18話 春の花
・「隊長!!!!竜胆隊長!!大丈夫ですか!!」
部下の1人が竜胆の元に駆け寄ってきた。
・「ああ。何とかな。さすが「乱雑なオモチャ箱」のボスなだけある。手強かった。」
・「そうですね。……ですがもう他の仲間達は拘束してあります!」
・「ありがとう。はじめ。」
【筧 はじめ】竜胆の隊の副隊長である。
・「それよりあの子は?早く手当をしないと、」
竜胆は楽羅の心配をしていた。
・「はい。応急処置は既に済んでいます。ですがまだ安全とは言えません。」
・「そうか……ならばうちに連れていこう。桜に連絡を。」
・「もうすでに。」
・「よし、急ごう。」
・「おい!お前ら暴れんじゃねえ!!!」
・「ボス!!ボス!!」
竜胆の部下が気絶したチグハグとその仲間達を連行する。
カジノの下にはたくさんの真っ黒なパトカーがとまっており、チグハグ達はそれに乗せられて連れていかれた。
・「ん?ここは……」
楽羅は目を覚ました。
最初に見えたのは知らない天井だった。
茶色の立派な梁が見える。
楽羅は布団に寝ていた。
・「よぉ!あんちゃん。気づいたか?」
楽羅が声のする方に振り向くと、そこには縁側に座った竜胆がいた。
・「あんたは、」
・「俺は竜胆 蘭丸。あんちゃん名前は?」
・「俺は……勘解由 楽羅。」
・「楽羅か!よろしくな!」
・「よろしくお願いします?……これは竜胆さんが?」
楽羅は体を起こして、包帯が巻かれた腹部を見ながら聞いた。
・「ああそうだ。うちの部隊がな。」
そこに、
・「あら?起きたの?」
綺麗な顔立ちで着物が似合う女性がやってきた。
・「俺の妻の桜だ。その手当も妻がやってくれたんだ。」
竜胆は桜を紹介しながら言った。
・「あ、ありがとうございます。」
楽羅はまだ戸惑った様子でお礼を言う。
・「それにしても危なかったのよ。傷がすごく深かったんだから。助かってよかったわ。」
・「あれはやばかったな!でも桜なら大丈夫だろ!……楽羅すげーだろ?うちの妻の「慰めのCUBE」の力は。」
桜の腕にCUBEの付いた数珠が見える。
【竜胆 桜】竜胆蘭丸の妻。慰めのCUBEを持ち、怪我の治癒を得意とする。
・「CUBE……竜胆さんもCUBEを?」
・「ああ。俺もCUBE持ちだ。ほれっ、」
竜胆は足首を見せた。足首には桜とはまた変わった形のCUBEの数珠が付いていた。
そんな話をしていると……
ドタドタドタドタドタドタッ!!!!
