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LOG.17 ー 2ヶ月愛人契約 ー Two Months

——実話。

俺と、現役モデルと、不倫と…。


こんな人生で、マトモは無理。


たった一度の出会いで、人生が壊れた。


これは、その記録。

————





4号機との出会いは、

事故じゃない。


流れの産物だった。


きっかけは

2号機が通っていた美容室。





俺の店から距離はあったけど、


一度行ったら気に入って、

そこから通うようになった。






ーーー






その美容室で俺はいつも、

髪を茶髪に染めてもらっていた。


仕事がパンパンすぎて

日中は時間が作れない。



だから、特別に

「夜の21:30スタート」

で髪をやってもらっていた。




4号機は雇われの美容師なのに、

そんなワガママに付き合ってくれる、

珍しく融通の効く人だった。







身長は160くらい。

顔はカワウソっぽい可愛さ。

金と黒が混ざったショートボブ。



そして、たわわ。


特に深い意味はないが、

アルファベットで言うと F だ。


うむ。“たわわ” だ。






ーーー







髪を染めながら、


どうでもいいことを

他愛もなく喋っていたある日、

ふと酒の話になった。



俺は反射で、

いつものクセで口走った。






シン

「オススメのバーがあるんすよ」

「バーなのに、コロッケがさ…!」

「やたら美味いんだよ!マジで!」






言った瞬間、胸がズキッとした。




あぁ、そうだ。

しばらく行ってない。


マスターの顔、

見るのが気まずい。




まぁ、

オススメだけして終わるつもりだった。


普通は、そうなる。



だが…

4号機は、普通じゃなかった。






4号機

「え、いいじゃん。」

「行こーよ今度、一緒に」






軽い。

軽すぎる。


一応、

理性の残りカスで抵抗してみる。







シン

「いやいや…」

「4号機さん既婚者じゃないですか」






4号機は、

ケラケラ笑いながら返してきた。






4号機

「なんで?飲むくらいダメ?」

「変なことする気なの?」

「てか旦那、今香港だよ?」








シン

「香港?」








4号機

「うん。海外出張」

「2ヶ月戻ってこないの」

「だから大丈夫。」

「心配かけないよ、旦那には」







その一言で、俺の中で、

カチッと何かが噛み合った。






シン

「……行きますか」






これは仕方ない。

旦那が香港の、たわわ。


断れる男のほうが、レアだと思う。










ーーー









数日後の夜。

俺たちはマスターの店にいた。


カランコロン、とドアを開ける。






シン

「マスター、久しぶり」






5億年ぶりに、

自分の“特等席”に座る。


ミカと出会ったのも、ここだった。






マスター

「おう!待ってたぞ!」

「元気そうで良かったよ!」

「いつもの、でいいのか?」






さすがマスター。

撮影どうだった、とも

ミカ元気か、とも聞かない。


まぁ、当たり前だよな。


ミカ以外の女を連れてきて、

ミカの話なんか出来るわけがない。





そしてこの席に座ると、

ミカ元気かなぁ、と ふと思う…。







シン

「いつもの麦焼酎で。」

「4号機さんは?」









4号機

「じゃあハイボールで」








グラスが並び、氷が鳴る。



どうでもいい会話で笑って、

酒が進んで、

店を出た、

そのあとだった。








4号機

「今日さ」

「実家に子ども預けてきちゃった」

「まさかウチのこと…」

「大人しく帰宅させないよね?」






シン

「俺、帰したいなんて言ったか?」







この頃の俺はもう、

ミカ様に鍛えられすぎていた。


そこらの女の“軽い誘惑”じゃ、

動じなくなっていた。





そのまま、

流れるようにホテルへ。


今回は “たわわ” なので、

一番高い部屋を選んだ。







ーーー








部屋に入るなり、

酔いの勢いも混ざって、

空気が一気に変わった。





距離が詰まるのに

さほど時間はかからなかった。





そして、

俺の“首絞めスキル”を、

4号機にも与えた。




4号機

「……っ、なにこれ……」

「やば……うそ……」






最初は戸惑い半分、好奇心半分。




けれど一線を越えた瞬間、

4号機はあっさりと、

その快感に落ちていった。








ミカ様。


あなたの弟子は、

また一人、地獄へ落としました。





そこから4号機とは…



「旦那が香港にいる2ヶ月だけ」

という条件で、


“愛人契約” みたいな関係になった。




定期的に会う約束をして、

ホテルの日程まで決めてしまった。




一応、2号機にも報告した。






シン

「そういえばさ、」

「 4号機さんとこういう流れでさ……」






2号機

「※※※スターの件も含めて…」

「全部ナイショね?」

「会うなら別日ね」

「普通に恥ずかしいから」






……そりゃそうだ。








その一言で、

完全に住み分けルールが決まった。


•2号機&3号機: 合法パーティ組

•4号機: ホテルデート専用機






シフト分担は完璧だった。


ごっちゃにならないように

Excelでシフト表を作って管理した。






ーーー







それから約1ヶ月後。


いつものように、

夜の21:30から

4号機に髪を染めてもらっていた。




4号機

「ねぇ……」

「この店で、してみたい」




また面倒なことを言い出した。


どうして、

ミカレプリカたちは皆、

強欲になっていくんだろう。



本家ミカは、

もっと、愛おしかったぞ。





とはいえ、空気に飲まれる形で、


俺たちは美容室の

監視カメラの“死角”へ移動した。



シャンプー台の影。

カウンターからも見えない位置。



4号機は上着を脱ぐと、

くるりと振り返って笑った。






4号機

「ね?誰も来ないよ」

「旦那、香港だし」






その瞬間だけは、


確かに

“この世界には俺たちしかいない”

そんなように思えた。







が、






その時だった。







バンッ!!







ありえない勢いで、扉が開いた。






「オラァ!何してんだよ!夜遅くに!!」






4号機の旦那だった。


反射で、

心臓が耳の裏まで跳ね上がる。




香港って、どこだよ…。






あの日、

“2ヶ月愛人契約”の終わりが、

突然やってきた。







そして同時に…


俺は、今回の修羅場で



"不倫の神様"のステータスが、

またひとつ上がることになる。

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