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LOG.4 — ミカ女王様 ー The Queen Mika

——実話。

俺と、現役モデルと、不倫と…。


こんな人生で、マトモは無理。


たった一度の出会いで、人生が壊れた。


これは、その記録。

————






バーで別れたその夜。

代行が運転する車の中で、

俺はずっとスマホを握りしめていた。



『さっきはありがとうございました』

と送った。





既読はつかない。

たぶん今日、返信は来ない。


そう思いながら風呂に入り、

ベッドに倒れ込み

気絶するように眠った。






ーーー






翌朝、スマホが震えた。


ミカからのLINEだった。





ミカ

『昨日はありがとうございました!』

『飲みすぎて顔むくむくです笑』

『シンさん…記憶ありますか?』





ゼロ秒既読で返信した。





シン

『ありますあります!』

『俺…緊張しすぎて…』

『すみません…』



嘘!

調子に乗って、

呑みすぎたから記憶無い!


すぐに返事が来た。






ミカ

『いいのいいの〜』

『アタシも酔ってたし笑』

『それより、お店ってどんな感じ?』

『撮影の前に遊び行きたい!』





来た。

“あの軽さの甘い誘惑”

がLINEでも炸裂している。





シン

『え、見に来るんですか?』

『全然いいですよ!』





いやホントは、全然、よくない。

今にも心臓が爆発しそうだ。



マスターへの罪悪感も相まって。






ミカ

『わーい!行きたい行きたい!』

『もちろんお金払うよ?』

『お客さんとして行ってもいい〜?』



シン

『いや無料で大丈夫です!』

『モデルしてくれるんだから……!』



ミカ

『じゃあ…』

『お客さんとして行くのはナシね?』

『フフ、じゃあ普通に遊びに行く♡』






この“遊びに行く”の一言で、

胸の奥がキュッと掴まれた。








ーーー








ミカはラインのあと、

本当に店に来た。






ミカ

「あぅ~背中気持ちいい~…」





シン

「めっちゃ固いね。」

「スマホ触りすぎですよ」







最初は整体しながら、

軽い雑談だったのに、

ふいに恋バナへと流れた。







ミカ

「ねぇ、シンさんって…」

「なんで彼女いないの?」

「こんなに優しいのに〜」





シン

「まぁ……」

「なんでですかね…」







ミカはうつ伏せのまま、

足をパタパタさせながら言った。







ミカ

「アタシさ〜」

「彼氏いらないんだよね〜」






シン

「え、なんで?」






ミカ

「だって彼氏ってさぁ」

「自由が無くなるじゃん。」

「束縛されたり、色々面倒でしょ?」

「形式ばった あの関係値がイヤなのよ。」

「だから彼氏になろうとする人は嫌い。」






シン

「まぁ…確かに……」







ミカ

「アタシは“犬”がほしいの!」







シン

「……犬?」

「犬って犬?」






ミカ

「犬!わんちゃん!」

「ペットじゃなくて人間のわんちゃん!」

「言うことなんでも聞いてくれる…」

「アタシだけのわんちゃん♡」

「束縛しないし。」

「裏切らないし。」

「甘えてくれるし……。」

「そんな、わんちゃんと暮らしたいの。」







シン

「そ、そうなんだ……?」







ミカ...お前まだ酔っ払ってんのか?







ミカ

「ミカのわんちゃん……」

「どっかにいないかなぁ〜♡」







わざとらしく言う。


その言い方はどこか寂しげで、

でも期待してるようにも見えた。








ーーー









施術が終わると、

ミカは気持ちよさそうに伸びをした。







ミカ

「めっちゃ肩スッキリした〜!」

「ありがとうシンさん〜!」






シン

「い、いえ……!」






ミカ

「またLINEするね?」

「無視しないでよ?」

「すぐ返信してね?」







シン

「うん、すぐに返すよ」







ミカ

「……違うでしょ?」






急に不安そうな顔を見せるミカ。








シン

「え?」








ミカ

「“わん” は?♡」








目が無くなるくらい、

満面の笑みで聞いてくる。


ミカの八重歯が可愛い。







でもな…そんな甘くねーぞ俺は。


ガキが…舐めんじゃねーぞ…!


大の男が5個年下の小娘に

"わん" なんて言うもんか!


女にペコペコするぐれーなら

死んだ方がマシだ…!


俺様は絶対に、わん なんて、





シン

「わん」








成人男性、人生初の "わん"








ミカ

「フフッ♡ よし。」








そう言って、

出口へ振り返ってドアの方へ向かう。





その背中を見送りながら、


いいケツしてんなぁ…と、


ミカが美味しそうすぎて、

心でヨダレを垂らしていた。









ところが、




ドアの前でふいにミカが、

またこちらへ振り返った。







ミカ

「……あっ!」







なにかを思い出したように、

目を丸くして、

てててっと小走りで戻ってきた。


そのまま俺の胸にふわっと抱きつく。







シン

「…っ!」




ミカ

「胸板もふもふ〜♡」

「……これ、好き〜」






ベンチプレスばっかやってるから

胸板だけは自慢の胸板だ。






と、いうか…!

やっぱ、ミカって…!

いい匂い…!


"ミカの香り"

で柔軟剤 販売してほしい…!


メーカー希望小売価格

"2億"とかでも買う...!






ミカ

「落ち着く~…」






数秒だけ抱きついて、

満足したように離れる。






ミカ

「じゃ、またLINEするね。」

「わんちゃん、すぐ返してね?」






シン

「うん。あ、わん…。」






ミカ

「よし♡ またね〜」






ミカが

ドアを開けて出ていく瞬間、

胸がズキンと痛んだ。



その日から、

俺の理性と性癖は確実に壊れ始めた。


"ミカの犬"として

教育されていくことになる。


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