LOG.23 ー 不倫の神様 ー GOD of Mika
——実話。
俺と、現役モデルと、不倫と…。
こんな人生で、マトモは無理。
たった一度の出会いで、人生が壊れた。
これは、その記録。
————
フォレストの駐車場に
車を滑り込ませた瞬間、
胸の奥がじんわり熱くなった。
他人に全く興味のない俺が、
こんなに人を好きになるのは初めてだった。
ーーー
部屋に入るとミカは、
薄明かりの窓際の椅子に、
服を着たまま静かに座っていた。
黒いワンピに薄い白の上着。
黒のワンピは
ミカの正装であり戦闘服。
脚を組んで、頬杖をつきながら、
退屈そうに俺を待っていた。
ミカ
「久しぶり。」
そう言ったミカの顔は、
相変わらず世界一美しくて、
ホテルの部屋の中の
空気が止まる感覚があった。
だが、その次に返ってきた言葉は
ミカ
「先に言っとくけど、今日はしないからね。」
「お別れを言いたかっただけ。」
シン
「えっ」
ミカレプリカだったら無理矢理にでも抱いた。
拒否されても関係なく押し倒した。
それが俺が"選ぶ側" だからだ。
だけど、
"本家ミカ"は別だ。
光の強さが違う。
存在の鋭さも、空気の密度も違う。
ミカだけは、
ずっと特別で、ずっと“神”だった。
俺が、唯一、服従、してしまう相手。
不倫では 到底味わえない、
スリル満点の完璧美少女。
まさしく、
"たくさん不倫で抱いた女の中でもダントツ神"
他のレプリカとの不倫とは
比べるだけ失礼なレベルで圧倒的な美貌だった。
ミカこそ、"不倫の神様" なんだ。
ミカ様が
”頂点の女”であることを再認識した。
ミカ
「彼氏いなかったら、してたけどね。」
「アタシ、彼氏いるからさ。」
「ま、今日はゴロゴロしよ。ね?」
そう言ってミカは、
立ち上がって、ん~!っと伸びをした。
……彼氏。
その言葉ひとつで、
心臓をギュッと掴まれたみたいに嫉妬が走った。
体全身に 硫酸 ぶっかけられたような感覚だった。
顔に出たらしく、ミカがすぐに笑った。
ミカ
「ぷ!あはは!わっかりやすい!」
「あ、触らないでね!」
「触ったらもう会わないし。」
「彼氏にも事務所にも言うよ?」
「『無理やりでした』って。」
「ふふ…。」
嬉しそうだなミカ。
でも、これが、ミカだ。
このわがままも、自由さも、
愛情の形が歪んでるところも、
ひとつ残らず“本家ミカ”。
そして変わってないことに、
俺は逆に安心した。
ミカ
「………。」
急に、なにやら考えこむミカ。
嫌な予感はしている。
イジワルな時のミカの悩み方だ。
ミカ
「………。」
ミカは顎を触った推理ポーズのまま、
視線を落とし、しばらく黙った。
ミカ
「やっぱ それじゃつまんないか……。」
そう呟いて、
ミカはゆっくり白い上着に手をかけた。
薄手の上着を、
肩から滑らせるみたいに脱ぐ。
彫刻のように完成された体が、
ホテルの薄暗い照明に照らされ、
美しくコントラストされる。
ミカ
「アタシから触るのはアリね。」
「わんちゃん、
今度こそ期待を裏切らないでね?」
「ちゃんと我慢して?」
「 ……できるでしょ?」
シン
「わん。」
ミカの笑顔は、
俺を壊す天使みたいだった。
俺はまた、
ミカへ戻ってきてしまった。
ミカ様の、仰せの、ままに。




