無力な少年
モニカ
「随分と早いお帰りね。」
モニカの空間に再び戻った。そう俺は助けようとしたセラに殺されたのだ。
……見ていたんだろ?
生き返って俺は何をした?何もしてない…何も出来ない。…助けようとして逆に殺されたなんて…セラは俺を殺した事でトラウマになるだろう。もう沢山だ!!!
モニカ
「あら…もう諦めるの?まだまだこれからじゃない。まだあの子は生きているわ。生きているならチャンスはあるんじゃないかしら?」
……慰めはよせ…俺は無力なんだ!わかるだろ?俺はモニカの力で生き返るだけの人間だ!ただの人間だ!英雄じゃない!俺を殺したアイツみたいに呪文が使えるわけじゃない!セラみたいにハイエルフでも無い!
……ただの……人間なんだ。
自分の弱さに涙が出てきた。所詮俺には運命を変える事なんて出来ないんだ。
モニカ
「そうね……今の君は無力だわ。でもこれからどうなるかは君次第でしょ?可能性を捨ててはいけないわ。」
……可能性?
モニカ
「今はあの子を助ける事は出来ないわ。生き返って同じ目にあうだけ…なら助けだせる力をアナタがつけてからでもいいんじゃない?」
……力をつけるって…どうやって?
モニカ
「私はアナタの導き手ではないわ。どうすればいいのかは自分自身で決めなさい」
……たしかに諦めるのは早いかもな……アイツらを倒せる力をつける……か。
モニカ
「どうする?もうイヤだったら私がアナタの魂を喰らうけど」
……いや…もう少し頑張ってみるよ。ありがとう…モニカ。
モニカ
「人間が悪魔に(ありがとう)なんて変な感じね。フフフ」
モニカ…教えてくれないか?世界の事を…
俺は村の外の事はあまり知らないんだ。親父も外の事は教えてくれなかったし、ダークエルフやハーフエルフ…人間達の事を。
モニカ
「……人間が悪魔に教えてくれなんて奇妙ね。いいわ。教えてあげましょう」