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トラ・オブ・ラビリンス  作者: シード
第10話「ブリザード」
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第10話「ブリザード」終ー2(終)

第10話「ブリザード」終ー2


 しばらくの間、レイラは考え事をしているらしく黙っていましたが、やがて口を開きます。

「アタシは…… アタシにはあなた方がスパイや爆破犯人にはどうしても思えない。だけど、違うと言う確証も無いわ。所長の言う通り、大人しくアタシたちと同行して頂戴。然るべきところで取調べを受け、無実だと判れば釈放される筈よ。それまでは我慢して貰うしか無いわね」

「残念ですけど、それは遠慮します。では、さようなら」

 ガーネはそう言って、ブリザードの中を逃げ出します。

パーン! パーン! ガイル所長とレイラが何度もハンドガンを打ち続けますが、叫び声一つ聞こえません。

「駄目よ。彼等を逃しては」「むろんだ。研究所を失った今、彼等が体内に保菌している改良プルートだけが、ワタシの研究成果を証明してくれる唯一の証しなんだからな。早く回収した方がよさそうだ」

「見つけたら構わず撃ち殺しなさい。 それでもアタシたちの目的は達せられるわ」

「判っている」

 二人は、ガーネが装着している腕輪からの発信を頼りに追い詰めて行きます。その結果、幾らも経たない内に発見されてしまいました。

「じたばたするな。今度こそ本当に撃つぞ」ガイル所長は威嚇します。

 ガーネは手を上げながら近づいて来ました。

「まぁ、待って下さい。ガイル所長、レイラさん」ガーネは二人に問いかけます。

「一つ、教えて欲しい事があるんですが」「何だ」

「さっき言いましたよね。私達がガイル所長の研究成果だって。あれはどういう意味ですか?」

「何だと! 一体、いつ?」

「さっき、私が姿を消したのは逃げたんじゃなくて、ブリザードを利用してあなた方の足元に身を伏せていたんです。おかげでお二人の話を聞く事が出来ましたよ。さぁ、答えてくれませんか? あの言葉の意味を」

「別に。何でも無い」「そうですかね、ガイル所長。じゃあ、お聞きしますが、所長のお仕事って、プルートと言う病原菌の解明とワクチンを造る事でしたよね。その効果を実際に証明するには人間を利用した方が早い。そうなんじゃないですか? つまり、あなた方は私達の体内へプルートを強制的に注入し、その効果を確かめていた。でしょ?」

 ガイル所長がガーネに何か言おうとするのをレイラは止めたのですが、もうこうなっては黙っていても無意味だとばかりに、それを無視して話しを始めます。

「ああ。確かに君の言う通り、君等の身体の中には既にプルートが潜んでいる。つまり、君等に対する生殺与奪の権利は全てワタシ達が握っていると言う事だ。君等はもう逃げる事は出来ない。だから、諦めてワタシたちに従って欲しいな」

 ガイル所長の言葉に、レイラはため息をつきます。

「これは国家機密事項ですよ。みだりに被験者に言われては業務に支障が起こります」

「まぁ、いいじゃないか。どうせもう、こいつらには、どうする事も出来んのだからな」

 ガイル所長はレイラにそう言うと、再びガーネの方を振り向きます。

「今、喋った通りだ。君等がワタシ達のハンドガンから逃れたとしても、君等の体内に潜んでいるプルートから逃げる事は出来ない。ワタシ達に逆らえば、待っているのは死だけだ。

 もし、君等がまたワタシ達から逃げれば、今度は車に据え付けられているプルート・コントローラーを使って、君等のプルートを活性化する事にする。それを操作するリモコンはワタシの服のポケットにあり、今直ぐにでも作動可能だ。もし、作動させてプルートを活性化させたならば、君等は少なくとも三十秒後には、身体は麻痺状態となり、幾らも経たない内に死を迎える事だろう。仮にそうなった場合でも、ワタシ達は生きたプルートを君等の体内から取り出す事が出来るから、何の支障も無い。と言っても、君等も今すぐ死にたくは無いだろう。ならばワタシ達に従うのが懸命だと思うんだが」

