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華姫奇譚  作者: 葛籠屋 九十九
第4章 異端狩り編
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第27幕 コンビニ

 「ちょっとコンビニ寄ってくる」


 武蔵中心部へ向かう地下駅を探す最中、華姫にはないコンビニがあった。青と黄色のショップに寄ることにした。珈琲を買いたい、ただそれだけで珍しいから物見気分で寄った訳では無い


 「とりあえず2本あれば足りるか」


 ペットボトルのカフェオレを2本選びレジへ持っていく途中琴葉ちゃん達がめっちゃはしゃいでいた


 「ねぇねぇ!これ、よく朝のニュースで紹介してたやつよね!」

 「そうだよね!」

 「おっ!これもだ!おぉー!やっべぇな!」

 「お値段はそれなりじゃねぇ・・・」

 「みんな何はしゃいでんの・・・?」


 会話から察するにこのコンビニのスイーツの話なんだろうけど


 「将鷹も見てみろよ!」

 「引っ張んなって・・・おぉ・・・マジか。これテレビで見て気になってたんだよ」


 どうやら我輩もみんなと同じらしい。アイスコーナーで実物を見るとテンションが上がった。華姫には無いのにやたらと朝のニュース番組でここのスイーツ特集してるからその分の抑圧というか憧れというかそういうのが我輩の心をくすぐり気付けばみんな買い物カゴを持っていた。流石に個別会計は迷惑だしまとめるのを提案しておこう


 「この人数でレジ並ぶと迷惑だから会計まとめるぞ」

 「おっけー!」


 そう言うとみんなが我輩の買い物カゴにどんどんアイスとかを入れていく。後で仕分けが面倒だな!

 とりあえず会計を済ませるとしよう。それにしてもアリサのが多いな。アイス系多いけどお腹壊さないか?大丈夫かな?


 「あざっしたー」


 店員の気怠げな挨拶を背に我輩はコンビニを出て外で待っていたみんなに合流する


 「アイス系早めに食べた方がいいだろな」

 「そうね。ちょうどベンチもある事だし少し休憩も兼ねて食べましょうか」

 「楽しみだねー!」


 とりあえず買った分のアイスやお菓子をみんなに配る。ちなみに流れ的に我輩の奢りみたいな雰囲気みたいだ。まぁこれくらいの出費はどうということは無い、というかアリサのが多い状態だし誤差だ


 「秋に食べるアイスっていうのも悪くないわね。美味しいわ」

 「冬に炬燵で食べるアイスも最高だから今年やってみなよー」


 虎織がそういった後美味しそうにアイスを頬張る。琴葉ちゃんは目を輝かせる。琴葉ちゃんならやってそうだったけどやったことなかったんだ・・・


 「なにその背徳的すぎる楽しみ方!」

 「お風呂でアイスっていうのも乙じゃよー」


 アリサ、それはお兄ちゃん初耳なんだけど・・・お風呂でアイス食べてたの?えっ、アリなのそれ・・・?


 「それも魅力的ね!将鷹!帰ったらお風呂でアイス食べてもいい!?」

 「私もそれやりたーい!」

 「いいんだけどカップアイスにしてくれよ?棒のはすぐ溶けるし」

 「全く、お前ら旅行に来てるんじゃねぇんだぞ?」


 シュークリームで頬が緩んでいる蓮にこう言われてもなんとも思わない・・・!

 というかお前も大概だぞと突っ込みたくなるがやめておこう


 「そういう薬師寺もなんだかんだ楽しんでるじゃない。というかそのシュークリーム美味しそうね」

 「あぁ?これはその、あれだ、糖分補給!とりあえず美味い!」

 「そう。将鷹、買ってきて?」

 「我輩かよー」

 「だってここに寄りたいって貴方が言わなければこうはならなかったのよ?それに今何も持ってないの将鷹だけじゃない」

 「今から珈琲飲んでプリンアイスのパフェ食べようってしてたんだけど・・・」

 「食べる前で良かったわ。よろしくね」


 小悪魔的な笑みを見せこれは引き下がらないなと感じ我輩は再びコンビニへと向かいシュークリームを買い足す


 「兄さんパシリっすか?」


 店員に非常に失礼な質問をされたんだけど・・・


 「まぁそんなとこ」

 「マジっすか。今の時代そんな仰々しい服装してパシリとかウケるッスね!」


 こいつ・・・!店員だから怒らないけど失礼ってもんだろ・・・!


 「家臣かなんか?」

 「そうだな。友達でもあるけど」

 「へぇ。じゃああの中の誰かが偉い人ってわけっスね」


 なんだろうかこの胸騒ぎ。こいつは危険か?背中のガンケースを開くべきか?いや、この場合はハンドガンか


 「サボんな新人。あと客に変な話振ってんじゃないよ。すんませんねお客さん」

 「あっ、いえ、お気になさらず」


 背中に警戒しながら店を出てからみんなに場所を移そうと提案してみた。近くに公園があって助かったな。視界も開けてるしここなら安心してスイーツが楽しめる。

 珈琲を一口飲んでからプリンアイスパフェの蓋を開けた瞬間何かが琴葉ちゃんに向けて飛んできた


 「虎織!」


 虎織と我輩はそれぞれの武器を引き抜き飛んできた物を撃ち落とす。白虎の刀身に火花が走る。鉄か何かを斬ったらしい。そして後ろから虎織の鉄板の様な大剣に当たった音がする


 「パチンコ玉だよ」

 「殺傷能力は低いけど怪我はするだろうな。アリサ、琴葉ちゃんの事よろしく」

 「なぁ、アンタら偉い人なんスよね?ちょっとばかしお金くれねぇっスか?」


 さっきの店員か。異端狩りでは無さそうだしただの強盗だろうな。距離は300mくらいか?


 「今ならさっきの攻撃見なかった事にしてやるからやめとけ」

 「そんなんで目の前に居るカモを逃せる訳ないっしょ!」

 「はぁ・・・めんどくさ。アイス溶けるしすぐに終わらせるか」


 脚に力を込めて一瞬で距離を詰める。普通に走れば40秒はかかる距離だろうけど魔術師にとっては一瞬の距離だ


 「きっちり受け身とれよ」

 「は?」


 呆けている店員を蹴り飛ばす。数m飛んだ程度で済んだし加減はした。多分大丈夫だろ


 「アンタ鬼姫の護衛ッスよね?」

 「まさかお前!?」

 「くへへ、もう遅いッス」

 「琴葉ちゃん!逃げるぞ!」


 ちくしょう!プリンアイスパフェ食えなかった!絶対どっかで一息ついた時に食ってやる!

 琴葉ちゃんを抱えて我輩達は駅へと走る

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