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感情CUBE  作者: 刻咲 造花
15/27

15話 主人公


 

・「よっこらせっ!!!」

チグハグの大きなハンマーが頭上から落ちてくる。


ヒラッ……

楽羅はそれを難なくかわす。

ドゴンッ!!!

相手をとらえられなかったハンマーが床にめり込む。床には大きなひび割れができた。

・「うおっ!それ貰ったらやばいな。」


チグハグの攻撃は止まらない。

・「えいっ。」

次はなんとハンマーの頭の部分で突き刺してきたのだ。


・「おいおい、何だその使い方はっ、」

楽羅は後ろへと大きく飛ぶようにさがり、

スッ……

ギリギリでかわした。

と思っていたのだが、


・「マジかよ!」


ビュンッ!!!

気づくとハンマーが顔の目の前に。

楽羅は咄嗟に両腕で顔を守った。


グシャッ……

骨の軋む鈍い音と共に、

ガンッ!

楽羅は背中から壁に激突した。


チグハグはハンマーで突きを行なった後に、その勢いのままハンマーから手を離した。

ハンマーはかわしたはずの楽羅を更に追いかける形になり楽羅の右腕に直撃したのだった。


立ち上がる楽羅。

・「痛ってぇなぁ。(くそっ。右腕は折れてんなこれ。)」

右腕はだらんとして動かない。

 

・「あはっ!手からすっぽ抜けちゃった!」

そう言いながら無邪気にハンマーを拾いに行くチグハグ。


・「すっぽ抜けちゃったって、意識してねぇってとこがタチ悪ぃな。」

・「ホントだよー。困った困った。」

・「だが、運要素もあっておもろいじゃねぇか。お前が邪魔したからギャンブルやり足りて無かったんだわ。(今ならいけそうだな。でも片手でいけるか……)」

楽羅は左手を見つめる。


・「おら!行くぜ!!!」

楽羅は走る。

・「そう来なくっちゃ!!」

 

ブゥンッ!!!

チグハグは突進してくる楽羅に合わせてハンマーでスイングする。


ザーッ!!

楽羅はスライディングするようにそれをかわす。

・「うぉ!」

顔面スレスレだった。

 

瞬時に後ろに回り込む楽羅。

・「後ろとったぜ!!」

背後から狙う。


だがチグハグはスイングの空ぶった勢いのまま遠心力を使い、回転しながら攻撃してきた。

ブゥンッ!!


・「そう来ると思ったぜ!!!」

楽羅はチグハグの攻撃を上手く読み切っていた。

スカッ……

上半身を仰け反らせてハンマーをかわす。


・「おっとっと。」

チグハグはかわされたハンマーの重みで体をよろけさせた。


・「(ここだ!)」

楽羅はチグハグの背後に飛びつき、


・「半拍衝(はんクラップ)


左の手のひらで背中を叩いた。

バチーンッ!!!

破裂音のような音と共に衝撃波がチグハグの体内へと伝っていく。


・「ぐふっ、」

チグハグは口から血を流した。

だが倒れることはなくその場に立ったままだった。


・「えへへ。」

チグハグは口に付いた血を手で拭いながら笑った。


・「ちっ、思い付きでやってみたが威力はイマイチだったか。」

・「面白い攻撃。又はオイラには通じないよー。君っちけっこーやるけどもうそろそろ終わらせちゃうね。」

・「はっ!口から血吐きながら言われても説得力ねぇっつうのお!!!」

楽羅はチグハグに向かって走る。


ビュン!!!

チグハグは向かって来る楽羅にハンマーを投げた。

大きなハンマーが楽羅の視界を遮る。


・「おいおい!ランダム要素の癖に芸がねぇなぁ!!!」

楽羅は軽々ハンマーをかわした。

そして勢いよく相手に突っ込む。

だが、


キラッ!


・「は?」


何故だかチグハグは長い刃物を持っていた。

・「マジかよっ、クソ、止まれん……」


グサッ!!!!



ポタポタッ……

楽羅の腹部には刃物が貫通していた。そこから滴る楽羅の血液。


それは仕込ナイフだった。

チグハグのハンマーは柄の部分が取り外し可能になっており、チグハグはハンマーを投げると同時にナイフを引き抜いていたのだ。


ズシャッ……

チグハグは楽羅の腹部からナイフを引き抜く。

・「うっ、」

楽羅はお腹を抑えながら膝をついた。

・「仕…込ナイフかよ……汚ぇ……」


・「汚い?戦いに綺麗も汚いもないでしょ。」

・「くそっ、」

楽羅は意識が朦朧としていた。

それを見下ろすチグハグ。


 

・「ねぇ、君はさー。勝てると思ってたでしょ?勝って当たり前だと。だってオイラ初狩りって言ったもんね。……お前自分のこと主人公だとでも思ってる?どうせオイラのことRPGで出てくるような最初の噛ませ犬の雑魚敵だとでも思ってたんでしょ。物語の始まりってチュートリアルがつきものだものね。あはっ!現実はそうはいかいみたいだったね。」

・「……………はぁはぁはぁ、」

楽羅は呼吸を荒くして話すことができない。

 

すると……


・「ボス!!」

突然知らない声が聞こえてきた。

 

・「もぉ〜探しましたよ。いつも独りで行っちゃうんだから。こんな所にいたんですね。」

そこには、チンピラなような見た目をした奴らが5、6人いた。

おそらくこのチンピラ達はチグハグの仲間なのだろう。そしてそのチンピラ達にチグハグはボスと呼ばれていた。


・「えへへ。」

チグハグは仲間達を見て笑った。

・「えへへじゃないですよー。まーた独りでやっちゃたんですか?ソイツは。危ないからみんなでやりましょうって言ってたじゃないですか。もぉ、シャタードさんもどっかに行くし。」

・「まあまあ落ち着いてよ。今終わったところだから。」


 

チグハグは楽羅の方を振り向き。

・「お前は物語の主人公なんかじゃない。こうやって呆気なく命を落とすんだ。すなわちおやすみ。」

 

そう言って長いナイフを振り上げ、

グンッ!!!

楽羅の首を目掛けて振り下ろす。


 

ガキンッ!!!!!


 

響き渡る金属音。

 

・「何だ!!!!」

チグハグのナイフが遮られた。

なんとそこには見知らぬ男が楽羅を守るように立っていた。男の手には刀が。


交差する、男の刀とチグハグの長いナイフ。

・「やっと尻尾見せたなぁ!チグハグぅ!!!!」


男は袴のような服を着て腰に刀の鞘をぶら下げている。


 

・「おらぁあ!!!!!お前ら動くなぁ!!!!」

すると次は怒号と共に同じ袴を着た十数人の男達がゾロゾロとフロアへと入ってきた。

・「もうここは包囲されてんだよ!!!」


・「ちぇっ、」

チグハグはナイフを下げ仲間の元に引き下がる。



ドサッ……

膝をついていた楽羅が前のめりに倒れた。

・「おいっ!あんちゃん!大丈夫か!しっかりしろ!!」


助けてくれた男の足元に楽羅の血が広がっていく。



読んで頂きありがとうございます!!

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これからも作品をよろしくお願いいたします!!

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