「アタシもガイル所長と同じ意見だわ。これ以上、アタシ達に世話を焼かせない方がお利口さんよ」二人共、ガーネにハンドガンを突きつけながら、そう諭します。

「トラ、トラ。起きて下さい」

「ううん。……何? 全部終わったの?」「いえ、終わろうとしているところです」

 トラはガーネのポケットから這い出て、肩の上に乗ります。

「あら、何か緊迫した状況みたいだけど」「そうなんですよ」

「トラさん、そんなところに居たの。今、ガーネに、アタシ達の言う事に従う様、説得をしていたところなの。ねぇ、トラさんからも口添えして貰えないかしら」

「ふーん。ねぇ、ガーネ。それでどうするの?」

「トラ。今、ブリザードが激しいですけれど、彼らの後ろに現れた物が見えますか?」

「どれどれ」トラはガーネが指し示す方をじっと見つめます。

「何だぁ、迷宮のドアじゃない。やっと現れたのね」

「ええ、そうです。そうなんですけれど、三十秒以内にあそこまで辿り着けないと、この人達が私達の身体を麻痺状態にして、死なせるって言うんですよ」

「あそこまでね。アタシは大丈夫だわ。売られた喧嘩。買いましょう」

「トラ、威勢がいいですね。でも、雪の上に降りて大丈夫ですか?」

「結構硬いから、軽いあたしの身体が潜ってしまう事は無さそうよ。飛ぶように走れるわ。任せておいて。だから、後はガーネ次第ね」

「はいはい。じゃあ、私もせいぜい頑張りましょう」

 ガーネとトラは走り抜く気満々です。

「じゃあ、いいですね」「ええ、いつでもいいわ」「じゃあ、スタート!」

 ガーネ達は走り出しました。

「あっ、待て!」「仕方が無いわ。プルート・コントローラーを動かして」

「やむを得んな」

 ガイル所長はポケットからリモコンを取り出し、スイッチを入れます。

「さぁ、これで終わりだ。どんなに走っても、三十秒後には片がつく」

 ガイル所長とレイラはその時を待ちました。


ガーネとトラは急いで走っています。先行しているのはトラです。積もる雪に足を取られ、スピードが出せないガーネに対し、トラはその身軽さを生かして軽快に走ります。ところが、その走行先に柔らかい雪が積もっていたせいでしょうか。ずぼっと雪の中に潜ってしまいました。

 後から追いついたガーネは、埋もれているトラを雪ごと蹴り上げます。宙を舞うトラは「このヤロー」とばかりに、ガーネの肩へ鉤爪を喰い込ませ、安定した状態で乗る事に成功しました。

「ギャアアー!」ガーネはその痛さに耐えながら、迷宮のドアへと消えて行ったのです。


 まもなくガイル所長とレイラの耳元へ、ガーネの悲痛な叫び声が聞えました。

「予定より少し早いようだが。まぁ、誤差の範囲だろう。スパイのなれの果てか。侘しい最後だな」

「ブリザードの勢いもそろそろ弱くなる筈よ。もう少し経ったら、遺体を回収しましょう」

「そうだな。プルートはもうあいつらの身体にしかないんだ。早急に手に入れなければ」

「その前に波長を切り替えて、休眠状態にしておかないと」

「そうだな。やっておこう」

 二人は車に戻って、直接プルート・コントローラーを操作し、プルートが休眠状態になるまで待機していました。二人が車の中に居る間も、ブリザードは相変わらず吹き荒れています。

