異種族の国
「ぜはーぜはー…疲れたぁ!!!」
「そう…だねっ!…でも後ちょっとだよね?」
「あぁ…あとちょっとだ」
あれからも毎日毎日歩き続け、町の目前まで近付いていた。
正直途中からアリエが進化した事によって1日に進める距離が伸びた。結果的に1ヶ月を切る速さで辿り着くことが出来た。
街には検問所がある為俺達は検問所に並んだ。長蛇の列…という訳では無いため、割とすぐに番が来た。
「お前達どこから来た?」
「スピリチュアルからです」
「ふむ…スピリチュアルか遠いな…理由は?」
「迷宮から魔物が大量発生し、自分の村が…」
「…それは悪い事を聞いてしまったな…では名前は?」
「俺が、ラウィンそしてこっちが」
「アリエです」
「そうか、分かった。よし通れ!」
あっさりと街に入ることが出来た。正直もっと面倒だと思っていた。
「獣人や亜人がいっぱい居るなぁ…」
「そうだねぇ…あ、でも魔物も一応いるよっ!」
「そうだな、こっちに来てからまずやる事があるけどもう結構日が暮れてるし、宿にでも泊まるか?」
「んーん…先にやらなきゃいけないことやっちゃおう!」
「…まぁそうするか」
こっちに来てからやる事はそう、冒険者ギルドに登録する事だ。冒険者ギルドはかなりでかく目立つのですぐに辿り着くことが出来た。
「冒険者ギルドに登録する為の受付は…」
「あっ、あそこじゃない?」
アリエが指を指した場所は魔物用受付と書いてあった。多分あっているだろう。
っと、そういやこの世界の言葉について説明をしていなかったな。
んじゃあ説明を入れさせてもらおう。…この世界にはまず、人間語がある。これは人間族が良く話す言葉…俺が人間族っていうの何か…違和感感じるなぁ…まぁいいや。そして次に魔人族語。これは魔人族が使う言葉。そして、魔物語これも文字から見てわかる通り魔物が良く使う。ちなみに魔物にも知能があるやつとない奴が別れる。ゴブリンは知能がある。スライムは無い。ドラゴンにはある。蝙蝠にはない。基本的に連携を取れる奴らは知能がある。ドラゴンは例外だけどな。まぁ言語の話はだいたいこんな感じらしい…ククル先生によるとだけどな。
「それじゃあとりあえず登録を済まして宿に泊まるか」
「そうだね」
俺は登録する為に受付に向かって歩いた。近くまで来ると受付さんがこう言った。受付さんはサキュバスかな?
「冒険者登録でしょうか?」
「あ、はい。そうです。登録する場所はここであってますかね?」
「はい。あっております。因みに文字は書けますか?」
「はい、書けます」
「私も書けます」
「分かりました。ではこちらの書類に名前と出身地それから…ちょっと待っていてくださいね」
そう言うと棚から何か物を出してきた。俺達はその間に書き終えた。持ってきたのは何か小さな道具。
「これって…?」
「魔色鑑定です。ギルドカードの複製などを防止する為です。」
「なるほど…これはどう使えば?」
「この上に手を置いてもらって、それで鑑定して終わりです。終われば晴れて冒険者です。」
なるほど、多分色々事情があるのだろう。俺はそう思い素直に手のひらを置き鑑定してもらった。アリエも同様に済ませた。
「では終了です。これがギルドカードです。始まりは鉄級からですので、頑張ってください。無くしてしまうと銀貨10枚です。無くさないようにしてくださいね。」
「分かりました。アリエも失くすなよ?」
「分かってるよー」
「では冒険者ライフを!」
これで一応冒険者に登録完了だな。さて宿屋を探すとするか。
「んじゃあ宿探しだ!」
「そうだね!」
宿探しだとは言ったもののここ来るまでに目処は付けておいたんだけどな。そこまで歩いて行く。
「ラウィン?まさか目処は付いてたの?」
「あぁすまん…付いてた」
「なーんだ………一緒に町探索できると思ってたのに…ボソッ」
「ん?なんか言ったか?」
「何も言ってないよ?」
「ならいいか」
宿に着いた。宿の名前はアルテニー……正直ボロい。でも手持ち金がほぼ無いため仕方ない。少し取り付けが悪い扉を開ける。
「あ、いらっしゃいませ!」
「部屋を…2つお願いします。」
「え?一つでいいよ?」
「…2つで」
「?何で?お金の無駄遣いだよ?」
「……1つで」
「ではお金は鉄貨15枚です。」
「あ、はい。分かりました」
そ、そうだよな。お金の無駄遣いだよな。決して下心はない!ないったらない!
という感じで一つの部屋をとることに決まった。
「ふぅ…疲れたな」
「そうだねぇ…今日はゆっくり休みたいね」
「あぁ…ほんとにな」
部屋はあまり綺麗でも無いし豪華でもないが、久々に野宿じゃない、これだけで充分だ。さて明日はお金を稼がないと…
現在金日本円換算で2430円。