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オタクゲーマーとゲーマーヤンキー  作者: 風祭 雅
ドタバタ出会い編~チームプレーってなんだっけ?~
5/5

5話 「友達作り手伝ってくれないか!?」


「お前どこ見てんだよ!?裏から敵来てるじゃねぇか!!!」

「知らん。そっちを守ってるのは野良だろ?」

「敵見えねぇならカバーに来いよ!!!」

「あ。今的来たわ。ごめんねごめんね」

「だぁぁぁああああ!!!イライラするなぁああああああ」


 夕食後、Skypeを繋いで早3戦目。

 俺たちは意気投合?していた。 っていうよりこいつの本性が解った。


 こいつはガチ勢だ。


 チャット煽りとかまではいかないがへまをするとラジオチャットの「それは出来ない」コールが鳴りやまない。

 それは俺にではなく野良になのだが。

 俺にはVCでこの有り様だ。

 うん。 これはクランに入れないわな……


「こいつらAIMどうなってんだ?1マガジン使って3割ダメージとか才能なさすぎだろ」

「ワイワイ勢なんだよきっと。震え声」

「ったく。RP銅なんかとやりたくなかったのによ」

「待ってても来なかっただろ?選り好みしてる暇はないし相手も銅じゃないか。勝機はある。せめて守りで2本取れればな」

「すでに4本取られてる件」

「言うな…… あもう無理ぽ」


 イヤホンから「見方が全滅した」とアナウンスされる。5本目を相手に取られてしまったようだ。


 それからあいつは終始機嫌が悪かった。




「それじゃあ、俺はそろそろ落ちるか」

「え?もう落ちるのかよ……」


 もうって中村さん。てっぺん回ってますよ。


「明日も学校あんだろ。お前も寝ろよ」

「私のコアタイムは始まったばかりだ」

「うわぁ~。終わってんな」

「んだと!?こっからが本番だろ!!」


 正直、付き合いきれんな。

 

 こいつはAIMは悪くない。視野も広い。指示も出来るし、音も聞ける。

 じゃあなぜ、未だにノンクランなのか。RPが銀止まりなのか。


 簡単だ。 人柄だ。


 誰かと一緒に協力することが極端に苦手な人間なんだろうな。

 だからこそだとは思うが。

 

 だがいいところもあった。

 活躍すればすごい喜びながら褒めてくれる。

 なんというか、いい意味でも悪い意味でも素直というか……


「なぁ」

「ん?どないした?」

「明日も一緒にやってくれないか?」

「せやなぁ~……」


 流石にクランをないがしろにしてリア友とゲームっていうのは悪い気がするな。

 一応、加入して時間もたってるし少数精鋭制のうちのクランにとってじゃ貴重な人材。だと思ってる。

 それにやはり身内で固めてゲームしたほうが面白いのも事実だ。


「どうだろうな。明日はクランでやるかもな」

「そっか……」


 声のトーンが下がったのが解った。

 こいつには一緒にやる友達がいないのかもしれないな。

 身から出た錆、と言えばそれまでなんだがな。


「私さ、VCだとこんな感じだろ?だからどのクランに行っても最終的には孤立しちまって。

気が付けば居づらくなってクラン抜けて。ガチクランに行ったら自分が足引っ張って、その事指摘されて逆上して。

だからいっつも一人だったんだ」

 寂しそうな声音で話される。

 同情を誘っている。というより思い出話を去れている感覚。


 なんかシリアス!!!


「だから今日一緒に出来て楽しかった!!!ありがとう!!!」


 


 ホントに卑怯な奴だな。

 無理してるの丸わかりだし。


「ごめんな?色々言っちまって。また機会があれば誘ってくれ」


 画面の向こうで「ははは」なんて乾いた笑いが聞こえる。

 本当に無理してやがる。

 調子狂うな……


「とりあえずお疲れな!!!」

「おい」

「ん?どうした?」




「もうちょいやるぞ」



「へ?」

「だからあと何回か付き合ってやるって。コアタイムなんだろ?」

「いいのかよ?寝るんじゃねぇのか?」

「気が変わった」

「そっか」

 ちょっと嬉しそうだな。

 でもまだ余所余所しいっていうか。


 多分こいつは本当は腹が立ってキツイことを言ってきたわけじゃないんだろうな。

 本気で勝ちたい。楽しみたいから口からとっさに出ちまったんだろう。

 でも非ガチじゃ勝ちになんてこだわってないし、こだわってるクランじゃこいつはまだまだ半人前。

 ついていける技量じゃない。

 だからこそ孤立して、寂しい思いをして。


 なんていうか、少しだけその気持ちを理解出来た。


「別に今日で懲り懲りしたから明日はやらないわけじゃない」

「え?」

「お前俺が明日付き合わないのは今日で嫌気がさしたからだと思っただろ?」

「まぁ……そうだけど」

「今日だってクラン活動あって無理言って抜けてきたから連日抜けるのは悪いだろ」

「そうだよな……」

「だから今日大目に遊ぼうぜ?んでまた後日にやるべ」

「いいのか?大分自分勝手なこと言っちまったのに」

「そう自覚してるなら物腰は柔らかくするべきだ。萌えが感じられない」

「おぉきめぇきめぇ」


 その一等親キャラやめろ!!!


「あんがとな」

「え?何この子。怖い」

 素直にお礼言ってくるヤンキーとか裏しかねぇよ。なんだヤンキーデレデレ略してヤンデレか?

 普通に怖いわ!!!

