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いのちをなんとかする  作者: 城塚崇はだいぶいい
2/11

第1話 怖がりな城(じょう)

 確か・・・12時過ぎだったと思う。正確な時間はわからない。

 昨日は仕事上がりに呑みに行って、十分に酔っぱらって帰ってきたんだ。

 家に着いたら風呂に入って、すぐに寝たんだと思う。あぁ記憶はほとんどない。多分そんな感じだと思うだけだ。

 夜中にさ、猛烈な尿意で目が覚めたんだ。え?たぶん2時か・・・3時か、その辺だろうよ。だから、正確な時間はわからないって。何せ相当酔ってたからな。

 よろよろと布団から這い出して、トイレへ向かったわけさ。

 で、トイレの前で俺はノックをしたんだ。そしたらさ、


 ・・・コンコン


 ノックが返ってきたんだ。

 あぁ、すんません。 とかそんなことをしゃべりながら、俺は玄関から外へ出て、その辺の道端で用をたして帰ってきたんだ。

 さて、もうひと眠りするかなぁ・・・と思った瞬間、一瞬だけ我に返ったんだ。

 何度も言うが、俺は当時相当に酔っていた。だから普通あり得ないことをやってしまった。


 俺さぁ、一人暮らしじゃん?


 一人暮らしの俺の家には、俺のためのトイレがついている。俺だけのためにね。

 もちろん客がいて、客が望むのであれば、そのトイレは快く貸し出すよ。


 客が・・・居ればね。


 昨日の夜中に我が家のトイレを使うのは、俺だけのはずなんだ。

 なんでノックなんてしてしまったのかは、わからない。


 ただ、ノックは、  返ってきたんだ。


 俺はその晩、頭まで布団にくるまって震えたよ。

 酔いなんて一気に冷めちまって、一睡もできなかった。


 っという訳だから、俺はしばらく家には帰らない。

 当分の間、お前の家に厄介なるつもりなんで、よろしく頼む。

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