表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

gomibako

ぼくは君が死ぬのを待っている

作者: 北田啓悟

ぼくは君が死ぬのを待っている


本気で小説を書いてない君が死ぬのを待っている


王道を適当に書いただけで評価された君が死ぬのを待っている


一度成功したくらいで偉そうに説教を垂れる君が死ぬのを待っている


世間知らずな読者を騙くらかしてオリジナルをうそぶく君が死ぬのを待っている


つまらないくせに面白いと評価されている君が死ぬのを待っている


君が自殺するのを待っている


友人と話すときでもどこか上から目線な口調の君が死ぬのを待っている


世間をバカにすることで優越感に浸る君が死ぬのを待っている


出来るのが当たり前だと思っている君が死ぬのを待っている


人前で感情を出さないからといってぼくのことを感情のない人間だと言いはなった君が死ぬのを待っている


不当にぼくの上にいる君が死ぬのを待っている


年下なのにぼくよりも出来ている君が死ぬのを待っている


君が死ぬのを待っている


君が書けなくなるのを待っている


軽い気持ちで書き始めて成功を抑えたものの、次回作のプレッシャーに押しつぶされてスランプに陥りファンからも見放され二度と小説が書けなくなるのを待っている


いつも通りにパソコンをつけたある日、なぜかまったくアイディアが出てこなくてそのうちのたうち回るのを待っている


こんなはずじゃないと奮い立ったのに、どれだけ書いてもやっぱり小説にならず己に無力さを感じるのを待っている


そのままベッドに沈みこんで、今日は調子が悪いだけだと体のいい言い訳を独りごちるのを待っている


それから明日になっても明後日になっても一週間がたっても一ヶ月がたってもずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとつまり一生書けないことに涙を流すのを待っている


今の君の全能感が未来の君を殺すその瞬間を待っている


ぼくの願いが叶えられ、君が無様に野垂れ死ぬのを待っている


笑っている君が、笑えなくなるのを待っている


笑えないぼくを、笑わせてくれるのを待っている


ただそれだけを待っている


ぼくは君が死ぬのを待っている


ゆえに


その時を見届けるまで、ぼくは決して死ねない


つまり


まだ負けられない

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そうなんだよな まだ負けられないんだ まだ死ねないんだよ俺は ありがとう
[一言] 内容ではなく、なんというか、上手くいってません。ドロドロとしたのが作品として昇華される前の段階で出てきています。 内容がどれだけ酷い話だろうが気持ち悪い心情だろうがそれは問題ありません。作…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