「もうそろそろ、いいんじゃない。腕輪をチェックして、プルートがどうなっているか見てくれません?」「判ったよ」

 ガイル所長はレイラの言う通りに、車載の計器を使って、ガーネ達の体内に潜むプルートのチェックをしました。

「うん? どうも変だぞ」「どうしたの。ガイル所長」

「それがだ。プルートの確認が出来ないんだ。ほら、エラー表示が出ている」

「めったに無い事だけど、腕輪が故障したのかも知れないわ。それで彼らの生命反応はどうなっているの?」

「それは…… 駄目だな。それも確認出来ない。生命反応が消えているんだ」

「それはそうかも知れないわね。プルートに感染して、死んでいるんだから。じゃあ、腕輪自体の発信機は? それも作動しないの?」

「いや、それはちゃんと動いている。この近くだ」

「じゃあ、腕輪の計器部分が故障しているんだわ。ブリザードも弱くなったし、すぐに回収しましょう」

 ガイル所長とレイラは車を降りて、腕輪からの発信を頼りに、雪の中を苦労しながら歩いて行きます。

 まもなく二人は、その発信位置に到着しました。

「ここら辺りの筈なんだけど」

「雪に埋もれてしまっているのかも知れない。雪を掻き出してみよう」

 二人は車に戻って、スコップを持ち出します。

 降ったばかりで柔らかいその雪は楽に掻き出せます。しばらくその作業を続けた後、ガイル所長は雪の中から、いつも見慣れているある物を発見し、それを手に取ります。

「おーい、あったぞ!」「そうなの? よかったわ、見つかって」

 レイラがガイル所長の元へ行くと、所長の手には、あの腕輪が握られていました。

「何よ、これ。腕輪だけなの?」「そうなんだ。信じられないが」

「あの猫は? あの猫にも発信機付きの首輪を装着したでしょ?」

「それもこの近くにある筈だ。探してみよう」

 二人は懸命にトラを求めて、雪を掻き出します。ですが、彼らが見つけた物はトラが装着していた首輪だけでした。

「判らん。一体、何故なんだ。この腕輪も首輪も、我々のとは違い、絶対に外れない代物だ!」

 ガイル所長もレイラも、その意外な状況に呆然としていました。



 しばらくして、レイラは意を決したかの様に、手にしたハンドガンをガイル所長に向けます。

 ガイル所長はそれを見た途端、後ずさりをしながら叫びました。

「おい、レイラ。何故、ワタシにハンドガンを向けるんだ。ワタシはこれまでお前達の言う通り、何でもやってきたじゃないか。あのプルートのワクチンも作ったし、培養もした。お前達が改良版が欲しいと言うから、それにも手を貸した。それなのに何故だ!」

「ガイル所長。あなたの仕事は改良版プルートの管理。だけど、あなたはその任務に失敗した。研究所内に保存していた改良版は、既に建物ごと消滅しているわ。それに最後の頼みの綱だった彼等のプルートも手に入れる事は出来なくなった。

 これらの任務の失敗に対して、管理者であるあなたは責任をとらなければならないわ。それに、この研究全体の監視及びプルート関連情報の外部への流出防止は、アタシの責務となっているの。だから悪いんだけど、アタシはあなたを撃たなくちゃならない」

 レイラはそう言って、いつにない冷酷な瞳でガイル所長を見ながら、その距離をを狭めて行きます。

「ま、待て。だったらワタシが直接、国務省に掛け合って申し開きをする。だから、ワタシを連れて行ってくれ」

「駄目だわ。ワタシは既に国務省から、万が一の事態が発生した場合に対する対処を任せられているの。今回の件は国務省とは何の関係も無い様に取り計らってくれ、とね。

 ガイル所長。本当にごめんなさい。こんな事になってしまって。あなたとはもっと長く、お仕事をしていたかったのに」

 レイラはそう言うと同時に、ハンドガンの引き金を引きました。

 バーン!

 次の瞬間、銃声と共にガイル所長の胸から鮮血が飛び散り、雪を赤く染めます。

 バタッ!

