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いのちをなんとかする  作者: 城塚崇はだいぶいい
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プロローグ

「教授!!!遅くなりましてすいません。でも、こんな時間に呼び出すって事はひょっとして・・・」

『うむ、そのとおりじゃ、ついに完成したのじゃ』

『見せてやろう。これが太古の昔、この星に実際に存在していた生物じゃ』

「こ、これが・・・太古の生物!!!信じられない、こんな体で本当に生きているなんて・・・」

『太古の昔はこの星の環境が現在とはだいぶ異なるんじゃよ。だから我々とは似ても似つかぬ姿をしておるが、これでも立派な生物じゃ。しかも、驚くことにわしらの直属のご先祖様じゃ』

「え?こ、こんな生物が我々の先祖なんですか?体はいったい何でできているんですか?何だかだいぶ柔らかくて弱そうですが」

『主に水やたんぱく質じゃ。とてつもなく絶妙なバランスの元に成り立っておる』

「・・・信じられない。教授、この生物はいったい何故絶滅してしまったんですか?」

『多くの太古の生物はその出生や絶滅の原因が謎に包まれたものが多い。この生物もその例外ではないんじゃ。この生物はある日突然集団自殺をしてしまったんじゃ』

「集団自殺?確かレミングという鼠の一種は増えすぎると集団自殺をするらしいですね。この生物もその類ですか?」

『いや、レミングのそれは後の研究で集団自殺ではなく事故であることが解ったんじゃ。この生物は自殺をするとても珍しい生物ということになる。そして、不思議なことにこの生物はこの集団自殺で固体全てが死亡、絶滅してしまったんじゃ』

「絶滅?自らの意思で自らの種を絶滅させた種なんて聞いたことも無い。そんなの生物と言えるんですか?」

『よくわからんが、考古学の文献ではそう記されておる。この生物に関する文献は他生物に比べるととても膨大な量が残っておったが、何故集団自殺を図ったのかはどの文献にも記されてはおらんかった。全く謎の生物じゃ』

「そうなんですか。おかしな生物ですね。知能はありそうなんですがねぇ」

『この世におかしな生物なんて山のようにおる。むしろおかしくない生物なんていないんじゃよ。そして、この生物のおかしなところは君の言うとおり脳なんじゃ。とても発達した脳を持っているにもかかわらず脆弱な体が原因でその脳の能力の半分も使いこなせておらんのじゃ』

「下等生物は進化の道程も下等ですね。全くバランスが悪い」

『いやいや、こういった例は他にもあるんじゃ。イカという生物はとても優れた眼球を持ち合わせておるが、脳が脆弱であるため、眼球に映った映像を十分に処理する能力が無いんじゃ。バランスよく進化することなんてそうそうできるもんじゃないんじゃよ』

「そういうものなんですか。ところでこの生物、いったい何という名前なんですか?」

『うむ、この生物こそ、我等ロボットをこの世に生み出し、その後、核を使ってこの星から1個体残さず姿を消した太古の生物、人間じゃ』

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