プロローグ
大体1500文字程度で1話が終わります。
多分サクッと読める文字数のはずです
というか作者がそれ以上になると頭から湯気がでます。勘弁してください…
……何だ…ここは?
何も無い真っ白な空間…ここには地面がある…のか?
夢か…しかし、夢にしては味気ないな。
「ようこそ…私の空間へ…フフフ」
何もない空間から突然、女の声がした。
俺の目の前の空間が黒く歪むと、黒い甲冑姿の女が現れた。
吸い込まれそうな黒く長い髪と、凍るような鋭い目をしている女だ。
瞳は金色で肌は透き通る様に白い。
………とりあえず美人と言っておこう。
「あら?フフ…ありがとうね。若い子に褒められるのは気分がいいわ。貴方を選定した甲斐があったわね」
選定?一体何の事だろうか……夢の中とはいえ美人に選んでもらうのは有り難い事だが…はて
「何故、貴方を選定したのか?…それはね、貴方がもうすぐ死んでしまうからなのよ」
は?… 俺が?どうして死ぬんだ。
冗談にしても笑えない…まずココは何だ?
夢の中だろう?
あー…いやだ。何で自分が死ぬと宣告される夢を見なきゃならないんだ。
「まぁ、いきなり死ぬと言われても受け入れがたいでしょうね。でも仕方ないわ…そうなる運命だもの」
「でも安心して…君には生き返るチャンスをあげる。ただし10回までだけどね…どう?素敵な贈り物だと思わない?」
はは…ずいぶん都合のいい話だな。生き返るチャンスって…この美人は神の使いなのか?でも…神の使いって言うよりは…
「ご名答。私は神の使いではないわ…君達で言うところの…悪魔と呼ばれている存在なの」
…悪魔だって!?何故、悪魔が人間の俺を生き返らせるんだ?
お前達、悪魔は死んだ人間の魂を喰らうんじゃなかったのか?
「たしかに私達は人間の魂を糧にしてるわ。でも私は、それだけでは満足出来ないの……ただ糧にしてるだけでは、つまらないから…ね? 」
「詳しい事は今度話すとしましょう。私と契約をしてくれたらだけど」
甲冑姿の女は俺を流し目で見てくる。
…そんな目で見ないで欲しい。
悪魔とはいえ、絶世の美人である事はたしかだ。
これは夢だし…契約すれば楽しい淫夢が楽しめそうだ。
すぐさま、俺は親指を立てて契約成立の意思を示した。
「ありがとう。これで契約成立ね。残念ながら、貴方と楽しむ事は出来ないけど…フフ」
突然、目の前の白い空間から黒い霧が現れると、美人に抱きつこうとした俺を包み込んだ。
頭の中を掻き回されたような不快な感覚に襲われ、俺の意識は遠くなる。
「選ばれし血統を持った者よ。黒く濁った絶望を期待しているわ…」
甲冑姿の女は黒く歪んだ空間を見つめながら呟いた。