 ガイル所長そのまま雪の上へ、仰向けに倒れてしまいました。

 レイラはガイル所長の元へと歩み寄ります。膝を雪の地面につけて、その心臓に手をやります。鼓動は既に止まっていました。

 「お別れです。ガイル所長」ブリザードが再び激しくなる中、レイラはそう呟きました。



 その頃、迷宮に戻ったトラは怒っていました。二足立ちでその眼には怒りの炎がめらめらと燃えています。ガーネはその剣幕に恐れをなし、トラの前で土下座して顔を地面に擦り付けていました。

「トラさん。最近、怒りっぽくなっていますね。カルシウムが不足しているんじゃないでしょうか?」

 何とかこの雰囲気を和らげようとするガーネでしたが、返ってトラの怒りの炎に、油を注ぎ込んでしまいます。

「ガーネ。一体、今回は何なのよ! あたしに寒い思いをさせるわ。一猫ひとりぼっちにさせるわ。病原菌を入れられるわ。首輪を付けさせられるわ。注射を強要されるわ。雪に埋もれたあたしを蹴り上げるわ。

 ガーネ。あなた一体、自分を何様だと思っているのよ!」

 トラは一言一言喋る度に、怒りで肩をわなわなさせています。憤怒の鬼と化しています。

「トラさん、大変申し訳ありませんでした。でも、どれもこれもトラさんの為と思ってやった事なのです。しかし、それにしても」

「何よ!」

「いや、よくそんな状況下にも拘わらず、ここへ無事に帰って来られたものだなと。猫なのに。いやはや、さすがはトラさんですね。大したもんです」

「いやあ、あたしもてっきり、今回は駄目かと……」

 ガーネに褒められ、頭を掻きながら少し有頂天になりかけたトラは、これが罠だと気が付きます。

「そんな甘い言葉に乗せられて、許してしまうあたしだと思って!」

 トラは緩んだ気を引き締める様に叫びます。

「はぁ、やっぱり駄目ですか?」「当然よ!」

「でも、折角こうして無事に帰って来たんじゃありませんか。ねぇ、トラさん。ここはどうか一つ穏便に」

 ガーネはひたすら低姿勢に徹しました。



 レイラは車の中で、国務省にだけ通じる携帯電話を取り出します。

 暗号を入力するとホットラインを通じて、かけたい相手に繋がりました。

「あっ、長官。大変申し訳ありませんが、今回の任務は失敗しました」

 その後、二言三言、話し合います。

「そうです。研究所はプルートごと跡形も無く、爆破されました。また、責任者であるガイル所長の処分はワタシが済ませました」

 更に話は続きます。

「ええ。残念ながら、あのスパイ達の所在はもう掴めません。あっ。はい、そうです。もちろん、それは全てワタシの責任です。プルートに関連する全ての情報及び使用機材等はこちらで処分しておきますので、国務省並びに長官に御迷惑をおかけする事は絶対にありません。どうか、ご安心下さい」

 やがて電話が終わり、レイラはその電話機を車の中へ放り投げます。その後、ガイル所長の遺体を車の中へ運び入れ、自分も運転席に座りました。


 レイラは、ガーネとトラが装着していた腕輪と首輪を手にしました。

 その一つ一つを不思議な物を見るような眼で眺めています。

「両方共、こじ開けられた形跡が何も無い。自分達の身体を切断して外したのなら、これか、これが落ちていた雪の上に、血の跡ぐらい残っていそうなものだけど、それも見当たらない」

 レイラは首を傾げながら、呟き続けます。


「彼らが言っていた、自分達が「迷宮の旅人」であると言う、あの話。ガイル所長は頭から信じていなかったけれど、あれは本当の事だったのかも知れないわ。じゃないと、この状況は考えにくい。……でも、もしそうなら」

