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LOG.14 ー 独りは嫌だ ー Not Alone

——実話。

俺と、現役モデルと、不倫と…。


こんな人生で、マトモは無理。


たった一度の出会いで、人生が壊れた。


これは、その記録。

————








ピリリリリリ




画面に写った番号を見た瞬間、

深い海溝に沈められた気分になった。



それは…

ミカの事務所の番号だった。









シン

「……もしもし」









事務所

『おう。ちょっと確認な。』

『お前さぁ、うちのモデル…』

『連れ回してねぇよな?』







撮影のクルーとは別な人なのか、

はたまた同一人物だが、

怒りで口調が変わってるのか。




分からないが…


とにかく

ピンチなのは変わりない。





シン

「……連れ回してません」







めっちゃ、嘘。


でも、

それ以外の言葉が出てこなかった。






事務所

『そうか。言ったな?』







シン

『……。』







事務所

『 …まぁそれならいい。』

『あいつは大事な商品だからな?』

『頼むぞ。』









通話が切れる。


車内は、

外から聞こえる、

工事の音だけが聞こえていた。

















ガツーン… ガツーン…
















ガガガガ…



















しばらく工事の音を聞いた後、

ミカがぽつりと言った。












ミカ

「……シン」








シン

「ん?」









ミカ

「帰りたくない」

「ミカ、ひとりはイヤ。」









どこか、

ひどく疲れている声だった。









ミカ

「お願い。どっか行こ」









シン

「どっか……って?」








ミカ

「…くっつけるところ。」

「早く。お願い。」








その瞬間、

俺はハンドルを切っていた。


行き先は、

もう決まっていた。









フォレスト。









ーーー









フォレストの部屋に入ると、

ミカはベッドにダイブした。




ミカ

「ここ、落ち着くねぇ……」







ごろごろ転がりながら、

俺と目を合わせず、ミカは言った。






ミカ

「ねぇシン。」

「アタシがどっかいっても…」

「嫌いにならない?」








シン

「ならないよ」









ミカ

「アタシのこと忘れない?」









シン

「忘れない。」







ミカは、

その言葉を飲み込むみたいに

ゆっくりと、目を閉じた。








ーーー








そしてまた、

首を絞めて、心も、身体も、

ひとつになった。










ーーー






結局、

その日は泊まらずに、

22時くらいにホテルを出た。


駐車場で別れるとき、

ミカは窓越しに手を振った。








ミカ

「バイバイ、シン」










さっきまでと、

同じトーンのはずなのに、

なぜか急に遠く聞こえた。








ーーー








家に帰り、

シャワーを浴びて、

ベッドに倒れ込んだとき。





スマホが震えた。





ミカからのLINEだった。












ミカ

『彼氏できたから会えません。』

『LINEも電話も全部消します。』














え?

彼氏いらないって言ってたじゃん。


彼氏じゃなくて

“犬が欲しい”って言ってたじゃん。



何がどうなって、

急に「彼氏できた」になるんだよ。












……でも。


数分時間が経って、

落ち着いて思考したら、

なんとなく分かってきた気がした。



そういうやり方、なのかもな。


多分…

俺以外にも犬は、いる。








「彼氏できたからもう会えません」

「全部消します」






それはミカが…


首輪を外すときの

決まり文句なのかもしれない。




俺は、その一匹だった…かもな。












1人は好きだ。

でも、独りは、嫌だ。



独りは嫌だ。

独りは嫌だ。

独りは嫌だ。



でも、ミカが、いない、のは、

もっと嫌、もっと嫌、絶対に嫌。











ーーー







俺は、ここから…


人妻と

関係を持ち始める。






ミカの代わりを、


永遠に、探し続ける。

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