「いいか、お前たちが一歩でも動けばこの部屋は爆発で消滅する。わかっているだろうな?」

 ポールの息子は完全武装した長身の若者だが声は震えていた。金髪の髪の毛がフルフルと震えている。


「ここは父上のためにも守り切るっ!!」

絶賛ワクチンの副反応に苦しんでおります笑

小説書くと楽になるのは不思議w

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― 新着の感想 ―
[良い点] 理屈倒れの愚息ですか。 父の罪を贖うのでは無く、その逆を。 救いようのない一族ですな。 一族郎党、誅滅ですか。
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