第13話 ホームレス、さらにイチャイチャする
「今日はありがとうな、ウィリー! とても楽しかったよ。夕食も美味しかった」
俺がお礼を言うと、彼女はとても喜んでいた。
「よかった。私も今日は人生最高の日になったかも。また、ご飯を一緒に食べましょうね、クニカズ!」
「ああ、楽しみにしているよ。これからもよろしく頼む」
「うん! 今日は遅くなってしまったから王宮に泊まっていってください。部屋は用意してありますから。大主教様には、もう連絡してありますのでご心配なく!」
さすがは優秀な女王だな。用意が良すぎるくらいだ。
「ならお言葉に甘えようかな」
「ええ、ぜひとも。もしよろしければ、私の寝室でも構いませんよ?」
彼女は俺をからかってくる。その言葉にドキリとして、心臓がドキドキしてしまう。
「おい、あんまりからかうなよ。ちょっと本気にしかけたぞ……」
「ふふ、冗談ですよ。さすがにそれはね……"まだ"早いですよね」
「そうだよ。もうびっくりした」
「じゃあ、おやすみなさい、クニカズ!」
「ああ、おやすみなさい、ウィリー!」
そう言って、俺たちはわかれた。
※
―女王寝室―
「今日は楽しかったな。最高に幸せな時間だった。クニカズ……どんな人かと思ったけど、信頼できる人で良かった。彼となら一緒にやっていけそう」
私はそう思って目を閉じる。でも、彼の姿が目に焼き付いて離れない。
「もう、楽しかったからゆっくり眠れると思ったのに……プレッシャーだけじゃなくて、違う悩みまで生まれちゃった」
でも、それは仕事の悩みとは違う幸せな悩みで……
身を焦がされるような痛みを伴うもの。
「さっき、冗談じゃないって言ったらどうなっていたんだろうな? 女の子に恥をかかせるなんて、クニカズのバカ」
私は彼と一緒にいる時だけ、少女に戻れる。