 レイラはその眼が一瞬、光を宿します。


「もし、そうなら、恐らく彼らは、もう二度とここには戻って来られない。となれば、ワタシはプルートの情報を外部に流出させないと言う任務を全うした事になる。

 ……だけど」

 レイラの眼から光が消えます。

 レイラは車の前面にあるパネルの一つに、自分の指紋をかざします。すると、パネルの下には幾つかのボタンが現れました。


「だけど、それを国務省に納得させるには、彼らが「迷宮の旅人」である事を証明しなければならない。いや、それ以前に「迷宮の旅人」の存在そのものを証明する必要がある。

 でも、彼らがいなくなった今となっては、もう、そのどちらもアタシには立証する手立てが無い。

 ……つまり」

 レイラはそのボタンを操作し、暗証番号を入力すると、ボタン群の一番右側にある赤いボタンが点灯しました。


「つまり、アタシの運命さだめは変わらない」

 レイラはそう言うと、そのボタンを押しました。

 その瞬間、車が激しい爆発を起こし、中にある物全てが、レイラともども跡形も無く、吹き飛んだのです。



 トラはガーネの元に歩み寄ります。

「ガーネ。あたしが怒っているのはね。レディの扱い方がなっていない人間に対してなの。そんな人間にはきついお仕置きが必要なのよ」

 次の瞬間。ガシャと物音を立てて、トラの、身体の割には大きい鉤爪が剥き出しになります。更にトラは口を開き、その口から牙をも覗かせます。

 トラはその牙と鉤爪を武器にして、ガーネに飛びかかりました。

「ガーネ。覚悟!」

 ガブッ! ザクッ! ガブガブッ! ザクザク! …… ……

「ギャアアー!」



 双眼鏡を覗き込んでいる1人の男が、ブリザードの中、立っていました。

 その男、パードは、何かが爆発した音を聞いて、それを眺めていたのです。

「粉々になっちまったが、あれは研究所にあった車だよな。一体、どうしたんだろう」

 ブリザードの為、双眼鏡を覗いてみても、はっきりとは確認出来ません。行ってみようかとも思いましたが、直ぐに自分のやるべき事を思い出し、諦めました。

 パードはアレンの車にあった簡易探知機で、全ての腕輪から、生命反応が消えている事を確認します。

「全員、死んだのだろうか。それとも、腕輪を取り外したのだろうか」

 パードはトラに装着されていた首輪も確認しました。これも生命反応が消えています。

「ガーネ達の腕輪や首輪は取り外しが出来なかった筈だ。それなら、彼等は死んでしまったんだろうか。それとも」

 パードは一旦、口を噤みますが、直ぐに開きました。

「いや、彼等は「迷宮の旅人」だ。きっと、オレに言った様に迷宮へ帰ったんだろう。そう信じたい。なぁ、アレン」

 パードはそう言って、開いている後部ドア近くに載せたアレンの遺体に声をかけます。パードには、アレンが「間違いないさ」と言っている様な気がしました。

 パードはもう一度双眼鏡を覗き込みます。ですが、爆発の場所は既に何も見えなくなっていました。

 パードはアレンに声をかけます。

「アレン。じゃあ、そろそろ帰ろうか。俺達の家へ」

 パードは車に乗り込み、どこへともなく去って行きました。


 激しく降り注ぐブリザードは、まるで何事も無かったかのごとく、いや、何一つ存在しなかったかのごとく、雪の下へ全ての物を閉じ込め、「白銀の世界」を演出し続けるのでした。



 トラは迷宮の道に座り込んで毛繕いをしながら、不満をこぼしています。

「不条理だわ。あれだけ噛み付いても、引っ掻いても、かすり傷一つ残らないんだから」

 トラは一頻り身体を舐め回すと、恐怖で気を失っているガーネに声をかけます。

「ほら、そんなところで寝ていないで。そろそろ出発するわよ」

 トラは立ち上がって、再び前方へと眼を向けます。そこには相も変わらず、迷宮の道がどこまでも広がっているだけでした。


第10話「ブリザード」終ー2(終)


 今回のお話はトラ・オブ・ラビリンス第10話「ブリザード」最終回・後篇となります。

 やっとこのお話も終わりました。11、12、2、3月と。お付き合い下さり有難うございました。

 次話は未定です。と言うか、現在、手を付けていない状態です。

 あらすじ程度なら、二種類程ありますが、実際に書くかどうかは判りません。

 また書き始める事にでもなったら、その折はこのサイトへお越し下さるよう、お願い申し上げます。


 では、さよなら。

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