LOG.24 ーゆりかごから墓場までー Cradle
——実話。
俺と、現役モデルと、不倫と…。
こんな人生で、マトモは無理。
たった一度の出会いで、人生が壊れた。
これは、その記録。
————
ミカは、
次々と服を脱ぎ捨てながら、
ベッドの上でゴロゴロ転がっていた。
全裸のまま、退屈そうに。
ミカ
「あー……でもなぁ…。」
「退屈だなぁ。なーんか つまんない…。」
「アンタ今回、余裕そうねぇ……?」
挑発とも、
観察ともつかない声。
俺は、
バスローブに着替えながら
つい口が滑った。
シン
「退屈?」
「今日はYouTube見ないの?」
「また俺の上で見なよ。」
ミカの動きがぴたりと止まる。
寝転んで頬杖をついたまま、
冷たい視線だけがこちらを射抜く。
ミカ
「はぁ…?」
「 なに? アタシに命令してんの?」
「アンタ……変わったね?」
シン
「いや、違うよ。命令とかじゃなくて……」
ミカ
「黙ってワンワン鳴いてなさいよ。」
「それとも犬、やめたいの?」
そう言うとミカは
ベッドの真ん中で手を広げた。
ミカ
「そっかぁ…。」
「はい、おいで?」
「嫌になったんだね、ワンちゃん。」
「ほら、おいで。」
「ダメにしてあげるから。」
甘い。
残酷で、優しくて、甘い。
俺は驚くほど素直に、
その隣へ身体を差し出していた。
ミカ
「はーい、いい子ね……」
頭を撫でられる。
ゆっくり、ゆっくりと。
ミカの指に触れられると、
心臓で
「ただいま」
と音が鳴るみたいだった。
シン
「ミカ……」
「やっぱ近くで見るとさ、」
「めちゃくちゃ綺麗だな。」
ミカ
「そんなこと、思ってないくせに。」
一瞬、
レプリカ達と同じ反応だな……
と思ったが、
本家ミカ様は
その先が違った。
ミカ
「キレイだけじゃないでしょ?」
「ミカは完璧。」
「“キレイ”だけじゃないの、ミカは。」
「他の女と同じ褒め方しないで。」
「わかった?」
「 ミカはキレイで完璧。覚えて?」
そう言って、
俺の鼻先を指でツンと弾いた。
痺れるぜミカ…!
あぁ、やっぱり、
本家ミカは別格だ…!
ーーー
そんな俺の感動を無視するように、
ミカは急に、
目をシパシパさせ始めた。
シン
「あれ…?」
「ミカ、眠い?」
ミカ
「うっさい。撮影で疲れたの。」
シン
「寝なよ。」
怒られる覚悟で、
そっとミカの身体を抱き寄せた。
拒否されると思っていた。
……けど違った。
ミカは
少しだけ体重を預けてきた。
ミカ
「……もっと、髪の毛触って。」
俺は猫の毛づくろいみたいに、
静かに、優しく髪を撫でた。
"ミカの香り"が近い。
寝息が、
スースーと優しく部屋に響く。
気づけば俺にも睡魔が降りてきて、
そのままふたりで眠ってしまった。
ーーー
しばらくして、
ミカがガバッと起きた。
ミカ
「えっ!? 今何時!?」
夕方に入った部屋は、
すでに夜の空気になっていた。
時計は21時。
ミカ
「やばい帰らないと!」
ミカは慌てて服を着る。
ミカ
「ちょっと! シン! 早く!」
シン
「ちょ、ちょ、ちょ、」
俺も急いで服を着た。
そして大慌てでホテルを出たあと、
俺が発した“たった一言”が、
このあと俺に
最後の地獄を見せることになる。




