プロローグを書いてみました~おれには、わたしには、ほしいものがある~
適当にさら~と読んでいってください。
あくまでプロローグなので本編は次の話から。
おれにはほしいものがある。
それは手の届かないところにあるもの。
とても、とても、遠いところに。
もし、手に入れたとしたら、今あるすべてが変わるだろう。
今あるこの気持ちからも解放される。
でも、おれにはそれが何なのかわからない。
果たして本当にほしいものなのかも。
わからないけれど、それを手にしてしまえば、甘えて、すがって、依存して、離れられなくなりそうで怖い。
怖くて怖くてたまらない。
だから、おれはそれを忘れることにした。
忘れてしまえば何も変わらない。
それは、自分を見失ってしまうもの。
やっぱり、おれにはほしいものはない。
わたしには欲しいものがある。
それはすぐそばにあるもの。
とても、とても、近いところに。
もし、手に入れたとしたら、すべてが新しくなってしまう。
確かにそこにあったものはなくなってしまうんだ。
わたしにはそれが何なのか知っている。
本当に欲しいと心が唸っている。
知っているからこそ、それを手にしたときに、嬉しくなって、悲しくなって、苦しくなって、欲しかったはずのものから離れてしまいたくなるのが怖い。
怖くて怖くてたまらない。
それでも、わたしは向き合うことにした。
向き合えば何かが変わる。
それは、本当の自分が知れるもの。
やっぱり、わたしには欲しいものがある。