なんだか慌ただしい足音が聞こえてくる。
その足音がだんだんと近づいてきて、
・「勘解由くんっ!!!!」
なんと現れたのは小春だった。
・「小春?」
小春は現れるやいなや、
・「ん!」
楽羅の唇にキスをした。
・「おー。アツアツだねぇ。おふたりさん。」
竜胆はパチパチと拍手をした。
・「ぱはぁっ!おい小春いきなり何しやがる!!!」
楽羅は顔を真っ赤にしながら言った。
・「だって勘解由くんが大怪我してるって……ってあれ?」
・「そうだよ!!!もう手当は済んでんだよ!!!」
・「あっ、ほんとだ。殆ど治ってる……。」
・「いったいなんて聞いて来たんだよ!!」
・「いや、カジノですごい騒ぎを見つけて、様子を見ていたら周りの人が下品な笑い声でギャンブルしてた兄ちゃんがいきなり喧嘩を始めたって。……もしかしたらって思ってた時に勘解由くんが黒い車に乗せられているのが見えて……。」
・「はぁ、それですっ飛んで来たわけかよ。ってか下品な笑い声で俺を想像すんなよな。」
・「うふふ。お転婆な娘。小春ちゃんって言うの?大丈夫よ私がしっかりと治療しておいたから。」
桜が小春の頭をポンポンと撫でながら言った。
・「あ、ありがとうございます!!私、袴の方達にここまで連れて来て貰ってそしたら勘解由くんが寝込んでるって、早く治さなきゃって……」
・「分かってるわ。」
桜はニコっと小春に微笑んだ。
桜は小春のブレスレットを見て小春がCUBE持ちなことも、治癒の能力を使っていた事も気づいていた。
すると次は……
・「おーい、小春ー。先に行くなよな。ちゃんとお邪魔しますはしろよな。」
茜だった。茜が姿を見せる。
・「なんだ、元気そうじゃん。……あっ、どうも。乱獅子 茜と言います。お邪魔さして貰ってます。」
茜は丁寧に竜胆と桜に挨拶をした。
・「茜まで。お前らぞろぞろと……」
・「あ?わざわざ心配して来てやったんだろぉ?」
・「誰が心配してくれって頼んだよぉ?」
・「はいはい。他人の家まで来て喧嘩しないの。」
楽羅と茜の言い合いを小春が宥める。
・「はっはっはっ!!!おめぇさん達おもろいな!!」
竜胆は大笑いしていた。
3人はキョトンとした顔で竜胆を見た。
・「おめぇさん達この国に来たばっかりだろ?3人共見ねぇ顔だ。なんかの縁だ今日はもう遅い。泊まっていけ。」
・「えっ、でも……」
小春が遠慮した顔をする。
・「いいのよ。温かいお風呂も沸かしてあるから。」
桜の優しい声。
・「そうだ!とりあえず飯食って、風呂入ってだ!!それから色々と説明してやるから。」
竜胆の元気な声。
3人はここに泊まらせてもらうことにした。
楽羅は立ち上がり縁側へと出る。
・「うぉ〜。」
そこで初めて気づいた。ここがすごく大きな平屋だということに。広い庭に、沢山の人々が出入りをしている。家というよりまるで屋敷であった。
1時間後。
・「ご馳走様でした。とても美味しかったです。」
小春が食べ終わった後の食器を持って桜のいる台所までやってくる。
・「あら、良かったわ。……それじゃあ小春ちゃん。次はお風呂に行きましょ。」
・「えっ、一緒にですか……」
・「何言ってんの、女の子どうしじゃない。」
戸惑う小春の背中を押しながら桜はお風呂場へと連れていった。
スッ…
着物を脱ぐ桜の姿。
・「(すごく綺麗……)」
小春は桜のうなじに見とれていた。
ガラガラ……
脱衣場の扉を開ける。
・「うわー!」
そこは大きな露天風呂だった。
小春は感動していた。
・「ささっ、入りましょ。私が背中流してあげる。」
チャポン……
小春と桜は肩を並べてお風呂に浸かった。
・「ねぇ、小春ちゃんは楽羅くんのことが好きなの?」
・「えっ!いや、そんなこと……」
・「うふふ。隠さなくてもいいじゃない。」
・「別に隠してる訳じゃ……」
2人はたわいもないガールズトークに花を咲かせていた。
・「小春ちゃん。小春っていい名前だね。」
・「そうですか?ありがとうございます。」
・「私も桜って春の花だからなんだか親近感湧いちゃう。」
・「確かに。そうですね。」
・「これから仲良くしましょ。」
・「はい、ぜひ。」
・「じゃあ上がりましょっか。」
2人は風呂から上がった。
その後。
ススス……
小春は部屋の襖を開ける。
そこには楽羅、茜、竜胆が集まっていた。
・「おっ来たか!!風呂は気持ち良かったか?」
・「はい。とっても。」
浴衣姿の小春。
濡れた髪をタオルで拭いている。
首筋にツーと水滴が伝う。
楽羅は小春のその姿を見て少しドキッとした。
だが楽羅はすぐに目を逸らした。
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