「どこがだよ!?」

「ヤンキーに素直に俺いいわれりゃそりゃ怖いだろ」

「お前もかよ……」


 「はぁ」というため息がSkype越しから聞こえてくる。


「別に私はヤンキーじゃない」

「男をワンパンマンする奴がか?」

「そんなつるっぱげヒーローと一緒にするな。あれは仕方なくだ」

「仕方なくでワンパンマン。世知辛い世の中ですこと……」

「あぁ!!!話の腰を折るんじゃねぇよ!!!こんな可憐な女の子のどこがヤンキーなんだよ!?」

「自分で可憐とか言っちゃう奴は可憐じゃない事案」

 お母さんこの子自分で言っちゃってるよ!!!訴訟待ったなし!!!

「とりあえずヤンキーじゃねぇよ」

「じゃあなんだよ」

「そうだな。しいて言うならお前と一緒だ」

「俺と一緒?」


 確かに共通点はある。同じFPSゲーマーだし、学校だとボッチだし。

 でもそれぐらいだろう。まさかこいつは自分で「お前と一緒のボッチだよ」とか発言するネガティブヤンキーなのか!?





「オタク趣味」

「ガッデム!!!」


 畜生!!!こいつもかよ!!!

 むしろ同じFPSゲーマーならわかれよ!!!ネトゲーマー=オタクじゃねぇことぐらい!!!

「断じて言うが俺はオタクではないぞ」

「は?だってクラスでオタクって呼ばれてんじゃん」

「違う」

「と本人は犯行を否認しております」

 なんだよそれ。確かにオタクじゃねぇがオタクは犯罪じゃねぇだろ。

「まぁ人よりは知識があるのは確かだが、そんなに言うほどの興味は無いぞ?」

「マジかよ!!!お前それ人生の大半を存してるぞ!?」


 今日イチのハイテンションじゃないですか~。やだ~。


「お前アニメ見てねぇのか!?」

「今期のは見てないな」

「ばっか!!!超面白いのに!!!」

「だからそこまでの興味は無いって」

「いいから私が教えてやるから見ろ」

「断固拒否。アニメ見るならBOT撃つ」

「わかってない……わかってないなぁ~」


 呆れた感じで言ってるけど私の方が呆れそうですよ!?


「とりあえず言えることは二人とも勘違いしてるわけだな」

「どゆこと?」

「お前は俺のことを「オタク」だと思ってる。俺はお前のことを「ヤンキー」と思っている」

「確かにそうだな」

「つまりそういうこと」

「どういうことだってばよ」

「お前が何かオタの話をしても俺はついていけないということだ」

「……」


 急に黙り込んでしまった。

 なんか悪いこと言ったかな?俺……


「じゃあさ。お前はどう思う?オタク趣味」

「世間一般じゃ好かれるものではない。ソースは俺」

「そうじゃない。お前の意見を聞いてるんだ」

「そうだな。俺は」




「別にいいんじゃないか?そんなの個人の価値観だろ


これは本心だ。別に相手がどんな趣味嗜好を持っていてもそれだけでそいつのことを決めつけるのは違う気がする。

オタクだから悪い。オタクだからダメ。オタクだからなんてそんな常識もう通用しないだろう。

世の中には出来るオタクもいれば出来ないオタクもいるのは事実。だがそれはオタクだけの話じゃない。

 

要はオタクだからということで相手のすべてはわからない。ということだ」


「なんか変わった奴だな」

「そうか?むしろもうオタクってだけで気持ち悪がってるほうが時代遅れな気がするが」

「んなことねぇよ。現にお前がそうなんだろ?」

「確かに~」

「でもさ、やっぱお前いい奴だな」


 なんか信用勝ち取ったぞ。こいつちょろいな。


「大抵の奴はオタクなんて毛嫌いするし、理解もしようとしない癖にイチャモンつけやがる」

「まぁ人間なんて優劣のはっきりさせるために生きてるようなものですしお寿司」

「だからだろ」

「は?」




「お前はそういうやつじゃないじゃん」




「お前は気にしないんだろ?それだけで判断しないんだろ?

そんなの普通にできることじゃねぇよ。それじゃなくてもお前がそういう被害にあってるのに」

「むしろあってるからともいう」

「それでもだよ。なんかありがとな」


 よせやい。照れる///


「だからさ、あのよ……」


 急に歯切れが悪くなってきた。

 生理か?




「友達作り手伝ってくれないか!?」




 はい?話が飛躍してきたな……




「私の夢なんだよ。同じ趣味持った友達をいっぱい作って、一緒に遊んだり買い物行ったり~」

 やけに女子女子し始めたなおい。

「そのためにまずは一人目の友人が欲しかったわけよ!!!それでお前はそういう趣味を嫌ったりしないから適任ジャン!?」

「過大評価イクナイ」

「いやいやそんなことないって!!!だから手伝ってくれ!!!」

「何がだからなのかわからん」

「それにお前も共通の趣味を持つ仲間欲しいだろ?」

「友達は数より質だもん!!!」

「いや絶対楽しいって!!!」

「てかどうやって友達なんか作るんだよ?まずネッ友でも作るのか?」

「いや現実世界で作ろうぜ!!!買い物行ったりしたいし!!!」


そうかコイツおマヌケさんかな?


「じゃあはっきり言わせてもらおう」

「な、なんだよ……」




「そんなことできるなら俺らはボッチじゃないはずだが?」




「あ」


 確定。こいつってホント馬鹿。






はい。お久しぶりです。

やっと話を進ませることが出来ました。


とりあえずちょっとばかりまた構成考え直していくかもなのでまた更新ペースがggggg 

次回もよろしくお願いします‼‼‼

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