異種族国に行こう。
村は壊滅した。アリエは緊張が解けたのかあの後は寝てしまった。俺はククル先生にこれからどうすれば良いか尋ねた。その結果はここから少し遠くに異種族が住む国があるらしい。ホブゴブリンに一日で進化できるようになったらしい。何故かと言われれば分からない。これが答えだ。とりあえず俺はホブゴブリンに進化しといてとククル先生に伝え、俺も眠りに落ちた。
……起きたのは多分朝の6時くらい。アリエはまだ起きていない。起こす訳にも行かないだろう。一応食べ物類は俺の家にも他の潰れてない家にもあった為困らなかった。
俺は周りに一生懸命戦ったであろう戦士のホブゴブリン。餓鬼大将、他の周りの子供ゴブリン。そして……俺の母親。悲しくないわけがなかった。仮にも1年近く暮らしていた。実の母親。生みの親が死んで悲しくないわけがなかった。
「母さんっ!!くそっ…!」
俺は墓を作ることにした。ただ埋めるだけだが、何もしないよりは断然マシだと思った。泣きながら埋めた。俺にも感情はあるのだから…。
俺はアリエだけは守りきろう。そう決意した。
「あぁ…アリエの為に…俺の為に…強く…最強に…なってやる…!」
幸いにも俺にはククル先生が居る。最強に…ゆっくり最強になっていってやる。
俺が進化したのをきっかけにククル先生の能力が上がった。まず脳の処理速度が500倍になった。次にスキルのLvと熟練度が分かるようになった。後は俺のステータスが大幅に伸びた。ククル先生によると最適化で更に強くさせましょう。そう言われた。心強いね。暫くするとアリエが起きた。大体9時くらい。
「あ、うぅん…ラウィン。おはよ」
「あぁ…アリエ傷は大丈夫か?痛くないか?」
「うん。ラウィンのお陰で!」
あぁ…そうだ。アリエに言わないと。
「アリエ…今日から…いや明日でもいいが、異種族が暮らす国があるらしい。」
「そうなんだ…」
「…そこに向かおうと思う。」
「……分かった。ラウィンが言うなら着いていく。」
「そうだよな…きゅ……えっ!?良いのかっ!?」
「うんっ!ラウィンが言うんだから絶対正しいよっ!」
健気過ぎる…泣けてきた。可愛すぎるのも問題。そもそもゴブリンはホブゴブリンになると普通に人間に近くなるのにアリエと来たらゴブリンでこの魅力。レベルが高い…。それに比べ俺は…ホブゴブリンになってからだいぶマシに…
「ってそういや俺がホブゴブリンになった事については驚かないのか?」
「…うーん別にいずれかは進化するだろうなぁ…って思ってたからそこまでもないかな。」
「あっ、そ、そうか…」
ちょっと驚いて欲しかった。かっこいいー!とか…。
「今からは流石に早いから後1時間ちょっとで村から出よう。朝ご飯用意しといたよ。」
「あっ!ラウィンありがと!!!!後1時間ね!分かった!」
そう言ってアリエは朝ご飯を食べ始めた。
……アリエは強いな。親が…殺されたんだ。辛いはずなのに。俺はそう思った。ただ時折目の中が黒く、濁った様に見える時がある。
この後は少し準備をし、出発した。主に食べ物や一応のお金。そして剣。一応剣も振れるのでアリエを守る為、そして必要になるだろうから持っていく事にした。あちら側についたら冒険者ギルドに登録する為にも必要だった。勿論人間にはあまりいい印象はない為ほかの街では中々難しいだろうが、その国では普通に出来る。とても有難い。
「出発するか」
「そうだね!」
それじゃあ行こうか。異種族の国へ。
うん…文才ないですね…はい。精進します。