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感情CUBE  作者: 刻咲 造花
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2話 殺し合い


・「俺が……死ぬ?」

小春の突然のその言葉に楽羅は戸惑っていた。

 

・「正確に言ったら、殺されるかも?」

・「はぁ?殺される?なんで俺が殺されなくちゃならないんだよ!」

・「うーん。CUBEを持ってるから?」

・「これを持ってるからってっ!……だがこれ捨てても戻ってくんだよ!」

 

・「当たり前だよ。だってそれは勘解由くんの感情なんだから。」


・「は?」

楽羅は小春の言っていることが分からなかった。

・「なんだ、CUBE持ちなのに何も知らないんだね。……なら私が教えてあげる。……隣座っていい?」

・「あっ、ああ。」

・「よいしょっ。」

小春は楽羅の横に座った。


・「CUBEこれは、地球滅亡後に現れた特別な力。これは知ってると思うけど、私たち人間は地球の復活と共に著しく進化した。主に運動能力と身体の強度の向上。実感してると思うけど元の10倍と言われてるの。これは脳のリミッターが解除されたからで、本来20%程だったものが常時50%まで達したらしいの。これによって人間はゾウやライオンみたいな動物よりも強靭になった。」

・「そうだったんだ。確かに4年前は驚いたなぁ。」

・「そうだったんだって、ニュースとか見てないの?ここまではまだ一般常識だよ。」

・「ずっと1人で生きてきたからな。あんま気にしてなかった。」

・「…………。」

その楽羅の言葉に、小春は少し寂しそうだと感じた。


・「んで、それから?」

・「うん。……動物達はそのままなのに、人間だけが進化した理由、これが「感情」なの。人間の感情の豊かさがこれをあるきっかけで引き起こしたみたい。」

・「きっかけ?」

・「……赤い霧。私たちが目覚めた時に包み込んでいた暖かい霧、これが人間の脳と細胞に作用したと言われているの。どうして作用したのか詳しくはわからないわ。……そしてここからは一般的に知られていないこと。人間は進化した。でも更に特別な力を得た者がいるの。……そう、それが「CUBE保持者」。」

・「CUBE保持者?」

・「CUBEを持っている者のこと。CUBE持ちって言ったりしてるわ。……普通の人との違いは変わった能力に目覚めたこと。さっき私がやったのもその能力のひとつ。この能力を使っている時は脳のリミッター解除が80%を超えるの。……勘解由くんも心当たりがあるんじゃない?」

・「……まあな。」

・「この能力には個性があるの。その人の性格や考え方によって全く違うから同じものはひとつも無いらしいわ。勘解由くんは何のCUBE?」

・「何の?」

・「そうっ!私は「愛情」のCUBE!!」

・「俺は……」

・「分からない?ならCUBEを握ってみて。頭に思い浮かぶはずだから。」

楽羅はぎゅっとCUBEを握りしめる。


・「らっ……かん?……「楽観」だな。」


・「楽観かぁ!素敵な感情だね!」

・「そうなんか?」

・「うん!楽観的って、能天気とか危機感が無いって揶揄されることも多いけど、本当は物事を明るく前向きに見ることができるって意味なんだよ!!私はそっちの意味の方が好きだなぁー。」

・「よく分かんねぇけど……。どうして俺なんかにこんなものが?」

・「これは私の持論なんだけど、ひときわ強い想いを持ってる人、そんな人にCUBEは現れるんじゃないかな。」

・「ふーん。」

・「あっ、見てて勘解由くん。」

小春は左手首のCUBEのブレスレットを外して、

・「えい!!」

遠くに投げ飛ばした。


するとブレスレットは空中でスゥーと煙のように消えてなくなり、

・「ほらっ!」

小春の手首に戻ってきた。


・「CUBE、これは感情が具現化したもの。5m以上自分の体から離れたら元に戻ってくるの。さっき捨てても戻ってくるって言ってたよね?つまり体の一部みたいなものだよ。」

・「なるほどな。わからんけど、分かった。」

・「なーに?その変な言葉。」


・「っでだ、…………なんで俺が、そのCUBE持ちが、命を狙われるっ…………んぁ?なんだ、てぇめー?」


突然だった。

いきなり、座る楽羅の目の前に男が上から見下ろすようにして立っていた。


男はスーツを着崩して煙草をくわえている。捲った袖からは刺青が見える。

男が口を開いた。

 

・「なぁ?殺し合おうぜ。」


ドスの効いた声。

・「あぁ?」

楽羅も負けじと威圧する。

 

