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第148話 電撃戦を食らうザルツ公国

―ザルツ公国防衛隊司令部―


 さきほど、巨大な爆発が発生し、すべてが吹き飛ばされた。幕僚たちは、気を失っているのか動かない者たちも多い。地面には血だまりができていた。


「将軍、お怪我はありませんか」


「私は大丈夫だ。被害は?」


「壊滅的です。おそらく主力部隊を攻撃したヴォルフスブルクの航空魔導士隊ですね」


「ヴォルフスブルクのブラウンウルフか」


「閣下。もう、あれは狼なんて生やさしいものではないかと。死神です」


「くそ、前線はどうなっている?」


「ダメです。魔力通信網がずたずたにされていて前線と連絡できません」


「なるほど。司令部への攻撃はこのためか。どうにかして、連絡を取れ」


「閣下、大変です。生き残っていた前線の通信網から連絡が入りました。すでに、敵軍の騎兵部隊が前線を突破した模様です」


「なんだと!?」


「航空魔導士隊の空襲と合わせて、防衛線が弱体化したようです。すでに、突破した騎兵隊がこちらの後方部を脅かしつつあります」


 まずい。この情報が伝われば、部隊は恐慌状態に陥る。集団パニックになれば、戦闘どころではなくなる。


「前線はゆっくりと後退しろ。こちらの遊軍と司令部の残存戦力を用いて、騎兵を叩く。そうすれば、騎兵隊は前線で孤立し、殲滅が可能なはずだ」


 ※


 だが、それが完全に敵の狙い通りだとはザルツ公国は思わなかった。

 このあと、世界はクニカズの本当の恐ろしさを知る。




――――――

(登場人物紹介)


グリツァー少将

知略:73

戦闘:77

魔力:71

政治:72

スキル:人格者・鼓舞・大器・堅実


大ヴォルフスブルク帝国の将軍。以前は、グール騎士団領に所属していた。

大ヴォルフスブルク帝国が成立したことで、所属が変わり、南方方面軍司令へと就任。

人格者であり、元の騎士団領の派閥の中心人物で、他公国出身者からの信頼も厚い。

ゲームにおいては、バランス型の典型例。


騎士団領プレイでは切り札のような存在で、他国でも彼を配下に加えると重宝される。

君主の補佐役。

内政官。

部隊の指揮官。

方面軍の司令官。

あらゆる役職に就くことができる存在で、器用貧乏になりやすいが、ひとりいるだけで安定感は増す。

特にスキル:大器・人格者のおかげで、方面軍司令官にすると部下の忠誠度が上がる上に、スキル:堅実があるおかげで暴走することもなく、安心して委任できる。

その他、首都において内政官にしておき、突発的に戦線とは逆の国から戦争を挑まれた時の遊軍としておくことも有効。


堅実な性格で基本に中心だが、クニカズから提案される戦略にも理論を聞くことで理解し順応していく。

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