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LOG.3 — 完璧美少女 ー Perfect Girl

——実話。

俺と、現役モデルと、不倫と…。


こんな人生で、マトモは無理。


たった一度の出会いで、人生が壊れた。


これは、その記録。

————





マスターのスマホが震えて通知音が鳴る。


そのたびに、

俺はビクッと肩を跳ねさせた。


楽しみすぎて完全に挙動不審だった。




マスター

「お、ミカ来るってさ。」

「もうすぐ着くらしいぞ。」




シン

「今から!?」

「平日の夜11時だぜ!?」




マスター

「そこで飲んでて、今解散したらしい」

「ナイスタイミングだったな」







やばい。

どうしよう。

本当に来るのか、あんな美人が。


緊張で麦焼酎が生きてるみたいに震える。

氷がカラカラ鳴って恥ずかしい。





店の外、ドアの向こうから


ハイヒールの

“コツ、コツ、コツ”

という音が近づいてくる。





そして


彼女がバーのドアを開けた瞬間、

店の空気が、変わった。







ーーー






黒ワンピのシルエットが完璧で、


スラッと伸びた脚と

スラッと伸びた長い茶髪が


反則級に綺麗で、


155cmと小柄なのに八頭身のスタイル。


猫みたいな可愛い目をしていて、

目は笑ってないのに口だけ微笑んでいる。


少し色黒でラテン系美人。


黒い宝石だった。






いろいろ破壊力が強すぎて、

俺は最初の一言すら出てこなかった。






シン

「あ…あぁ、あの!」






あまりの動揺っぷりに

小さくクスッと笑うミカ。






ミカ

「こんばんは。」

「お隣、しつれい。」






ミカはカウンターで横並びに

俺の横に座ると

フワッといい香りがただよった



何の香りでもない、"ミカの香り"


この"ミカの香り"が

俺は大好きだった。


これが"フェロモン"ってやつかもな!






ミカ

「マスター、こんばんわ。いつもの。」






マスター

「ありがとなミカ、きてくれて」

「こいつ、LINEで説明したやつ、シン。」






そう言いながら

シャンディガフを出すマスター。






ミカ

「はじめまして、ミカです。」

「お店広告のモデル…」

「私でよかったんですか?」






小さくチンッと乾杯をする。



なんだか、

都内の一流キャバクラにきた気分だ。


油断すると

”テキーラ観覧車” を注文しちまいそうだ。






シン

「よ、よかったっすよ……」

「むしろすみません……」

「めちゃくちゃ緊張して……」




ミカ

「え、なんで謝るの?」

「フフ……さっきから固すぎですよ!」

「アタシ、

 インスタの撮影って初めてだからさ。」

「アタシって何すればいいの?」

「セリフとかいるの?」




シン

「あ、えっと…」






ミカ

「ねーってば!」

「なんでそんな緊張してるんですか~?」

「アタシ、整体受けれるの?」

「グリグリして貰えるの?」






こっちが緊張していたからか

少し明るく振舞ってくれるミカ。


正直、かなり助かった。



というか緊張してる理由、わかってるだろ。





シン

「いや実際には整体しないよ!?」

「あの!お店の…!宣伝の…!」

「動画を…!その…!お願いを…!」




ミカ

「あは! そっか!そっか!」

「もう!落ち着きなってば!」

「でもさぁ…撮影とは別で

 実際に整体受けてみたいんだけど〜。」

「シンさんの整体ってどんな感じなの?」




シン

「え、店!?来るの!?」

「いやいやいやそんな……」

「来たら死ぬって俺が……!」






ミカがクスクス笑いながら、

横から覗き込むように顔を寄せてくる。


距離が近い。反則だ。






ミカ

「だって気になるじゃん。」

「アタシ実際に肩こりあるし。」

「行っていいの〜?」




シン

「ま、待て待て待て、心の準備が……!」






マスターが正面から突っ込む。






マスター

「お前に心の準備とかあるんだな?」






シン

「うっせぇな!」

「繊細なんだよ俺は......!」






ミカはそのやり取りを見て口元だけで笑う。

目は完全に笑っていない。






ミカ

「じゃあさ、場所教えて?」

「LINE交換しよ〜?」






まるで

“コンビニ寄る?”

くらいの軽さ。


これが魔性。






マスター

「ミカちゃん!」

「やめとけ!!こいつは手が早い!!」

「ダメったらダメ!」

「ライン交換したなんて知られたら…」

「事務所に何言われるか分かんねーよ!」






ミカ

「え〜じゃあやめる〜」






マスター

「あくまで…」

「"ビジネス"として繋げただけだ!」

「事務所に誤解されないようにしてくれ!」

「簡単な広告のみOK貰ってるからよ。」

「シンの店行くなら普通に予約してくれ。」




シン

「そ、そうそう…」

「ビジネス、ビジネス…」






俺は真正面を向いて

平静を装ったが、

横に座ってるミカには丸見え。


相変わらず、

俺の麦焼酎には生命が宿っている。


氷がカラカラうるさい...。





ミカの視線が、

横からすっと刺さる。


そのまま口角がゆっくり上がる。




完全に、お見通しの、ニヤリ。




ミカ

「ねぇ~。」

「ほんとに行ってみたいんだけど〜」

「どこから予約すればいいの〜?」

「なんで個人LINEはダメなの~?」



わざとらしく困ったポーズをするミカ。







マスター

「シン、ダメだぞ?」

「モデルだけって言ったろ?」

「変な気を起こすなよ?」





シン

「わかってるよ……約束は守る……」






マスター

「ミカ。撮影だけにしてくれ。」

「整体は、予約を使う。」

「個人LINEは、しない。」

「な? 頼むぞ?」






ミカ

「ふぅん…。」






ミカはカウンターに頬杖をつき、

視線をそらしながら、

少し不機嫌そうに唇を尖らせた。


その仕草が妙に愛おしくて、胸がざわつく。






マスター

「ミカ、ポテトか何か つまむか?」




ミカ

「ん? あぁ~…」

「どーしよっかな、お腹は空いてるなぁ」






ミカは、会話しながら

マスターには見えない角度で、

俺の足をコツンと当てた。




次に太ももをスッと撫でる。

完全に“死角”を理解した動き。




そのまま、

俺の膝の上にスマホを置き、


カウンター下の影で

LINEのQRコードを開いた。




ご丁寧にメニュー表を見るフリして

”メニュー表バリア”で隠している。


あまりにも、手慣れていた。





え?と嬉しそうな俺を見て、


ミカは小首をコテンと傾け、



「よかったね?」

と言いたげな可愛い顔を向けてきた。




震える指で、

QRを読み取り友達追加した。


心臓の奥が

“ズキン”と掴まれたようになった。







ーーー







ミカ

「じゃあ今度、」

「“インスタの撮影で”お店に行くからね〜」

「シンさん、楽しみにしてて?」




マスター

「シン、連絡は予約を通せよ!」

「個人でやり取りするなよ!」

「いいな!?」




何かをジュージュー焼きながら

マスターが怒鳴る。





シン

「わかってるよ……。」






マスターごめん……。


もう、無理だった。


俺は完全に落ちていた。


そして ここからも

ミカとずっと呑んでたが


呑みすぎて記憶が見事に飛んだ。





そして後日、


さらにミカの世界に

引きずりこまれることになる。

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