表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

178/271

第178話 いくつもの世界

 いつものように仕事を終えて、妖精と食事をとり眠る。情報局に配属されてからは規則正しい生活になっていた。たまに、ウィスキーを飲むくらいだ。


 そして、目が覚めた時……


 俺は、宿舎とは別の空間にいた……

 地面だけがある空間だ。空ではなく宇宙のような闇が周りにはある。そして、床には壊れた時計のようなものが無造作に捨てられていた。無数に。


「どこだ、ここは……」

 目が覚めた時、俺はなぜか立っていた。いや、それだけじゃない。服装も寝ていた時のものではない。

 日本で暮らしていた時の部屋着だった。


「やぁ、目が覚めたかね、クニカズ君?」

 そこには、40代くらいの男が玉座に座って笑っていた。


「あなたは?」


「そうだね。わかりやすく言えば、神様のようなものかな。キミの大好きなターニャの創造主でもある」


 うさんくさい男は笑う。


「どうして、今になって姿を現したんだ?」


「キミには期待しているからね。そして、キミは期待以上のことをしてくれた。だからこそ、ここに呼ばせてもらったんだ」


「意味が分からない」


「クニカズ君? 異世界転生をしたキミならわかってくれるだろう? 世界には無数の選択肢がある。キミが朝食に、米を食べた世界。逆に、パンを食べた世界。そのわずかな違いでも世界は少しずつ変化してしまうんだよ。僕は、その無数に変化していく世界の管理人のようなものさ。近代神秘学では、僕のような存在をアカシックレコードというそうだけどね」


 妖精からは、それについては聞かされている。そして、マジックオブアイアン5の世界は、俺が今いる世界をモデルにアカシックレコードの影響を受けたゲームクリエイターが作り出したゲームだってな。


「そこまでしっかり理解してくれるなら嬉しいよ」


「心を読んだのか!?」


「どうだろうね。まず、最初にキミたちの世界が生まれたんだ。でもね、キミたちの世界は科学が発達してしまった。残念なことに……そして、科学は神すら殺して暴走を始めた。いくつもの世界線で選択を誤り核戦争をはじめて滅亡したんだよ、勝手にね。冷戦を無傷で生き残れた世界なんて、ほとんどないんだよ。キミたちの世界くらいしかね。もちろん、歴史は簡単に変わってしまう。キミたちの世界では、冷戦と言えばアメリカとソ連だったよね。でもね、それがアメリカと日本、アメリカとドイツ、ドイツと日本、インドと中国。いくつも選択肢があったんだよ。歴史好きなキミならおもしろいだろう?」


「ああ、バタフライエフェクトみたいなものだな」


「うん、そうさ。そして、僕は簡単に世界を滅ぼしてしまう科学世界に絶望したんだ。少しでも選択を誤れば、何も残らない世界なんてなにかおかしいとね。そこで、キミが転生した世界を作ったんだよ」


 神は不敵に笑い続ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] これはまた・・・ Dさん大好きアカシックレコード(笑) 思うのですが、似非後輩の妖精ちゃんや他のハーレムメンバーとの事後のベッドの上が描かれてもよろしいのでは無いかと。 ちょっとだけアダ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