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第160話ホームレスが語る戦略

「流石です。あなたの考えはまさに正鵠を得ている」

 俺は、敵将を褒める。


「ほう?」

 核心をついたと思った老兵は、まだ余裕がある俺のことを見て笑みを浮かべた。


「私はこの世界の陸上戦闘の作戦には2つの種類があると考えております」


「続きを聞かせてくれたまえ」


「わかりました。この世界の作戦は2つの種類に分類されます。数の力を生かすか、それとも機動力を生かすかです」


「うむ。君の電撃戦は、機動力重視の作戦だ。それに対して私の作戦は数の力を重視していた。おっしゃるとおりだ」


 老兵は、ギラギラした目線をこちらに向ける。


「そして、閣下のお話は、こちらが攻めて、数の多いほうが守る作戦です。守りきったあとは攻めに転じていますが……」


「うむ」  


「閣下の作戦には一つ大きな誤りがあります。それは、こちらが先に攻めてくると思っていることです。ですが、こちらがひたすら攻めなければどうなるか、想定されていますか?」


 本来であれば、数の力が弱いチームは守りに徹することが一番だ。こちらの華々しい勝ち方で、グレアは常に向こうが攻めてくることを前提にしているのがわかる。


 だが、守りに専念すれば下手な消耗は起こらない。機動力と航空戦力を組み合わせた守り方。


 それが俺がここ数年間積み上げてきた努力の総決算でもある。


 老兵の概念には一つだけ想定外のものがあった。

 機動力を生かした守備方法と、その発展形であるエアランドバトル戦略だ。


 対グレアの秘密兵器を掴んでいることを匂わせて俺は邪悪な笑みを浮かべる。

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