4.住む場所を見つけましょう③
下ネタ注意!
一晩あけて朝。夜に知らない場所を彷徨うのは危険を伴うので、川の近くの丈夫そうな木の上で夜を明かした。
「さて、今日も頑張って生き残ろう!」
川の水で顔を洗い改めて気を引き締めた私は川の下流に向かって歩き始めた。
(色々考えなきゃいけないことあるけど、まずは安全な場所を手に入れてからかな)
歩き始めて大体一時間ぐらいたった頃、突然下腹部にギリギリと強い痛みが走った。
「っつ!」
思わずおなかを抑えて思わずしゃがみこむ。
「やっぱ駄目だったか」
生水と正体不明の果物。予測していたことが現実になってしまったようだ。でもここでするわけにはいかない。文明に生きる現代人として、そして何より良識ある大人としてだ!
「社会人として野外でのソレは嫌だ!あと、ここにはウォシュレットがない!」
後半、本音がダダ漏れである。しかし、そうは言っても腸は止まってはくれない。だんだんと痛みの波長は近づき、それに伴い限界も近づいてくる。
「おなかいたいおなかいたいおなかいたい!でも、ここじゃ、いやだけどっ、せに、はらはっ、かえっ、られん!」
激しく蠢くお腹を抱え、ちょうど良さげな物陰を探してチョコチョコと足を動かす。
「ううっ、もうだめ!」
トイレットペーパー代わりの葉っぱを毟り取りつつ、さ迷うこと10秒ほど。川辺にちょうどいい茂みを見つけ下着をおろししゃがみ込む。
「……」
無言・無表情である。いい年をした大人がこんな所で野〇〇である。社会人の面目丸つぶれだ。ぶちゃけ逃避の一つや二つしてもしょうがない仕方がない。それにあれだ、自然の摂理にはたとえ誰であろうと逆らえないよ。だって人間だもん。だって生きてるんだもん。しょうがないよね!?だって当たり前のことなんだから!!
必死に自分に言い聞かせる。自分のやっていることから目をそらすために。
そんな時だった。
遠くを見つめる視線に何かが引っ掛かった。目の前に広がる茂みの向こう側、動くものがあった。動物か何かだろうか。茂みの隙間からそっと覗く。視線を合わせ、後悔した。
―――それは、四足の獣が赤黒い液体に塗れたナニカに群がっている光景だった。
―――それは、狼に似た生き物が人であった肉を貪っている光景だった。
認識した瞬間、戻しそうになる。上と下、同時噴出は遠慮したい。口に手をやり咽喉からせり上がってくるものを何とか押し留める。そうこうしているうちに腹の内側から生じた奔流が静まり、上も下もなんとか収まりがつく。
幸いにして向こうとは距離もあるし、こちらは風下らしくまだ気付かれた様子はない。獣たちの動向に注意しつつ手早く後処理を終わらせる。
このままココに居ては彼?か彼女?もしくは何?かは知らないが、取り敢えず獣にモグモグされているお肉さんと同じ末路を辿ってしまう。それは遠慮したい。私はいつまでも捕食者でありたい。お肉は食べるから幸せなのであって、食べられてはなんにもならない。
それに、せっかくここまで頑張ったのだ。
あと、もう少しだけ頑張ってもバチは当たらないだろう。
そう心の中で呟くと、ゆっくりとその場を後にした。
引きこもりに甘んじている魔王は残念ながらまだ出てきません。
楽しみにしてらしゃる方(←要るのか?)は辛抱強くもう少しだけお待ちください。