第136話 ホームレスと大佐
「お見事でした、閣下。圧倒的な能力の差を感じました」
ラガ大佐は悔しそうにしていた。
「大佐の指揮も見事だった。勝敗を見極めることで被害を最低限に抑えている。さすがは、アルフレッド将軍が認めた女性だ」
「今回の反省点をご教授いただけると幸いです」
「最大の失敗は守り方だと思うよ」
「守り方? 陣地がいけなかったのですか? ですが方円の陣は基本とされていますが」
「それは戦場が二次元の場合だね」
「なっ!?」
「大佐は、守ることは平面だと思いこんでいた。だから、こちらの奇襲に対処できなかった。私なら航空魔道士を警戒のためにパトロールさせる。そして、感知した敵を航空戦力で叩き、残りを地上からの対空砲火で倒す算段で動く」
「たしかに、そうすれば地上戦力が被る損害は少なくて済む。始まる前から私は負けていたのですね」
「ああ、防衛線を一つに絞るとリスクが高くなるからね。反撃がない地上部隊は航空戦力にとってはただの的になる。これからは陸上と航空戦力の一体化が重要となってくる。大佐もそこに注意してほしい」
「ありがとうございました!」
ラガ大佐は美しい敬礼をしていた。
『やっぱり本物だ』
『時代の先を行き過ぎている』
『あの大佐を完全に子供のように扱うなんて』
『天才だ。噂は本当なんだ』
『現世に落ちた天使みたいだった』
――――
登場人物紹介
ラガ大佐
知略:65
戦闘:83
魔力:51
政治:59
スキル:撤退上手・猛将・激励
ヴォルフスブルク王国に所属する女性の将軍。近衛騎士団時代のアルフレッドの側近であり、ヴォルフスブルク王国所属の武将の中ではアルフレッド・女王に次いで優秀な戦闘能力を持つ。
責任感が強くまじめで、猛将タイプ。
かなり優秀な武将だが、残念ながらヴォルフスブルク王国プレイではシナリオ開始から5年を経過しなければ、部隊を率いるほどの出世ができない。
彼女が登場するまで5年間耐えることができれば、ヴォルフスブルク王国3強がそろいゲームが一気に楽になる。
ゲーム的にはリトル・アルフレッドのような能力値だが、部隊の士気を上げることができるスキルを大量に持つため能力値以上に高い性能を誇る。特に撤退戦が得意で、被害を最小限に抑えつつ、敵に大損害を与えることが可能だ。
持久戦向けのキャラクターで、後方支援の天才・クリスタと組むことでより真価を発揮する。
ただし、グレア帝国宰相のような智謀キャラとは相性が悪く、何もできずにせん滅される危険性をはらんでいる。




