表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
flower   作者: 空空 空
1/2

感染

どうも、空空 空です。この前書いてたの飽きちゃいました。更新はすると思いますので、ご心配なく。身内しか読んでないと思うけど......。

いつもの通学路の途中、花畑を見つけた。こんな場所があったかなんてことも考えずに、ただ満開の白い花に見惚れていた。

花を踏み付けないように気を使いながら、多少ふらつきながらも花畑に足を運ぶ。ゆっくりと、はっきりしない意識で。

もう、花畑の中央あたりまで来ただろうか?そんなときだった。

花が歩きだした。根を足の様に使いながら、俺の周囲をぐるぐる回ったりしている。

訳がわからない。何が起きている?ココはどこ?あの花は?やっと自分の意識が追いつく。綺麗だけど、不気味で......多分あれは良くないものだ。

逃げなくちゃ。

足を動かそうとする。動かない。なら手は?駄目だ。

ふざけてる。俺の体だ!俺で動かせなくてどうするってんだ!

花畑以外の景色ははっきりしない。花の白で目が眩むようだ。花の匂いも濃くなり、思考能力を削いでくる。

やがて、花は俺の体にこびりつくようにして登ってくる。顔に飛びついて来たときは、流石に驚いて思わず後ろに倒れ、尻餅を付く。

「なんだ......体、動くじゃん......。」

逃げなくちゃ、逃げなくちゃ、逃げなくちゃ。腕を振り乱しても、根が絡まって抜けだせそうにない。足の方の感覚も、次第に薄れていく。逃げなくちゃいけないのに......。

体中を根が這いずりまわる感覚は、酷く不快で鳥肌がたつ。呼吸も乱れ、自分のものでは無いような感覚に苛まれる。口の中にも無慈悲に根は進入する。

顔が全て花で覆われる。右目の上にいるやつが......嘘だろおいやめろ!

目に根を突き刺してきた。目が痛むというより、頭痛のように感じた。頰を液体がつたうが、血液なのか涙なのかわからない。

このまま、植物に喰われて死ぬのか......?そんな訳には、いかない。

「にげ......な......」逃げなくちゃ、逃げなくちゃ、逃げなくちゃ、逃げなくちゃ、逃げなくちゃ、逃げなくちゃ、逃げなくちゃ......。逃げて生きなくちゃいけないんだ。

にげ「......な」く......ちゃ......。


「逃げな......」

アラームが鳴っている。寝起きに、この甲高い音はかなり不快だ。

「だから起きられるんだろうけど......」

頭をかじりながら、体を起こす。今日はやけに寝汗をかいている。

視界がぼやけてると思って、腕で拭うと涙で濡れていた。

「なんか、感動的な夢でも見たんかね......」

はっきりした視界で、周りを見ると当然だが、そこは自分の部屋だった。ベッドの近くの窓から、現役中学生としては鬱陶しい朝日が射し込んでいる。

「朝か、死ね」

誰に向けるでもなく罵倒を口にする。学校は、嫌いではないが朝は眠いし、だるいしでとてもじゃないが、ハイテンションにはなれない。

取り敢えず、朝食も摂らないといけないので、一階に降りる。すっごい個人的な意見だけど、子供部屋って大体二階な気がする。

「あっ、葛 今日は起きるのが早いのね」

母さんだ。少し太っているけど、痩せているよりは、なんとなく健康的な気がする。ちなみに、葛は俺の名前だ。かづらって読む。『ず』じゃなくて『づ』なのがチャームポイントだ。

「なんか感動的な夢を見たらしくてな☆」

「朝から元気ねぇ」

そうだろうか?

「父さん、もう仕事?」

「そそ」

「ほーん」

そう言いながら、椅子を引く。木で出来た普通の椅子だ。座ると冷たくて、目が覚めるのを感じた。

朝食を手短に済ませて、支度も終わらせる。ここらへんの描写無いけど、男の着替えなんて見たく無いだろうから別にいい。なんかメタ発言みたいになったけど別にいい。


靴を履いて、外に出る。学校へは徒歩で通っている。結構遠いけど、ラブコメ的な展開を期待しての行動だ。馬鹿だと思ったやつは、自分の中学生時代を思い出してみてほしい。多分同じような経験があるはずだ。

田んぼを横目に、歩道を進む。家の付近は、所謂田舎だ。走る車も少ないから、好都合だ。

二十分ほど歩き続けると、丁字路にたどり着く。右に行っても、左に行っても最終的には学校に着く。ただ、左から行くと遠回りだ。もちろんいつもは、右に行っている。しかし今日は、なんだか左に行った方がいい気がした。多分、脅迫観念ってやつだ。でも、今この場所でこう感じたという偶然が、何かの運命なんじゃ無いかと錯覚する。

だから、左に歩を進めた。

いつも通りの時間で、違う道を通ってしまったら、学校に間に合わないかもと、危惧するが大丈夫だろうと、片付ける。根拠はない。

結果、遅刻した。なんだよ、なんも起きねーじゃん。ふざけんなよ。誰だよ、左に道作ったの。

ホームルームが終わった後の教室。自分の席で、汗だくになって愚痴る。但し口には出していない。

「よぉー、かづらぁー 遅刻なんて珍しいじゃん」

こいつは、クラスメイトの中島。所謂イケメンだ。むかつくから、描写はしない。

「......なんだよ」

「野球しようぜ」

「そういうのは、やめてほしい 割とガチで」もうちょいで授業だし。

「ほらー授業始まるだろー 席着けよー」

中島が、驚いた顔をする。

「お前いつから、マジメキャラに......」

「朝だから、話すのが面倒なだけ テストも楽勝で赤点だ」

「......いつのテストだよ」

「いつのテストでも、漏れ無く赤点はある」

「お前それ......お前......」

「ガチで哀れむのやめろよ! お前だってそうだろ?......そう、だよな?」

「あー、その......何か悪い 50点以下は、とったことがない」

「まぢか......死ね!」

いつもこんな調子だ。きっと大人になったらいい思い出になるんだろうけど、今はただ妬ましい。後であいつの机に、体操服入れてやる。


その日も、いつもと同じように過ごした。 体育の時、俺の体操服が無いと思ったら、中島の机の中にあったなんて事件はあったけど。忘れてたんだよ!文句あっか?

そんな平凡な1日を終えて、帰路につく。

帰りは、いつも通りの道だ。学校の周りは、比較的都会で廃棄ガスの匂いが漂っている。そんな中に、花の匂いを感じた気がした。右目が、少し痛む。多分気のせいだ。


家に着くと、母さんが「外食 行く(・∀・)」とか、言ってたので行くことになった。仕事中の父さんは、どうするのかと聞いたら現地集合するそうだ。

「で? 何食いたいの?」

母さんに聞く。

「焼肉 美味しいよ!」

聞くまでもなかった。焼肉。焼肉か。

「そんじゃまぁ行きますか!」

2人共、意気揚々と車へ向かった。

何も始まらなかった(泣)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