・「おっ!威勢が良いねぇ!俺は乱獅子 茜(らんじし あかね)だ。」

・「聞いてねぇし、何の用があんだ?」

・「名前は?お前の名前。俺は名乗ったんだお前も教えろよ。」

・「はぁ?どうでもいいだろそんなの。」

・「いーーーや!!!ダメだ!!挨拶はしっかりやんねぇと!!!!」

・「どこでキレてんだよ。……勘解由 楽羅だ。」

・「楽羅かよろしくな。」

・「っで?」

・「ん?」

・「んだからっ!!!何の用だっつってんだよぉお!!」


(あかね)は少し驚いた顔をして、

・「ははっ、キレんなよ。」

・「お前が言うなよ!」

 

・「お前のそれ。CUBE持ちだろ?ほらっ。俺もだ。「激昂」のCUBE。」

茜は楽羅にCUBEのネックレスを見せながらそう言った。


・「……………………どいつもこいつも、CUBE。CUBE。ってうっせんだよぉ!!!!いいぜ!!!殺ってやるよ!!その代わり俺を楽しませろよ。」

 

・「そうこなくっちゃ、なぁあ!!!!!!」

茜は楽羅殴りかかる。

 

ガシッ!

それを楽羅が手のひらで受け止める。


・「ちょっ、ちょっと喧嘩はやめっ……」

・「うるせぇ!!!」

・「うるせぇ!!!」

小春は止めようとしたが楽羅も茜も聞く耳を持たなかった。


ドッ!!

楽羅が茜の腹を蹴りあげる。

 

茜はその威力で吹き飛ばされるが難なく着地をする。

・「効かねぇなぁ!!!!」


楽羅はすぐさま飛ばされた茜を追いかけて、拳を振り上げ飛びかかる。

待ち構える茜。


 

・「破壊の腕(デストロイ)


茜の右腕の血管が浮き出て、腕全体からは湯気が立ち上がる。その見た目からは禍々しさを感じる。筋肉増量なのかドーピングなのか、何かは分からないが、強力な一撃がくるのは明らかだった。

茜のカウンター。

 

ドゴッ!!!!!

 

楽羅の拳が届く前に茜の拳が楽羅の横腹に突き刺さった。

バキバキッ……

・「うっ、」


楽羅は宙を舞いそのまますごい勢いで地面に叩きつけられた。

楽羅は一瞬息が止まり、

・「ぐふっ、」

息が戻った後には腹部に激痛が走る。


・「はぁはぁ……」

フラフラと横腹を押えながら立ち上がる楽羅。

・「おいおい、大丈夫かぁ?多分肋骨いったろ?」


・「ぜっ、全然問題ねぇ……ははっ、楽しくなってきた。……こんなに気分が良いのは初めてだ。」

呼吸を荒くしながらそう言った楽羅は、

パンッ!

いきなり頭上で手を叩いた。

 

・「(ん?なんだ?)」

警戒する茜。


パンッ。

パンッ!

パンッ!!

パンッ!!!

その音はどんどん大きくなる。だが音の鳴る間隔はメトロノームのように一定であった。

 

・「遊ぼうぜ、茜。」

・「??(何がくる?)」


 

・「音樂(タイミング)


 

楽羅は茜に飛びかかる。

・「はっ!何するんか知らねぇけどまたぶっ飛ばしてやるよ!!!」

茜はまたしてもカウンターを合わせようとした。

 

だが楽羅はそのカウンターを読んでいた。そして茜の拳に自分の拳をぶつける。

 

ドゥーン。

変な音と共に2人の拳と拳の間の空間が揺れる。

 

すると、なんと拳と拳の威力は同じになり相殺しあったのだ。

・「(くそ!なんだ今の感覚は?気持ち悪ぃ。)」

 

茜は戸惑いながらも次から次へと拳を繰り出す。

ドゥーン。

ドゥーン。

ドゥーン。


だが何故か攻撃は全て相殺されていく。

・「(くそっ。俺の力の方が強いはずなのに、何故だこの出し切れない感じは……なら。)いいぜ!!!本気だぁあ!!!」

茜は最大の力で思いっきり殴りかかった。

それを待ってたかのように楽羅はニヤリと笑う。


・「ドンピシャだ。」


ドゴーン!!!!!

楽羅と茜の拳がぶつかり合う。


空気が裂けるような衝撃音と共に宙を舞っていたのは茜の体だった。


ドサッ!

茜は地面に背中をつけて倒れた。



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