狩りの依頼
俺はホークにつれられて酒場に来た。
夜でもないのに酒場は賑わっている……歌を歌っている酔っ払いや酒を飲みながら腕相撲をする物達が叫び声をあげていた。
「おい!ホークじゃねーか。今日は女じゃなくてガキを連れてんのか?まさかオメェのガキじゃねーだろうな?ぎゃははは」
「こいつに泣かされた女なんてゴマンといるぜ?冗談抜きでガキかもしれねぇよ。5股のホークだぜ」
ホーク
「うるせぇ酔っ払いだ。俺がガキを作るなんてヘマすると思うか?まだまだ人生楽しみたいんでね」
酔っ払い達はゲラゲラ笑いながら酒を飲み始めた。
…5股のホーク?常に付き合っている女が5人いるって事か……すげぇな。
ホーク
「わりぃなエイト。うるせぇのに絡まれちまってよ。奥の部屋で話そうぜ」
酒場の奥には個室があった。ここなら落ち着いて話せそうだな。
ホーク
「単刀直入に言うぜ。力を貸して欲しいんだ」
急に真面目な顔をしてホークは話してきた。
……展開から言って儲け話みたいだな。
エイト
「どういった内容なんだ?」
ホーク
「なに簡単な話さ…賞金稼ぎって奴だ」
おいおい…まさかハーフエルフを捕らえるなんて話じゃないだろうな。それだったらゴメンだし阻止するぞ。
ホーク
「街から東へ進むと(巨人の岩場)って所があるんだが……最近そこにドラゴンが住み着いて通りかかる人間を襲ってるんだ。街から兵士が派遣されたが…駄目だったらしい。そこでだ…」
エイト
「おい…まさか俺達が殺るってのか?」
ホークはニヤリと笑い酒を飲んだ。
ムチャ言うな。ドラゴンってあれだろ…空飛んで火を吹いたりする化物だろう?2人でどうにかなる相手じゃねぇよ。
ホーク
「普通なら勝ち目が無いわな……だけどよ。討伐に向かって返り討ちにあった兵士がドラゴンの種類がグランドドラゴンだったてのを耳にしたのよ」
…グランドドラゴン?
ホーク
「グランドドラゴンは空を飛べねえ。体重が普通のドラゴンの2倍はあるし飛翔の呪文も使えない。そのかわり皮膚が頑丈で並の剣じゃ傷をつける事もできねぇ」
エイト
「なおさら無理じゃないのか?」
ホーク
「……ところがだ。そんなドラゴンにも弱点がある。……首の後ろにある場所に剣や矢をぶち込めば殺せるんだな」
エイト
「……俺にオトリになって欲しい訳だな」
ホーク
「早い話がそうだ。俺はウィングマンで空を飛べる…ボウガンで首の後ろを狙いうつ。アンタは地上でドラゴンを引きつけてくれ」
……俺は死んでしまうのではないだろうか?
ホーク
「ドラゴンを始末出来たら、街の領主から金を貰える事になってる。どうだ?一緒にやらないか?」
エイト
「何故俺に頼むんだ?」
ホーク
「あのギルダスって野郎は、この街じゃあちったぁ名の売れた奴なんだ。あんたはどう思ってるか知らんが…アンタの動きは速い。ウィングマンの俺よりもだ…それにギルダスに喧嘩を売る度胸もある」
……俺が速い?あの禿頭が遅いだけかと思ったが違うのか。
ホーク
「頼む!この通りだ!街じゃアンタしかいねぇ……一緒にやろうぜ」
……そこまで言われると断れない。
どっちみち文無しだからな。実戦で鍛える事もしないといけないし…俺にとっても利はある。
エイト
「わかったよ……それで後はどうすればいいんだ?」
ホーク
「ありがてぇ!ドラゴンを狩るのは2日後しよう。アンタも準備があるだろうし」
ホークはドラゴン狩りの段取りを話始めた。
2日後の昼に酒場待ち合わせし、領主から借りた馬車で(巨人の岩場)の近くに行くとの事だ。
ホーク
「じゃあ2日後に酒場で会おうぜ。よろしくな相棒!」
ホークは酒場の勘定を払ってくれた。
……いつのまにか相棒になってるのか。
おっと…もう夕方か。あの子の所に行かなくては。
……誤解されていたからな…いるかな。
ホークと別れて俺は街の中央通りに向かった。