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第102話 ホームレス要塞を攻略するために動く

「クニカズ隊長……今なんて……」

 部下のカルバル大尉は、俺の提案を聞いて硬直したまま青ざめていた。

 まあ、普通に考えればやばいことを言っている自覚はある。


「カルバル大尉。たしかに自分でも無理なことを言っているとはわかっている。だが、勝算は確かにある。みんなも俺を信じて欲しい」


「本気なんですね? 敵の第一防衛線突破後に俺たちだけで、第二防衛線を強襲して陥落させるってのは。わずか20人の魔導士で敵の要塞を陥落させるということですよねっ!!」


「ああ、敵国に戦力再編の余地を与えないように電撃戦でいく。俺たちの攻撃の主目的は、ボルミア公国・第2防衛線の要衝である砦だ。ここは山城で、川が複雑に入り組んでいる場所にある。周囲は森が生い茂っていて、おそらく火器が隠されているだろう。天然の要害だな」


「いくら戦力の再編が行われていなくても、砦には数千の兵力はいるはずです。その兵力にわずか20名の戦力で勝てるわけが……」


「いいか、カルバル大尉。俺たちは、世界初の航空魔導士だ。まだまだ、手探りなところはあるが自分たちのことは客観的に見た方がいい」


「といいますと……」


「敵の対空砲火は先ほどの戦いでもわかるように、俺たちには無力だ。よって、俺たちは一方的に攻撃が可能だ。そして、キミたちは地上攻撃に専念すれば3発程度の魔力攻撃が可能になる。それも陸上からの砲撃とは違って、何も邪魔されることなく空中からだ。外れる要素などほとんどない。俺以外の隊員だけで60発近い砲撃を要塞には撃てる。そうすれば、要塞の無力化は造作もないはずだ。森林に隠しているはずの大砲も大部分は駆逐可能。つまり、20名の航空魔導士で敵の第二防衛線は壊滅させることが可能だ。アルフレッド将軍も俺もそういう結論に達した」


「たしかに……」


「もちろん、敵国側にも航空魔導士が養成されている可能性はある。だが、こちらに比べれば1年以上の技術の開きがある。戦争において技術の開きは大きなハンディキャップだ。敵が迎撃に上がってきた場合は、すべて俺が引き受ける。お前たちは地上攻撃に専念してくれ」


「了解」


 俺の世界の歴史でも要塞はこんな感じで陳腐化されていった。戦車による突破力で要塞が孤立化されやすくなり、航空機の発展で防御力にも疑問が持たれ始めたのだ。今でも限定された状況では防御陣地は有効だが、要塞や城のような大規模な防御施設は航空機に狙い撃ちされるため無用の長物だ。現在は、大阪城や姫路城、熊本城がただの観光名所になっていることからもわかるだろう。


「さぁ、諸君。一緒に歴史を作ろうか」

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